本日日本時間23時キックオフのアタランタ対ローマ。この試合に先立ってモウリーニョ監督の前日会見が行われた。
アタランタとローマには圧倒的に選手層に差があります。この試合を制するには偉業が必要ですが、それを成し遂げるにはどうすればよいと考えますか?またスモーリングは出場できますか?
モウリーニョ監督「まず最後の質問に答えると、スモーリングは問題なくプレーできる。次に、私たちとアタランタの違いについて話しておくと、まず私はここに来て半年しか経っていないが、ジャンピエロ(ガスペリーニ)はもう6年も指揮を執っている。つまり6ヵ月と6年の差だ。その違いはトレーニングの回数だけでなく、アイデアの共有、プロセスにも表れている。彼らは12回の移籍を経ているが、私たちはまだ夏に1度だけでもある。アタランタは素晴らしいクラブで、安定感があり、クラブと監督は良い協力関係を持っている。私が初めてイタリアに来た時、彼らは現在のような目標を持つクラブではなかった。しかし、10年経った今、チャンピオンズリーグで優勝を争うチームになっている。だが、ローマも新しいオーナーを迎えて、あらゆる面で素晴らしい仕事をしている。と同時に、監督はまだ就任6ヵ月で、夏の移籍は自分たちのプロジェクトに沿った移籍ではなく、怪我人などの出来事をカバーする移籍でもあった。このように、両クラブの背景には大きな違いがある…。しかし、ひとつだけ信じて疑わない事がある。それは明日ローマが勝利するということだ。なぜならば、なにがあろうとサッカーはサッカーだからだ。私たちにも良い選手がそろっていて、良いチームスピリットがある。先ほどあなたが言ったように、アタランタのベンチには経験とクオリティを持つ選手が揃っている。一方で明日のビジターチームのベンチには負傷者が多発して、セリエAやハイレベルの試合を経験したことのない若手選手が座っているだろう。それでもローマは勝つために行く。『あなた方は6年間の熟練したチームで、うちはたった6ヶ月のチームですから』なんて言うために行くんじゃない。『そちらは25人のトッププレイヤーがいますけど、うちは14,5人しかいないんですよ』なんて泣き言を言うつもりはない。明日のローマは勝負するためにベルガモへ行くのだ。仮に明日、引き分けにできる――例えば試合をしなくても勝ち点1ポイントが得られる状況となっても私はそれを断るだろう。そんなポイントなんて欲しくない。私は敵地に乗り込み、この試合を戦いたいんだ。自分たちのチームがトップクラスのチームとどのくらい戦えるのか知りたいんだよ。ベルガモの仕事には敬意と称賛を抱いているが、それでもローマは勝つために行く」
明日はザニオーロの日となるのでしょうか?
モウリーニョ監督「ニコロはよくやっている。物事に対して正しいアプローチを取っている。これはピッチの上の話だけではない。セリエAでまだ得点がないのは不思議な結果だが、私はニコロの仕事に満足している。ゴールは必ずやってくる。彼をあまり騒ぎ立てず、自然に成長させたい。明日はザニオーロの日になるとは言わないし、彼が試合を決めるとも言わない。だが、ニコロは明日プレーをして、良い結果を残すと信じている」
トッテナムがヨーロッパリーグの出場権を獲得したとき、数々のビッグタイトルを手にしてきたあなたが心から喜んでいる動画を見ました。ローマが目標(4位圏内フィニッシュ)を達成しても同様に喜ぶのでしょうか?
モウリーニョ監督「残留が決まって喜ぶチームもある。それが彼らの目標だ。では、トロフィーはあまり獲得していないが、そのレベルで多くの勝利を手にしている監督はどうだろうか?ティアゴ・モッタがスペツィア、シェフチェンコがジェノアを、またはサレルニターナが残留を決めたならば、その監督たちの功績は称えられるべきだ。あなたの質問に答えるならば、もしもローマが勝利して祝うつもりがあるかと聞かれたら間違いなくイエスだ。現在のローマには明確な目標はない。このようなプロジェクトで私が重視しているのはエンパシー(感情移入)だ。短期プロジェクトならばそれほど必要ではないが、長期プロジェクトであればエンパシーが必要だ。感情移入せずに長い間一緒に生活することはできないからな、半年や1年ならば可能かもしれないが。しかし、長期的に何かを築こうと思うならば、エンパシーが必要になるんだ。そういった環境で仕事をする、プロジェクトに参加できるという事実は私を穏やかにさせる。最初の質問に戻るが、私たちは勝って喜ぶために敵地へ行く。もしかしたら負けるかもしれないし、引き分けなのかもしれないが、あくまでも目的は勝つことにある」
<了>
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