プリマヴェーラでプレーする全ての若者が、ローマでプロとして活躍することを夢見るが、実際に夢が叶う選手は殆ど存在しない。21歳になると彼らは愛する故郷のクラブを離れて、セリエBか、それよりも下のカテゴリーの地方クラブに旅立っていく。
これまで育てて貰った育成費を自身の売却益で返すのである。2年前まではボーヴェもその1人だった。セリエCからのオファーを止めたのはモウリーニョ監督で、その点でスペシャルワンの審美眼と、彼自身その期待に応える器があったということだろう。
イタリア代表の期待の若者であり、ローマの未来のバンディエラ候補でもあるエドアルド・ボーヴェのインタビューをお届けしたい。
ジャッロロッソのユニフォームを着る時、ローマ生まれのあなたにとって、それはどのような感情なのでしょうか?
ボーヴェ「そうだね、説明が難しいところだけど、子供の頃から同じ気持ではあるよね。でも、大人になって、選手としてユニフォームを着てからは、それが重要であるという事への理解はさらに深まったと思う」
キャリアの始まりを教えて下さい。
ボーヴェ「ぼくはボレアーレで育った。とても穏やかな環境で、そこで良い人たちに囲まれて成長することができたんだ。ローマのセレクションを受けた時、担当したのがブルーノ・コンティで、彼のおかげでぼくはローマにたどり着いたと言えるね。トリゴリアの正門をくぐったときの感動は今も忘れない。本当に興奮したからね」
あなたは現在メッザーラ(インサイドハーフ)としてプレーしています。ご自身ではどのポジションが適正だと考えますか?
ボーヴェ「プリマ時代は中盤ほぼ全てのポジションでプレーしたよ。でもメッザーラが一番好きかな」
メッザーラで必要なのはテクニック?それともフィジカル?
ボーヴェ「セリエAで戦うならフィジカルはマストだけど、速いプレースピードではテクニックも必要だ。ボックス・トゥ・ボックスのプレイヤーにはどちらも求められるし、それがこのポジションをやるための基本的な能力だと思う」
どのようにモウリーニョ監督の信頼を勝ち取ったのでしょうか?
ボーヴェ「それはぼくも知りたい!(笑)まず監督の求めることをやるべきだろうね。そもそもシンプルにプレーするのは決してつまらないことじゃないんだ。選手と監督は信頼の上でつながっているんだから、まずは監督の期待に応えてこそ、さらに美しい関係が構築されていくんじゃないかな」
あなたがローマのトップチームで夢に見た背番号はありますか?
ボーヴェ「プリマでは8番をつけていたから、いつか8番のユニフォームが着たいね。5番もいいなって思う。だだプレッシャーがあるからという意味じゃないけど、10番だけは着たくない。それはフランチェスコ・トッティの聖域であり、もはや宗教でもある。だから自分が10番を背負うことは許されない」
デ・ロッシとあなたに共通する特徴は?彼から学びたいスキルはありますか?
「ぼくにとって、デ・ロッシは常にお手本なんだ。ピッチ上での気迫や狡猾さはぼくたちに共通するものだと思うな。それ以外でも、彼から学ぶことはたくさんあるし、これからも色々吸収してできる限り向上していきたい」
これまでで、最も大切なアドバイスはどのようなものでしたか?またそれは誰からの言葉でしたか?
ボーヴェ「シンプルにプレーすることが常に一番難しい、それがぼくの最も大切にしているアドバイスだよ。複雑なプレーもできるけれど、数回のタッチで全てを完全にプレーするのはとても難しいんだよ。誰からの言葉か?それは秘密にしておくね」
ビッグマッチ前に行うジンクスはありますか?
ボーヴェ「特にルーティンのようなものはないかな。大きな試合の前に、いつもより長く集中する時間を取ったりはするけどね。でも基本はチームメイトと一緒に過ごして、みんなを身近に感じていたい。なぜなら勝負とは共に勝利して、共に負けるものだから」
これまで最も苦しめられた対戦相手は?
ボーヴェ「ミランのトナーリ」
ロドリ、ギュンドアン、ブルーノ・フェルナンデス。誰とユニフォームを交換したい?
ボーヴェ「ギュンドアン。何でも簡単にやってのけるし、自分が何をすべきかも理解している」
ローマのエレガントなプレイヤーは?
ボーヴェ「ディバラ、クリステンセン、クリスタンテかな。彼らのプレーは常に非の打ち所がないよね」
夜のローマでおすすめのスポットは?
ボーヴェ「トラステヴェレ(ローマの下町地区)。昔から愛着のあるエリアだから」
試合前に聴くプレーリストは?
ボーヴェ「マネスキンとコールドプレイ。でも最近はバスの中で音楽がかかっているし、その時に流れている音楽を聴いていることが多いよ。その時はヘッドフォンを外してる」
行きたくないディナーに誘われたら、どんな口実で断りますか?
ボーヴェ「おばあちゃんの家で夕食を食べるという言い訳をしたことがある。その話をおばあちゃんに言ったら怒られたんだ。あれには罪悪感を感じたよ。今なら家族の誰かと食事の先約があるって言うかな。家族だったら誰も怒ったりしないからね!」
<了>
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