――ようこそ新監督!いまのお気持ちは?
フォンセカ「とても嬉しいよ。まずはパロッタ会長とフィエンガ社長に心よりお礼を申し上げたい。世界的にファンを持つローマというビッグクラブを指揮することに疑いを抱かなかった。それにこの挑戦には相当楽観的なんだ。ファンとクラブに対して、熱意と信頼を得られるような何かを築きたいと思っている」
――パウロ・フォンセカとはとのような監督なのでしょうか?ご自身から伝えることはできますか?
フォンセカ「自分の事を自分の口から説明するのは難しいね(笑) どちらかと言えば、人から話してもらった方がいい。でもオーケー、やってみよう。まず、フォンセカはこの仕事が好きだ。監督という仕事が好きなんだ。この熱意を一緒に働く人たちに伝えたいと思う。試合が好き、サッカーが好き、その情熱を周囲の人たちと共有したい」
――あなたはどのようなチームを見せてくれるのでしょう?
フォンセカ「なんといっても第一に勇気あるチーム。ビッグクラブであっても、スモールクラブであろうとも同じアプローチで勇気を持って戦いたいんだ。そして、ファンか誇りに思えるようなスタイルのサッカーで競争力のあるチームを作りたい。私にとってパフォーマンスの質はとても重要だ。もちろん一番の目的は勝つことではあるが、高い質のプレーをするチームを作りたいんだよ」
――良いプレーでなければ勝っても嬉しくない、これはあなたの以前の言葉です。
フォンセカ「イエス。勝利だけでは不十分だ。私が見たいのは、自分たちのアイデアがどの程度実行できたのか、ハイクオリティ・パフォーマンス。つまり、ファンが興奮するようなパフォーマンスで勝ちたい。試合が終わってファンが家に帰り、そこで「今日ローマ勝ったんだ!あいつらすげえ勇気のあるプレーしたんだよ!」そう言えるようなパフォーマンスをしたいのさ」
――あなたはシャフタールで大きな成功を手にしましたが、そこから離れてローマに加わろうと考えたのはなぜでしょうか?
フォンセカ「そうだね、まず私は昔からヨーロッパのビッグリーグで監督をしたいと考えていた。その点でセリエAはヨーロッパ主要リーグであり、ローマもヨーロッパ最大のクラブのひとつだ。ヨーロッパのビッグクラブを率いるのは昔から私の目標だったからね。シャフタールで素晴らしい3年を過ごして、このオファーが来たとき、私は自分の夢を叶える為に、ここを去る時間が来たのだと感じたよ」
――セリエAはとても戦術的で、難しいリーグです。
フォンセカ「だからこそだよ。私がイタリアを選んだのはね。毎週、毎試合、監督にとって大きなチャレンジになるだろうね。イタリアにはディフェンスに長けたチームが多いが、そのようなチームを驚かせるような何か作り出すことに私は燃えている。大きなチャレンジにはなるけれど、私はその挑戦がとても好きなんだ」
――現在イタリアでは多くのクラブが力を取り戻し、上位に強豪がひしめく状態です。次のシーズンは更にし烈な競争が待っています。
フォンセカ「コンテさんが帰ってきて、おそらくサッリさんも戻る。さらには一流選手が多いリーグだ。いろんなチームが強くなって行くのはセリエAファンにとって良いことだよ」
――ローマで採用する基本フォーメーションは?
フォンセカ「基本的には4-2-3-1システムでプレーしたいけど、最も大事なのはダイナミクスと、そのシステムの原則を守る事だ。ローマでは非常にダイナミックなチームを作りたいね」
――正直な話、この夏はあなたがチームを作る為の充分な時間がありません。あなたが望むものを選手が理解するにはどの程度の時間が必要だと思いますか?
フォンセカ「とても難しい状況ではあるよね。我々に与えられたプレシーズンは僅か4週間だけ。願わくばもっと時間が欲しいが、それは私にどうにかできる訳じゃないからね。まずはファーストゲームまでの4週間でどこまでやれるか準備してみよう」
――最後の質問です。ローマは国内外に多くのサポーターを持っています。彼らに一言お願いします。
フォンセカ「私が言いたいのは、皆さんの力が必要だという事。あなた方と私たちで一緒に強いチームを作っていけると言わせて欲しい。みなさんがローマを愛しているのは知っています。私たちはみなさんの為に特別な何かを創ります。サポーターが誇りに思えるような何かをね。私は繰り返し『勇気』について話をしてきたけれど、それはサポーターのみなさんが私たちに与えてくれるものでもある。私たちがピッチに飛びだした時、みなさんの声がまず最初に私たちをやる気にさせてくれるだろう。その瞬間から、私たちはファンの為に勇気を持って戦わなければいけないんだ」
勇気!勇気!勇気!それが新しいローマのキーワードになりそうですね。それ以外は部分的にディフランチェスコとすこぶる同じ事を発言していて西野カナくらい震えますね。あれ?それ言って成功した監督いないんだけど、みたいな。
EDFの二の舞になるかもという不安はありますが、逆に言えばフォンセカのサッカーが出来なければ、もうローマはそこまで高度な理屈で球蹴られないクラスってことだと思います。
つまり、世界的な一流シェフの創作料理のレシピがあって、それなりに良い食材もあるけれど、フォンセカがレシピ通りに調理できず、金額に見合わない不味い料理を作ってしまうならば、その食材でカレーを作った方がいい。
カレーは誰でも美味しく食べられるわけだし、元々は一流シェフの創作料理に見合う食材なので、難しい調理技巧に挑戦して台無しにするよりは万人に美味いと言わせる事ができる。
ラニエリはモンチが仕入れた高級食材でカレーを作った。ラニエリのサッカーとは、家庭的で、ほっと安心できて、懐かしい定番の味。
ただ、カレーはどれだけ手間暇描けてもカレーの域を出ない。ミシュランガイドに載るようなクリエイティヴな料理と競争するには同じ土俵に上がる必要がある。ゆえにローマは再びローマ発信のクリエイティヴな料理をみなさんに提供したいと考えているのです。これは夏のローマから目が離せないぜっ!
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どこよりも早い新監督パウロ・フォンセカ戦術研究
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