AS Roma | Sunday, 3. October 2021 | Empoli FC |
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2:0
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goals | |
1 : 0 | Lorenzo Pellegrini 42. / right-footed shot (Henrikh Mkhitaryan) |
2 : 0 | Henrikh Mkhitaryan 48. / left-footed shot |
個人的な感覚だとは思うけれども、ミキタリアンのゴールが決まった時、懐かしいと言うか、2007年くらいのローマの試合を観ているような感覚があった。エンポリとの力量差は明らかで、早く3点目、4点目を決めて、息の根を止める必要があったが、アンドレアッツォーリのチームは最後までモチベーションを保ち戦った。仮に失点をしていたら3ポイントを積んだとしても今後の試合に影を落としたかもしれない。
前回の更新で、エンポリのピーキーなスタッツについて触れた。
6節までの平均ポゼッションは5割を切っていながら、アタッキングサードより上でボールに多く触れる。低ポゼッションにハイエリアボールタッチ、それ自体は珍しくはない。しかし、アタッキングサードから上で、セリエA20チーム中最も高いボールタッチとなれば『ボールを獲ったらすかさず前方に射出する』というアンドレアッツォーリ監督の特徴がよく出ている。このサッカーを2018年くらい(かな?)、イタリアメディアでは垂直と表現していた。
エンポリを攻略するのは今のローマでは難しいのではないか?というのが試合前の如月の意見だったが、パスでリズムを作り、ドリブルで個の力を見せて、しっかりと対策してきたのはモウリーニョの読み勝ちであろう。とにかくこの試合では終始ローマがリズムを作っていた。一方、残念ながらエンポリのサッカーは今のセリエAで表現するには古さを感じてしまった。
先制はローマ41分、最終ラインから長い縦パス一閃がミキに入ると、ローマの攻撃陣は一気にギアを上げた。そして中央でフリーのペッレグリーニがDF二人の間を小さな振りのシュートで決めた。後半早々にエイブラハムがボックス右をドリブルで侵攻、強烈なシュートを打つも、惜しくも逆サイドのウッドワークを叩き、そのリフレクションを詰めていたミキが決めた。試合はそのまま動かず。なので、チーム同士の数字の比較はそこまで意味を持たない。スモールクラブの奇策をビッグクラブが火力で圧倒した形だ。そこで冒頭に書いた、追加点を決めていれば…という感想になる。
あとは、これだけの強度をローマが持てたのは、3万人以上を収容した絶対的ホーム環境があったことを忘れないようにしたい。ティフォージの声はずっとチームをブーストし続けた。現在パンデミックでキャパシティ50%減のスタジアムで、アウェイサイドの中立席を追加で2000席開放して、この日のオリンピコは赤と黄色に包まれた。
再度スタッツに話を戻すと、今回チーム同士の数字の比較に意味はないが、この試合でこれまでチャンスメイクに回っていたペッレグリーニは圧巻のプレーだった。まるで0.5秒先の世界が見えているようだった。タミーと同数の6本のシュートを打ち、またshot creating actions(シュート機会創出)もヴェレトゥと並び6回。また、ボールを敵陣に運んだ回数は69回とチームトップで、あれだけ目立っていたマティアス・ヴィニャの59回を大きく離した。プレス試行数(19回)、味方のパスターゲット回数(89回)共にチームトップと絶対的な存在だった。このままシーズンを過ごせば、間違いなくローマをもうひとつ上のステージに引き上げる選手であり、その選手にこそ10番は相応しい。戴冠式はもうすぐやってくる。
ミキ試合後のコメント
ミキタリアン「俺たちは勝ちたかったから重要な勝利になったね。上位に少し近づけたと思う。それにほとんどパーフェクトなパフォーマンスでもあった。今日の俺のゴールとアシストは心配していなかった。いつかやってくると思っていたから。ただその時を待つだけで良かったんだ。これに関してはチームメイトに感謝している」
温故知新ということで、ローマの伝説のバンディエラの物語をどうぞ。絶対見てくれよな!
コメント
更新ありがとうございます。
いとも簡単(そう)に先制点を挙げた瞬間、新たなバンディエラが生まれた瞬間に立ち会ったことを悟りました。
系譜がつながるということはクラブのアイデンティティが保たれるということで、子供が独り立ちした安堵感に近い感情が湧いています。
はなおさん
バンディエラの系譜的な部分は今後薄れていくのだろうと思っていましたが、ローマはここにきて強力なリーダーを手に入れましたね。
ペッレグリーニは久しぶりにワクワクするプレイヤーで、まだ25歳というのもあり将来が無茶苦茶楽しみです😊