実はフリードキンがローマを買収した直後に、ピッコロミーニ通りではこんなバナーが掲げられていました。
これはパロッタが2013年に変更したステンマ(紋章)、つまりエンブレムを元に戻して欲しいというメッセージです。
パロッタ期の2013年に、エンブレム下部の設立当初から採用してきたASR(Associazione Sportiva Roma)のロゴからROMA1927に変更になり、軍神マルスの子供でオオカミに育てられたロームルスとレムス兄弟の伝説を表現したエンブレム上部はインレイが簡略化されて、より商業デザイン化が進みました。さらには2016年に配色も変更になりました。ほとんどの人がエンブレムの2色を黄色と赤だと思っていますが、本来はローマ市の紋章である金色と赤が変化したものです。ですがパロッタはこの金色から転化したオレンジを、ローマのニックネームであるジャッロロッシ(黄色と赤)に寄せて完全に黄色にしてしまいました。外国人に都市のシンボルカラーに由来するエンブレムをすっかり変えられてしまったのです。
フリードキンがローマに滞在すると知ったティフォージは早速バナーを掲げて、都市の紋章を元に戻して欲しいと訴えかけました。そして、なんとクラブはこれを聞き入れたのです。このバナーに気が付いたフィエンガ社長は、インターナショナルマッチウイークに入ると、すぐに顧問弁護士とクルヴァスッドの代表者をトリゴリアに呼び話し合いを行いました。両者の落とし所として、来季のセカンドユニフォームに以前のエンブレムを採用することで話をつけたのです。
エンブレム・イズ・バック!
2013年に変更された悪評高いボストンエンブレムですが、フリードキンはファンの声を聞き入れ、来季のアウェイユニにクラシックエンブレムの採用を決定したとのこと。
今度のオーナーは、ローマにいなければ感じる事の出来ない温度に気がついてくれるのかもしれませんね。 pic.twitter.com/AcuiG0ZfXP
— ASローマ速報⚡ ROMANISMO official (@roma_sokuhou) October 17, 2020
日本のロマニスタにとっても旧エンブレムの復活はとても嬉しかったようです。
こんなことは世界中のどんなクラブでも起こったりはしません。エンブレムが変えられたことを、自分たちのアイデンティティの喪失だと多くのロマニスタが考えていたのです。これがトッティやデ・ロッシも手を焼いた厄介さであり、また同時にロマニスタの愛なのでしょうね。この帰属意識の高さこそがROMANISMOなのかもしれません。
コメント
更新ありがとうございます。
ほんと嬉しいニュースですね。
当時1927を見てラツィオが調子にのるって言われてましたからね笑
短期間でどんどんファンの心を惹くのは流石のドキンちゃんです。