アチェルビの悪い夢のようなゴールが決まり、早々に追いかける展開になったローマだが、マンチーニのヘディングで同点に追いつくと、前半終了直前にエルシャーラウィがカウンターで運び、左足を振り抜く。弾道はスヌーカー(ビリヤードの一種)好きのステファンらしく、ゴールポストとクロスバーに反射して大きな網目のポケットに吸い込まれた。
この最高に『らしい』展開でホームオリンピコを賑わしたローマだが、後半早々にテュラムのしたたかなゴールで追いつかれると、最後はサイドから崩されてアウトゴールのダメ出し弾を許した。『らしい』得点、『らしい』失点で試合を落とした今のローマは果たしてポジティヴなのか、それともまだ闇の中なのか。試合後のダニエレ・デ・ロッシ監督のコメントをお届けしたい。
この試合で重要なポイントはローマが良いサッカーをしたという事でしょうか?
デ・ロッシ監督「だね。もちろんこの試合から得られるポジティヴなことはたくさんあると思うし、逆に学ぶべきことも幾つかあるよ。このようなトップクラブと互角に戦いたいのであれば油断は許されない、とかね。試合の大半は互角に渡り合えたが、後半の立ち上がりなど、相手が攻勢を強める時間もあったね。でもまあ、俺としてはボーイズのアティチュードを誇りに思うよ。みんな全力で戦ってくれたし、なにより観客がそれを認めた。サポーターがそれを認めるなら大きな意味を持つ。俺たちは正しい道を歩いていると思う」
マルクス・トゥラムが試合を決め、ルカクは2度のチャンスを失いました。
デ・ロッシ監督「ネガティブな点を指摘するのは簡単だし、個人に矛先を向けるのも容易い。サッカーはその瞬間瞬間が全てだが、勝敗もチーム全体の結果だ。また11人だけでなく、俺だって後半の立ち上がりに少し気を緩めていた。ヴェローナやサレルニターナならそれでも勝てた。だが、インテル相手なら試合を落としてしまう」
ローマは力強い立ち上がりでここまで22試合で10失点のインテルに2得点を奪いました。アンヘリーニョに絞らせて、エルシャーラウィを下げるゲームプランが功を奏したと言えます。
デ・ロッシ監督「彼らを十分警戒してのことだ。レイオフやポゼッションで幅を取られたくなかった。だから5人で守備をすることにした。アンヘリーニョはセンターバックとしてプレーするには体格がなかったからそこは懸念したが、ある程度上手くいったんじゃないかな。ステファンも良かったよ。この試合で俺たちはスモールクラブのような戦い方、つまりカウンターで攻撃する必要があるのも判っていた」
この敗戦から何を得ますか?
デ・ロッシ監督「それをトリゴリアで分析する。俺はルチアーノ・スパレッティの弟子なんだ。彼は負けはしたけど良いプレーをしたローマを人々が褒めた時、いつもこう言った。「褒めるべきところなど何もない。ホームで負けたんだ。改善しなければならない」ってね。負けたけど良いプレーだったことに満足してしまうのであれば、それは凡庸な道へ続いている。俺たちの望むことじゃない」
<了>
コメント