AS Roma | Sunday, 10. January 2021a | Inter |
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2:2
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goals | |
1 : 0 | Lorenzo Pellegrini 17. / right-footed shot (Henrikh Mkhitaryan) |
1 : 1 | Milan Škriniar 56. / header (Marcelo Brozović) |
1 : 2 | Achraf Hakimi 63. / left-footed shot (Marcelo Brozović) |
2 : 2 | Gianluca Mancini 86. / header (Gonzalo Villar) |
またしてもドロー。直接対決SPでも書いたけれども、この対戦カードは過去5シーズンで、2勝2敗6分に加えて得失点差も同じ13という全くのイーブンで、この試合を制した方が長年の呪縛を断ち切ることができたはずだが、またしても2-2のドローで終わった。これを何かの呪いと考えても良いとは思うけど、そろそろ判ってきたのは、スクデットに標的を定めた大型補強を続けるインテルと、お金がない分組織力で戦おうよというローマは矛と盾の関係、もしくは太陽と北風の関係にあるということ。北風のような一方的な強風で点を獲った後、一転後はゴールを固めようというコンテのプランが凪を生み、そこに付け入りリズムを作ったローマという内容。
前半、試合はインテルが火力で押し、隙を見てカウンターアタックを仕掛けるローマの構図。しかし、こちらは両ウイングバックへの縦を完全に切られてファイナルサードで仕事をさせてもらえない。特に病み上がりのスピナッツォーラはダルミアンとシュクリニアルがしっかりと押さえにきて、右アウトサイドのカルスドルプも突破しきれずといった状況。その間も数回決定機を作られるつつ、昨シーズンとは中の人が変わったと噂されるパウ・ロペスがゴールに鍵を掛けていた。
そんな中、先制は16分ローマ。中央をジェコ、ミキで崩して最後はペッレグリーニのグラウンダーシュート。ニアを抜こうとしたボールが、密集地帯の選手に当たってファーへと軌道を変えネットを揺らした。ハンダノヴィッチ、一歩も動けずというこの得点は、2013-14シーズンにジュゼッペメアッツァでトッティが決めた対角線のシュートと全く同じだ。
ハーフタイムで「これ以上俺をハゲさせるな!」と活を入れたコンテのチームはルカクへボールを集め始める。そして55分にセットプレーからシュクリニアルにフリーヘッドで失点。さらにはその流れを断ち切れないうちにハキミにミドルをぶち込まれた。これが62分。まだ終了まで30分というマルコ・ディベッレの悪夢が頭を過った。
*この試合の笛を吹いたディベッレは、今季ローマが大敗したナポリ、アタランタで笛を吹いてる。
残り20分を切り、徐々にブロックを固めて逃げ切る姿勢のインテル。実にイタリアンクラブらしいコンテのセンスだが、フォンセカはドリブルのペレス、前節絶好調だったクリスタンテを投入して守備戦に挑み始めた。そして最後は右コーナーからヴィジャールのクロスに、この因果の帳尻を合わせるかの如きマンチーニのヘディングがぬるっと決まり、得点はそのまま動かずに2-2のドローで終わった。
個人的に良かったのはヴィジャールとイバニェス。今のローマがハイプレスに対して後ろに下げずに済むのはイバニェスが必ず前方の受け手を見つけ出すからで、逆に言うと彼を欠いたローマは全く別のチームになる可能性がある。そんなイバニェスは、数日前にイル・メッサジェッロで有料のロングインタビューが掲載されたばかりで、相当キテる感、ブレイクした感を出していた。現在相当に自信を持っているのが判る。このインタビューは機会を改めてご紹介したい。
閑話休題。
試合単体の内容としては悪くはないとは思うが、ここ一番の勝負弱さが指摘されていてのドローなので厳しい意見は出るかもしれない。これは甘んじて受け入れるしかない。次は運命のローマダービー。勝利すれば、そんなことは誰も何も言わなくなる。頼むフォンセカ、次節は美しく勝利して、ラツィオを”GAME OVER”してやるのだ。
文:如月
パジェッレ 文:m♡o♡s♡h
・Pau Lopez 7
ローマキャリアでベストゲームでしょう。止まりかけた心臓を何度も蘇生されてくれた。
・Mancini 7
シュクリニアルの前に上半身だけねじ込み、ちぎれるほど首を振って逆サイドに突き刺して値千金のゴール。ローマをCL争いに踏みとどめた。
・Smalling 6
ルカクとの90分ワンマッチはまるでボス猿vsゴリだった。ルカクに十分な仕事をさせないというタスクをこなしたけれど、それ以上の何かをする余力はなかった。
・Ibañez 6
前半は高い位置を取れる時間帯もあったが、押し込まれると途端に保守的になりマークを見失う機会が増えてしまった。いい経験になったと思いたい。
・Veretout 6
バレッラとのファイター対決に勝利。きつい時間帯にもう少しボールを引き受けたいところ。
・Villar 6.5
全体的にまだ強度不足を感じたし多くの時間帯でひっそりとしていたけれど、後半80分からの攻勢はヴィジャールの「まだ慌てる時間じゃない」のおかげ。逆足のアシストも最高。
・Karsdop 5.5
ポジショニングの良さだけではキーマンにはなれなかった。押せ押せの時間帯くらいはバックパスは禁じ手でお願い。ただ終了間際の上下運動は相変わらず。もうむしろスタミナマンやん。
・Spinazzola 5.5
切れ味鋭い機会は見せてくれたけれど、怪我明けでコンディションは万全ではなかった。ハキミにシュートを打たれた距離感は、まさに試合感覚のなさから来たものだと思います。
・Pellegrini 6.5
得点は元よりキャプテンシーを発揮し続けてくれた。今シーズンは特に精神面での成熟を感じる。
・Mkhitaryan 6.5
ボールを預けられたらとにかくボールを前に前に運んでくれた。80分過ぎにも足を止めずに脅威となり続けた。
・Dzeko 5
ルカクと対比するとどうしても見劣りする事実は避けられない。特にイージーにボールを失ってしまうところが。終盤は主にポストプレイで貢献したと思います。
・Bruno Peres (⇔ Spinazzola) 5
あの流れあの時間帯での出場はそもそも難しかったとは思うが……。
・Cristante (⇔ Veretout) 6
最終ラインでの組み立てから最前線の飛び出しまでカバーするオールラウンダースーパーサブ。特に前線からのチェイスとミドルシュートは脅威に間違いないので、競合相手のスターターとして見てみたい。
・Mayoral (⇔ Dzeko) sv
・Fonseca 5.5
また勝てなかったと見るか、よく追いついたと見るか。僕は後者だけれどあと10分早い交代作が見たかった。
(番外編)
・Kolarov sv
ナインゴランの次に死ぬほど似合ってないから戻っておいで。最後のFKは君の番だったよ。
総評
厳しい戦いでした。ローマは先制点こそ取ったものの、全体的にはインテルペースの試合と言ってもいいでしょう。シーズンを通して見ていないので不正確かもしれないけれど、少なくとも今日のインテルはラウ・カクのチームではなくもはやルカクのチームでした。ルカクに預ければ必ず何かが起こるし、だからこそボールに関与しない時でもルカクにマークが引き寄せられ、そのギャップにやられたのがハキミのゴール。スーペルな選手を見れたというエンタメ性はあったけれど、正直もう勘弁願いたいっスね。「ルカクの怪我明けが 1週ずれてたらきっと勝てたよな」と超情けない泣き言も言いたくもなります。
ローマが苦しめられるのはもう決まっていて、自陣にはめ込まれて無限地獄のループで押し込まれる、基本パターンはこれだけ。足元に不安があるのは強いて言えばスモーリングくらいなのに、ここまで押し込まれて自陣から出られなくなるのは何でなんでしょうかね。ビッグマッチの経験不足という言い分を使うには厳しいくらいビッグマッチは経験してるので、システムで解決してもらいたいところです。そこの網さえ抜ければ、再現性の高い網を抜ける手段を持つことができることが、スクデットへの直接的な道だと思いました。
こっちのゴールシーンにも目を向けましょう。ジェコからのサイドパス→ムヒタリアンの落としからロレンツォのゴール左隅に流し込んだ1点目は、瞬間的にフロレンツィのサイドパス→ジェルビーニョ落としのトッティのゴールを思い出しました。同じインテル戦だし見えない糸の力を感じます。ちなみにこの試合は僕のローマベストバウトトップ5に入るほど大好きな試合なので、ぜひ視聴をお勧めします。3点目とかやばいですよ。
フォンセカ監督の遅い交代策には今節もヤキモキしたけれど、それ以上のコンテのメッセージ性のない中途半端な交代策と比べると結果論的に見ても正直だいぶマシでした。インテルは実は層が厚くないのか?とも思ったり。どんな相手の事情だとしても80分以降のローマの強襲は今シーズンで見せたことのない姿だったし、絶体絶命の中ゴールを奪い勝ち点をもぎ取ったという事実は今後を見据えても非常に大きい。
次はローマダービー。順位通りの結果できっちり勝利で終わらせて次に進んでいただきたい。
コメント
トロシディス懐かしいんだが!
王子の隣のぴあ…ぴぁに…
うん、知らない子ですね