11年ぶりのイタリアンクラブ復帰を喜んでいるのはロマニスタやセリエAファンだけではありません。かつて彼を招聘してインテルをトリプレテ(チャンピオンズリーグ、セリエA、コッパイタリア制覇)に導いたモラッティ監督もこの速報に驚き喜んでいます。それもこの発表の数日前に。なぜならば、モラッティは事前にモウリーニョからメッセージを受け取っていたのです。そして、そこにはこう書かれていました。「マッシモ、また会おう」
モラッティ「私とモウにはリスペクトがある。モウのローマ就任に議論の余地はない。素晴らしいプロジェクトであり、素晴らしいクラブであり、素晴らしいファンであり、ローマのオーナーにとって素晴らしい冒険となるだろう。モウリーニョは上手くやるはずだ。もしくは上手くやるための条件は揃っている。私は彼がインテルのライバルクラブに行ったからといって嫌な気分になどならないよ。私は彼と一緒にすべてを勝ち取った。それは永遠に残り続けるからね。イタリアのサッカー界は彼のような人物の恩恵を再び受けるだろう。彼のシニカルで知的な言葉、そして挑発とメディアに対する存在感。なによりもとてつもない専門家としてのスキル…」
IL TEMPOのゾッティ記者はモウリーニョの就任を「ファビオ・カペッロ以来、22年間で最も重要なニュース」と書きました。この急転直下のドラマを演出したのはもちろんチアゴ・ピントGMです。ピントは、イタリアの仲介業者(代理人とクラブの橋渡しをする人物)を通さず、直接ジョルジュ・メンデス代理人(ヨーロッパのメガエージェント)と話し合いをすることができ、その交渉を短期間でまとめ上げました。これは彼らがポルトガル人であること、そしてメンデスがパウロ・フォンセカ監督の代理人も努めていることが優位に働いたと考えられるでしょう。
気になる年俸ですが、3年契約750万ユーロ+ボーナスというローマでは有り得ない高額のギャランティを支払うと言われています。これぞフリードキンの本気度といったところですが、トッテナムで1700万ユーロ貰っていた監督がなぜローマでその半額以下の条件を受け入れたのか?一説にはこのようなカラクリがあると言われています。スーパーリーグ構想でフロントと衝突して解雇されたモウリーニョにトッテナムには年俸を支払う義務があるのですが、この契約期間中モウリーニョが1700万ユーロよりも低年俸で他のクラブを率いた際に、その差額を肩代わりするという契約条件が盛り込まれていたのだそうです。なのでローマは安値で世界トップクラスの監督を連れてこれたというわけです。
モウリーニョ到着で話が御破算となったマウリツィオ・サッリですが、実はこの話も進展する可能性があったらしく、今週金曜日にピントGMと会談が予定されていたのだとか。
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