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【セリエA第2節 前日会見ほぼ全文】モウリーニョ監督「経験は買うものではなく積むものだ」

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現在誰が最もヨーロッパで成功している監督なのか、それをぼくは知らないが、最も成功を手にしてきた監督ならば(手にしてきた監督のひとり、ではなく唯一手にした人物である)、我々は胸を張ってそれならローマにいると話すことができるだろう。スタッツは雄弁に真実を語る。これまで999回ピッチサイドに立ち、639勝、198引き分け、162敗を記録した。生涯勝率6割の男、それがジョゼ・モウリーニョ。
ローマに来たスペシャルワンは、おそらく一般的にサッカーファンがイメージしている、攻撃的で、挑発的な男ではない。鋭角的な物体は長い間転がることで、摩耗して球体になる。円みを帯びた物質はもっとも圧力を受けにくい。昔の人はそれを『円熟』と呼んだ。彼はこの数ヶ月、若い監督を評価して、自分の世代の監督を仲間だと話してきた。そしてネクタイを外し、カジュアルな格好でベンチに座ることを選んだ。現在誰が最もヨーロッパで成功している監督なのか、それをぼくは知らないが、最も円熟した監督ならば、ミラノでもマドリッドでもなくローマにいる。厳しいが穏やかなマエストロだ。

明日のサッスオーロ戦で1000試合を迎えるモウリーニョをローマは大々的にプレゼンテーションしている。現代欧州サッカーで1000試合を達成したのは33人しかいない。その功績を讃えて、先日リーグマネージャーズアソシエーションは彼を名誉の殿堂に加えた。今日のローマ速報では前日会見の模様をご紹介したい。とても素晴らしい会見なので、多くの人に読んで頂きたいと思う。

現在サッカー界では、クラブチームとナショナルチームの関係性が問題になっています。リーグ再開の1,2日前にようやくクラブに戻る選手たちについてどのようにお考えでしょうか?

モウリーニョ「どのようにお考えですか?これはもう長らく議論されてきた問題で、解決策を見つけることが難しい話だ。つまり、クラブと代表では利害が異なるからね。私は自分がコントロールできないことに対して、あれこれ考えて時間を無駄にしないことにしている。木曜に試合をした選手が、(試合前日の)土曜日の朝にローマに戻ってくることを受け入れるのは難しい。だが、今回に関してはそれがマティアス・ヴィニャで済んだことは幸運だ。他のクラブはもっと複雑な状況かもしれないな。どちらにしても私はこの問題で嘆いたり、ネガティヴにならないことに決めた。前向きに考えている。やるべきことはないのだとね」

まずは、1000試合達成おめでとうございます。サー・アレックス・ファーガソンからも節目の祝辞を頂きましたね。ニコロ・ザニオーロについてお伺いします。彼は今どのくらいのコンディションなのでしょうか?

モウリーニョ「ありがとう。まずはこの機会に私をLMA Hall of Fame 1000 Club(名誉の殿堂)に加えてくれたLMA(リーグマネージャーズアソシエーション)にお礼を申し上げたい。そしてサー・アレックスにも。彼の言葉は良い意味で責任を感じたよ。そして、サッスオーロのディオニージ監督にも感謝している。彼の私に対するコメントも読んだ。私は彼や、彼と同世代の若い監督を尊敬している。ヴィンチェンツォ・イタリアーノもそうだ。彼らのキャリアは既にそれにふさわしいレベルに到達していると感じているよ。クラブは昨シーズン、ザニオーロに対して慎重に対処した。早期復帰してローマで出場する可能性、ユーロに出場する可能性もあった。しかし、クラブは慎重にそのタイミングを見極め、時が満ちるのを待った。私はスケジュールの都合で7月までローマに来ることができなかったから、ニコ(ザニオーロ)とすぐに一緒に仕事を始めたわけではない。しかし、私がローマ入りする数週間前から私のスタッフはニコと仕事を開始している。パウロ(フォンセカ監督)の体制下で、多くの作業を既にやっていたこともあり、ニコの状態は良く、引き継ぎもスムーズだった。この手の怪我は選手に影響を与えることから、メンタル面でも回復する必要があったと思う。彼は時間をかけて回復して、プレシーズンも良かった。現在は自分の怪我を忘れて、自分や周囲に自身を持って仕事をしている。もうひとつ。私たちはカルレス・ペレスのような選手がいることも忘れてはいけない。バルセロナからやってきた偉大なカルレスをまだローマで見ることは出来ていないが、今シーズンは良いプレーをしているだろう。同じポジションに彼らがいるのは素晴らしいね」

ザニオーロを偽9番として使いますか?

モウリーニョ「それはロベルト・マンチーニ代表監督の選択で、ロベルトからは私に相談はなかった。私はロベルトのアイデアを尊重している」

今のザニオーロはあなたのイメージにあるザニオーロですか?また彼を見てこれまで指導してきた選手を思い出しますか?

モウリーニョ「怪我をする前とした後を比べることは簡単だ。しかし、それは彼が2歳歳を重ねたことの比較でもある。その間、ニコはそれまで時速200キロで生きてきたライフスタイルを見直す機会を手に入れた。今はより成熟している」

今後もより多くの成長をするのでしょうか?

モウリーニョ「もちろんだ。仮に22歳の若者に何も教えられないのだとしたら、それこそ私はひどい監督になってしまう。彼にはまだまだ与えるべきものがあり、学ぶべきものがある。試合から学び、様々な戦術的セットアップ、そしてプレースタイルを学ぶ必要がある。引いて守る相手と、ハイプレスのチームに対する戦い方をもっと理解しなくてはならない。だが、ニコは学ぶことが好きな子で、プロフェッショナルでもある。ローマ入りする前の事前の調査では、彼は未熟で無責任なところがあると言われていた。しかし、実際にニコを見て言えるのはその真逆ということだ。フィオレンティーナ戦で2枚のカードを貰って退場したが、あれはチームを助けようとして貰ったものだった。少なくとも彼に対して私は非難できない。お互いとてもオープンな関係だ。これまで指導してきた選手との比較はしたくないが、彼ほどフィジカル、テクニックのポテンシャルを持つ選手はあまりいないと思っている」

タミー・エイブラハムがこれほどの即戦力になると予想していましたか?また、ペレグリーニは、インターナショナル・ブレイクが終わった今、ローマと契約延長するのでしょうか?

モウリーニョ「ペッレグリーニについては、1日が終われば、それだけ契約延長のタイミングが1日近づくと思っている。心配することは何もない。私もクラブも契約を望み、それは彼も同じなのだからね。全てがポジティヴな結末に近づいている。代理人はペッレグリーニの(利益の)為に最大限の努力をしたいと考えている。もし代理人が契約延長を決断しなければ、私が自宅の住所をお教えするので、あなた達はそれを新聞に掲載して、ロマニスタたちを彼の家に招待するといい(笑)ペッレグリーニ自身、ローマに残り、このプロジェクトの一員になりたいと考えている。ここに来た時、私はまず状況を正しく理解したいと思っていた。選手を個人としてだけではなく、チームでフィットしているかも知りたかった。だからジェコがいた時期も、私は誰がカピターノかを名言しなかったんだ。ペッレグリーニは私たちのキャプテンで、その次がマンチーニ、そして第三のキャプテンがクリスタンテだ。キャプテンとは、今日明日の存在ではない。だから私は彼が契約延長するまで、公に彼をキャプテンとは言わなかったのだ。しかし、現在は状況は異なっている。ペッレグリーニはすぐに契約を結ぶと確信している。これから何年もローマのカピターノでい続けるだろう。タミーに関しては、もちろん彼の力は(即戦力として)確信していた。しかし、その出身地だけが問題だった。タミーは家族と一緒にロンドンで暮らしていたロンドンっ子だ。ロンドンボーイはいつまでもロンドンボーイなんだ。ここで生まれてロンドンを離れる人はあまりいない。つまり、唯一の問題は新しい環境だと考えていた。しかし、今ではその疑問も消えたね。タミーはローマで本当に幸せだと思う。既にチーム溶け込んでいて、友達も出来たし、トリゴリアの外でも良い生活を送っている」

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あなたが先程挙げた青年監督たちと対戦して、自分自身に変化を感じましたか?

モウリーニョ「当然変わったさ。キミたちだってそうだろう。もしかしたら昔はもう少し髪の毛だって多かったかもしれない。私もそうだったよ。時代と共に変化するのは当然のことだ。監督業で言えば、チーム分析でも大きな変化があったし、その度にやり方を変えてきた。私がバルセロナやポルトにいた頃は、まだ試合分析担当で、スタジアムにはペンとメモ帳を持っていったものだ。その後、運良く相手チームのVHSかベータマックスが手に入れば、それをビデオプレイヤーで何度も巻き戻した。だが、今では全く違うだろう。そのために分析方法も作業工程も大きく変化してきた。要はどの情報を選手にインストールするかなんだ。そこを更に判断していなけければならない。昨日は8分、今日も8分、チームミーティングを行った。しかし、その為に私たち監督スタッフは8時間のミーティングを3日間行った。このレベルのサッカーは完全に変化していて、過去に囚われてそれを否定するのは間違っている」

ローマはこれから3週間で7試合戦います。ローテーションについて考えていますか?

モウリーニョ「まだ7試合について考えていないからローテーションも考えていないね。でも、言いたいことはよく分かる。私のオフィスには試合日程が張り出されているから。しかし、私は明日の試合についてのみ考え、その次の試合についてはまだ考えていない。だからローテーションを組むつもりはない。サッスオーロ戦に向けて、ベストメンバーを用意する。これはこれまでも同様だ。ある試合でカルレスが先発すれば、それはローテーションではなく、選択したということ。同じポジションに優れた選手が複数いれば選択肢が生まれるということだ。右サイドバックはイバニェスがプレーできる。カルスドルプのような攻撃的なサッドバックではないが堅実だ。経験は移籍市場で買うのではなく積むものだ。1月まで補強できないから、それまでは今いる選手にフォーカスする必要がある。それと、ここまで誰一人サッスオーロについて質問をしていない。だが、この前日会見で私からサッスオーロについて話す必要はある。まず彼らはタフなチームだ。それは過去の対戦成績を見て言っているのっではなく、十分な知識を持ってそう話している。勝点を得るには、本当に良いプレーをしなければならない。クリスタンテとミキタリアンは2日前に90分プレーしたばかりだが、出場に問題はないだろう。マンチーニとペッレグリーニも順調に回復している。ザニオーロも同様だ。ローマは明日の準備ができている」

<了>


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