AS Roma | Sunday, 26. November 2023 | Udinese Calcio |
---|---|---|
3:1
|
goals | |
1 : 0 | Gianluca Mancini 20. / header (Paulo Dybala) |
1 : 1 | Florian Thauvin 57. / header (Martín Payero) |
2 : 1 | Paulo Dybala 81. (Romelu Lukaku) |
3 : 1 | Stephan El Shaarawy 90. (Edoardo Bove) |
|
|
インターナショナルブレイクを挟んで2週間ぶりの開催となったセリエA第13節。ローマはスタディオ・オリンピコにウディネーゼを迎えた。現在16位と低迷しているウディネーゼだが、カンピオナートで直近6試合を1勝5分で負けておらず、その1勝もサンシーロで強豪ミラン相手に勝ち取ったもの。前日会見でモウリーニョ監督は、この試合が真の意味でチャレンジになると語った。
モウリーニョ監督「最も重要なのはポゼッションになるだろう。それもポゼッション率ではなく、ポゼッションの質だ。ここはチームとして改善されつつある。だが、ウディネーゼはプレースピードが速く、全体的にインテンシティも高い。私たちが引いてプレーをして、危険な位置で奪われると危険だ。それに彼らのセットプレーも脅威だ」
この言葉の通り、ローマは序盤から意識的にプレースピードを上げながらポゼッションする。およそ2ヵ月ぶりに復帰したロレンツォ・ペッレグリーニはその戦い方に大きな貢献をしていた。その献身的なプレーは、これまでチームが失っていたものだった。
前半19分に試合が動いた。ペッレグリーニが倒されて、ペナルティーアーク手前でFKを得る。蹴るのはディバラ。速いボールを入れると飛び込んだマンチーニが頭で合わせた。これがネットを揺らしてローマが先制に成功。
後半に入るとウディネーゼは6戦無敗も伊達ではない粘りを見せる。徐々にローマ陣内でのプレーが増えていき、57分に左からのクロスにフロリアン・トヴァンが頭で合わせてネットを揺らす。余談だが、この得点を見てトヴァンが5年前のマルセイユ時代に、ローマ移籍が噂されていたアタッカンテだったことを思い出した。
モウリーニョ監督は、63分にペッレグリーニとスピナッツォーラに代えて、アズムン、エルシャーラウィを投入した。これはフォーメーションを崩さずに、より攻撃的な選手を入れる采配だが、前体重で攻めたその裏でセカンドボールを拾われる展開。前日会見のモウリーニョ監督の言葉通り、かなり危険な位置でボールを失い始めていた。
71分、クリスタンテのアウトフロントに掛けたパスが、左サイドの張り出した位置のエルシャーラウィに通る。エルシャーラウィはペナルティエリア手前でカットインしながら、背後でフリーのアズムンにパスを送る。これはアズムンとは合わず。76分にはディバラのFKにクリスタンテが頭で合わせるも、これも惜しくもゴールをわずかに外れた。しかし、少しずつローマに得点の匂いが漂いはじめていた。
このプレーの直後、ザレフスキ、ボーヴェを入れて勝負に出たローマは、81分に逆転に成功。ボーヴェからの縦パスをアズムンがルカクにフリックでパスを出す。相手DFを背負ったルカクからボールを引き取ったディバラがGKの左を抜いて決めた。
90分にはゲームクローズとなる追加点。マンチーニのロングフィードを前線のルカクが収めると、相手DFを片手で制しながらの圧巻のキープでタメを作り、ボーヴェを経由して、左からボックスに飛び込んできたエルシャーラウィがダイレクトで巻いたシュートをゴール右上に決めた。試合はそのまま動かず。ローマは大きな価値を持つ勝利を手にした。
ルカク、ディバラのワールドクラスの存在感。ペッレグリーニのローマ愛を感じる献身的なプレーや、スター誕生前夜ともいえるボーヴェの期待感など、今夜の見どころは多いが、本当に我々ロマニスタが見るべきは、ボールを持つたびに、ひとつひとつのプレーに独創的な閃きを加えたエルシャーラウィだろう。ぼくたちは彼の天才性を見慣れ過ぎているのかもしれないが、彼もまたこのチームではスペシャルワンなのである。
ローマはこの勝利でフィオレンティーナ、アタランタを抜いて5位に躍り出た。シーズン序盤の謎のスタートダッシュ失敗は悔やまれるが、その後10月には公式戦5連勝で波に乗り、今チームは自信に満ち溢れている。次はマペイスタジアムのサッスオーロ戦。絶対に勝とう。つまらん夜はもうやめだ。
コメント