パウロ・フォンセカ監督「私は想像することができない」

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レガセリエAは、来週からのグループトレーニングと6月13日のセリエA再開を決めましたが、これにローマを含むセリエAのクラブが反対しています。他に異議を唱えたのは、インテル、ミラン、サンプドリア、ジェノア、ナポリ、カリアリ、ヴェローナです。これは、イタリアサッカー連盟(FIGC)が、各クラブに相談せずにイタリアスポーツ医学連盟(FMSI)との間で医療手順を変更したからで、新たなプロトコルでは、選手の安全を守れないという疑念を各クラブが持っています。既に個別トレーニングを再開していますが、選手たちは、これが何のためなのか目標を見つけることができません。そして、コロナウイルスはサッカーからもうひとつの喜びの表現を奪ったようです。

パウロ・フォンセカ監督がその喜びについて、ポルトガル紙に寄稿していますのでご紹介したい。


およそ60日間、孤立して生活をしてきた。私の仕事において、このような期間誰とも会わずに過ごすなど普段であれば考えられない。なので、身勝手ながらも、私はこの期間を満喫することができたと言わなければならないだろう。

はじめの数週間は妻と息子と静かな生活を楽しんでいたが、それが過ぎると、もうひとつの欲求を感じるようになった。離れて暮らす家族たち・・・ポルトガルで生活している両親や、2人の息子を抱きしめたいと強く願うようになったのだ。コロナによって世界が完全に様変わりするとは思っていないが、それでも二度と取り戻せない損失を私たちは被ったはずだ。

いや、私の世界、つまりサッカーの話をしよう。私たちはこれから迅速に決定をしていかなければならない。それが例え審判の笛やカードがない試合だとしても。
実社会に戻ると、それはこれまでとは異なる世界だった。必要なプロトコル(医療手順)に従って大きな制限がある。私たちがピッチに戻る時、安全にプレーする為の措置が必要だろう。しかし、それを想像するのは難しい。ローマの後ろにファンがいない試合、そして何よりもサッカーにおいて喜びを表現できない状況を私は想像できない。

その表現とはハグ(抱擁)だ。

サッカーの最高の瞬間であるゴールが決まって抱擁できない状況を想像できない。スコアラーにチームメイトが押し寄せる瞬間や、アシストした選手とどのように喜びを分かち合うのか?ハグを受け入れないのか?私のキャリアで最高の瞬間にハグがあり、そのハグが私の未来を変えてくれた。

シャフタールの最初のシーズン、0-2の状況から3-2で逆転した試合がある。最後のゴールが決まると、全ての選手が私の元に集まってきたんだ。あの瞬間を私は忘れないだろう。ブラガ時代、ポルトガルカップをもたらしたマルセロ・ゴイアーノのゴールとハグを忘れない。マヌエル・ホセのゴールが、パソスをチャンピオンズリーグプレーオフに導いてくれたのを忘れない。ボローニャ戦でジェコとハグをした事を忘れない。
また、イタリアには、試合前と後に健闘を抱擁で称えたい監督が大勢いる。それに、困難な時期を過ごす私の選手たちをどうやってハグなしで励ませというのだろうか?タイトルを獲得したときどうやって喜ぶのか?ファン同士が歓喜しないスタンドをどのように見上げれば良いのか?

しかし、何よりもハグのないロッカールームを私は想像できない。この神聖な空間を共有した事のない者には理解出来ないかもしれないが、ハグがどのような力を我々に与えるか想像して欲しいんだ。ハグは言葉では伝えられないことを伝えるシンプルなジェスチャーだ。これらは私にとって重要な瞬間であり、殆どの選手がそれを理解している。

そしてローマには、それを誰より知る選手がいる。フェデリコ・ファシオ。なんという情熱!エネルギー!信じられないほどだ!ハグなしのサッカーは、きっと以前と同じにはならない。

もちろん私は知っている。サッカーのハグよりも重要なハグがたくさんあることを。だが、私たちの生活に不可欠なハグもすぐに戻ってくるはずさ。その時、私は全てのハグをハグで返す。

そして、サッカーは、この国で最も信じられないほどエキサイティングであり続けるだろう。これまでと変わらずね。

パウロ・フォンセカ

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