AS Roma | Thursday, 11. March 2021 | Shakhtar Donetsk |
---|---|---|
3:0
|
goals | |
1 : 0 | Lorenzo Pellegrini 23. (Pedro) |
2 : 0 | Stephan El Shaarawy 73. |
3 : 0 | Gianluca Mancini 77. / header (Bryan Cristante) |
思い出すチャンピオンズリーグの夜
フォンセカ監督、ミキタリアンの古巣であるシャフタールとのファーストレグはオリンピコで行われた。フォンセカ監督はその前の試合も以前指揮していたブラガと古巣対決が続く。当時のシャフタールは我々ロマニスタにとって、あのバルセロナの奇跡のシーズンにチャンピオンズリーグで戦ったチームとして記憶に新しい。シャフタールにはマルロン、タイソン、イスマイリーと懐かしいメンツ。一方、ローマはミキタリアンを1トップに据える3-4-2-1で臨んだ。
シャフタールは明らかにローマを研究していて、無駄に前進せず、こちらのボールホルダーがミドルサードに侵入して、そこでファーストプレスを掛けるというスタイル。ローマは打開するためにフィードを多様してディフェンスの裏抜けを続けた。この派手さに欠ける攻防の結果、序盤はずっとこのミドルサードの探り合いが続く。しかし、これが先に形になったのはローマ23分。敵陣左サイドからスピナッツォーラのスローインをミキがダイレクトに叩き、ボールを引き取ったペドロが前を向いた。さあ攻撃のスイッチを入れる時間だ。シャフタールはディフェンス3枚が揃っているが、ペッレグリーニがその隙間をダイアゴナルに抜け出して、GKトゥルビンとの1対1を右のインステップで制した。
後半に入るとブラジルU-20のタレント、テテのアジリティとFWモラエスの崩しで立っているだけでも危ういパウ・ロペスに迫る。フォンセカは62分にペドロOUT、エルシャーラウィINで修正を図り、これがこの試合のターニングポイントになった。1度しか観ていない現時点で因果関係はわからないが、エルシャーラウィが入ってから、両サイドがワイドに開き、前線にスペースが生まれつつあった。ここで重要なのは、開いているのがウイングバックということ。つまり、エルシャーラウィがフィニッシャーとして刺しに行く素地がここでできていた。
追加点は73分。マジョラルのパスを受けたエルシャーラウィがドリブル開始。目の前の二人の防衛をカットインで切り裂いて、詰めてきたトゥルビンの鼻先をかすめるクッキアイオを披露した。天才だ。
その4分後には左コーナーキックをクリスタンテが頭ですらして、ファーに飛び込んだマンチーニがフリーヘッダーでネットを揺らし3-0でゲームクローズ。マンチーニは前半にも攻撃参加した後、シュートチャンスを待って帰陣しないというゴールに対する密かな野心を見せていた。決定的なフリーキッカーがいないというローマにおいて、彼の攻撃はベナティア以来の有効な攻撃オプションになっている。あとはアウェイゴールを防げばいいだけのローマはクリスタンテを1列上げて、センターバック中央に本職のイバニェスを投入。追加タイム4分を難なく過ごしてタイムアップとなった。
総評:ボールを持たずに試合をコントロールしたローマ
これまでのローマと明確に異なる部分として、前進してこない相手に対して徹底的に裏抜けを仕掛けたことだろう。先制の23分までにローマに上げられたオフサイドフラッグは4回。これまでのどの試合よりも多い。また、最終ポゼッション37.7:62.3から分かる通り、ローマは守備を強く意識していて、これはアウェイゴールを警戒した結果だと言える。フースコのポジションリポートでこれは裏付けられる。(画像参照)
ローマは攻撃時3-4-2-1で、被ポゼッションで4-4-2に変化するのはこれまで何度かお伝えしているが、この試合では画像で分かる通りディアワラが最終ラインに吸収される4-4-2の防衛フォーメーションになることがしばしばあったということ。
基本ミキとペッレ(とペドロ)がカバードランを行い(この試合ではいつもより少ない印象)、キーパーからのビルドアップを阻止するのだけれども、この試合は序盤が特に探り合いというか、どちらも攻守のバランスを気にしていたために、ここを打開するプレイメーカーの不在は個人的に気になった。かなり消極的なカバードランだったので、それならばペッレグリーニは前線ではなく中央で仕事をさせたいし、ディアワラも守備で良さが出ていたものの、レジスタとしてのイマジネーションに乏しかった。しかし、これは4-4-2ベースに起因するものだと思う。
次の日曜日はパルマ遠征。3節の完勝したパルマ戦では相手に有効な攻撃を一切させなかったが、それだけに彼らは日曜がリベンジの機会だと考えている。ふくらはぎの損傷によるミキの交代がどう出るか。まだコッパイタリアしか落としていない。これからの総力戦、コンディションを整えながらポイントを積み上げて欲しい。ミキとヴェレトゥがいないから順位を落としたとならないように!
ファラオーネ試合後のコメント
エルシャーラウィ「えっと、ぼくたちは強い決意とキャラクターを示せたとおもってます。ミステルはこれがタフな試合になると言ってたので、この結果はかなりハッピーです。でもまだ終わったわけじゃないですし、これからも難しい試合は続きます。ただ、今夜の勝利がローマに自信を与えてくれるとも思っています。初ゴールについては、そうですね…確かに決めたいとは思っていたけど、急いでいたわけじゃないし、根気強く、献身的にプレーしてようやく得点できて満足してます。でもゴールは本当にエモーショナルで、それはぼくのセレブレーションにも現れていたでしょ?(注:ベンチのミキタリアン(?)の顔を手のひらで撫でつけた)ミステルからは、集中して試合に入れと言われて、実際に「よし、ゴールしてやる」って思いながらプレーしたんです。それよりも守備も良かったでしょ?ファラオーネの復活?アハハハ、もっと得点しないとね!」
【おまけ】今夜のテディーベアちゃん
コメント