AS Roma | Saturday, 19. February 2022 | Hellas Verona |
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2:2
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goals | |
0 : 1 | Antonín Barák 5. / left-footed shot |
0 : 2 | Adrien Tameze 20. / left-footed shot (Gianluca Caprari) |
1 : 2 | Cristian Volpato 65. / left-footed shot |
2 : 2 | Edoardo Bove 84. / right-footed shot |
ここまで2月公式戦未勝利である。
ローマ謎の失速期である2月で、順位先行チームに大きくポイントで差をつけられてしまう危険性がある。そして、誰もがローマにフラストレーションを感じ始めている。そのひとつは手詰まりの閉塞感だ。これまで10シーズン以上新進気鋭の監督の瞬発力で戦ってきたローマは、もうひとつ上のレベルに手を伸ばすために満を持して巨匠監督であるモウリーニョ監督を招聘した。しかし、それが上手く行ってない。またしてもパズルのピースを組み替えている間にシーズンが終わってしまいそうだ。だが、その間もモウリーニョ監督はインタビューのマイクを通じて、常にロマニスタたちを高揚させている。巨匠監督で立て直し不可能ならば、ローマは一体どこまで戻ってやり直せばいいのだろうか?その答えを失った閉塞感をぼくは感じている。つまり青年監督もダメ、巨匠もダメ、あとはどんな解決策があるというのか。
試合は開始4分にセットピースから崩されてローマの失点から始まった。ヴェローナは前からはめてローマのビルドを封じると、こちらのプレスはレイオフとフリックで簡単に外してくる。つまり、連動と運動量でヴェローナは優れており、また2点目のタメズのシュートに関しては、ローマの失点に共通するボールへのアプローチの遅さが影響した。数的優位性を保てば失点のリスクを減らせると考えているのであれば、それは無責任な発想で、ローマはボックス内4人いながら、位置的優位性を作り出した3人の選手に崩されて失点した。
後半頭にモウリーニョ監督は低調なオリヴェイラとヴィーニャを外して、ヴェレトゥとザレフスキを投入する。COVIDと怪我の影響で、ベンチに入った10名のうち、6人がプリマヴェーラという危機的な台所事情だった。しかし、今夜はそのプリマっ子が躍動した。
ヴェローナは56分にカードを貰っていたCBカザーレを交代させると、着々とクローズの準備を始めていたが、その間ローマは徐々にポゼッションを高めて、相手に接近すると、65分には待望のゴールが生まれた。右からのカルチョダンゴロを、後半から投入されたヴェレトゥが蹴る。ボールはボックス中央の密集地帯めがけ早く低い弾道で入った。それを相手選手が前方に胸で落とすと、スペースに走り込んできたクリスティアン・ヴォルパトがインステップで足を振り抜く。これがネットを揺らして1点差に詰め寄った。さあ、ここからが勝負だ。おそらく今のチームにあと2点取る力はないだろうが、1点ならば十分可能性は残されている。
同点弾は84分、左コーナーから大外に流れたボールを、78分に投入されたプリマっ子ボーヴェが胸でコントロールして運ぶ。そして、相手選手の脇にぽっかり空いたゴールニアに巻いて決めた。壁のせいでGKモンティポからはシュートが見えておらず、喜ぶローマ選手から一拍遅れてゴール内に転がるボールを見つけるとその場で卒倒した。試合数日前にモンティポは、エイブラハムとの対戦は自分にとってテストでもあると語った。しかし、本当の試練はボーヴェだったというわけだ。
ロマニスティは、ここまで多くのファウルが主審によって見過ごされてきたと感じていた。もちろんぼくもそのひとりだ。そして、モウリーニョ監督もまたそのうちの一人だった。後半アディショナルタイムに、ジャッジを非難したとして退席処分を受けてしまうことになる。カードが掲げられた後もスタッフに静止されながら審判に食って掛かるモウリーニョ監督の行動を、ぼくはプロの振る舞いとして正しいとは決して言わないが、それでもとても頼もしくかっこよかった。今のローマには怒りが必要だ。
試合後のSNSで、モウリーニョ監督は「非難するよりもおいしい夕食を食べた方が良い」と書いたらしい。もちろんその意見にも賛成だ。おいしい食事は万物の基本だからだ。
また、この試合には、トッティとデ・ロッシの偉大な二人のバンディエラが観戦に来ていた。二人が揃ってオリンピコに姿を見せたのは記憶の限り初めてで、改めてその存在感というか、偉大さをしみじみ感じてしまった。試合終了直前のペッレグリーニのプレーからは、「バンディエラの見ている前でお粗末な試合は見せられない」という気持ちが伝わってきた。もちろん事実はわからない。でも、誰でも観たいものを見て、感じたいものを感じる権利がある。
トッティは自身のSNSに、クルヴァスッドの画像を投稿すると、そこに一言添えた。
“Fino alla fine… con voi”(最後まであなたと共に)
カピターノ、俺も同じ気持ちだよ。
コメント
如月様
更新お疲れ様です。
ホントによく追い付いたな…といった試合でしたね。
モウリーニョも、選手に抗議させるより自身で抗議して選手に
「お前らは試合に集中しろ、抗議は俺がやる。俺はお前らの味方だ」
と態度で選手の気持ちを繋ぎ、牽引してるなと感じました。
あれを見て選手も気合い入れないとダメだよ!と私は思いましたね。
悲観しかない最近ですけど、モウを切ると言うより、モウが匙を投げないか心配です笑
>産まれた時からロマニスタさん
コメントありがとうございます。
こういう厳しい監督に対して選手が委縮パターンがあって、メガクラブともなると選手も我が強いのですが、今のローマはアメとムチの使い分けというか、上手く乗せていくことが大事かなと思いましたね。