正直、フォンセカ監督の前日会見が言い訳に思えてきて紹介する気になかなかなれずに、フィオレンティーナのプランデッリ監督の前日会見を読んだら、こっちはこっちでむちゃメディアに詰められていて、ローマ戦の会見なのにローマについて一切話が出ていなかった。多分どっちの地元メディアも怒ってるし、チームもプレッシャーを感じている。勝手に後がないみたいな状況に陥っている両チームの対戦は今夜です。
スタッツの話をすると、前回お話しした期待値と実得失点などで、ベクトルこそ違えど同じ傾向のチームであることが判ります。
実得点 | ゴール期待値 | 実失点 | 失点期待値 | |
フィオレンティーナ | 25 | 31.6 | 36 | 34.2 |
ローマ | 48 | 48.2 | 37 | 27.5 |
ヴィオラは失点期待値に対して、ほとんど許容内の実失点(値そのものが高いので根本的な改善点ですが)、一方で実得点数がゴール期待値を大きく下回っています(赤字部分)。ローマは攻撃の面ではほぼ期待値通りにスコアリングできているものの防御が拙い。これは何度も書いてきた通りです。
まずスコアラーを比較してみましょう。(xG=ゴール期待値)
チーム内得点ランキング
ローマ | |||||
Player | Pos | Min | Gls | PK | xG |
Jordan Veretout | MF | 1,783 | 10 | 5 | 7.3 |
Henrikh Mkhitaryan | FW,MF | 2,013 | 9 | 1 | 9.6 |
Edin Džeko | FW | 1,255 | 7 | 0 | 9.6 |
Borja Mayoral | FW | 786 | 6 | 0 | 5.2 |
Lorenzo Pellegrini | MF,FW | 1,754 | 4 | 0 | 3.9 |
Pedro | FW,MF | 1,051 | 4 | 0 | 3.8 |
Gianluca Mancini | DF | 1,772 | 3 | 0 | 1.5 |
Leonardo Spinazzola | DF | 1,714 | 1 | 0 | 1.9 |
Carles Pérez | MF,FW | 338 | 1 | 0 | 1 |
Marash Kumbulla | DF | 831 | 1 | 0 | 0.7 |
13,297 | 46 | 6 | 44.5 |
フィオレンティーナ | |||||
Player | Pos | Min | Gls | PK | xG |
Dušan Vlahović | FW | 1,678 | 9 | 3 | 11.5 |
Gaetano Castrovilli | MF | 1,665 | 5 | 0 | 2.6 |
Nikola Milenković | DF | 1,954 | 2 | 0 | 2.2 |
Cristiano Biraghi | DF | 1,967 | 1 | 0 | 1.7 |
Germán Pezzella | DF | 1,573 | 1 | 0 | 1 |
Franck Ribéry | FW | 1,287 | 1 | 0 | 2.2 |
Giacomo Bonaventura | MF | 1,378 | 1 | 0 | 1.6 |
Martín Cáceres | DF | 1,193 | 1 | 0 | 0.5 |
Christian Kouamé | FW | 748 | 1 | 0 | 3.4 |
Valentin Eysseric | FW,MF | 335 | 1 | 0 | 1.5 |
13,778 | 23 | 3 | 28.2 |
これで判るのはヴィオラは3位~5位にDFが入ってきてるということですね。ほぼ全員オンゲームで得点しているので、チームとしてはDFをセットプレーの得点オプションとしてではなく、攻撃参加させている結果と推察できます。PKが取れていないというのも要因としてはある。駆け引きのできるアタッカンティが不足しているということで、これはスコアランクにストライカーが少ないことの論拠になります。
もう少しスタッツを読んでみます。ヴィオラはディフェンダーのプレッシングが24節までの総施行回数だけなら、ローマ3149回に対して、3109回とそこまで差はないものの、個人になると極端に変わりました。
DF対比表 | ||||||
プレス施行数 | 成功数 | % | Def 3rd | Mid 3rd | Att 3rd | |
Nikola Milenković | 234 | 72 | 30.8 | 117 | 97 | 20 |
Gianluca Mancini | 289 | 104 | 36 | 132 | 135 | 22 |
特にCBで得点ランク3位のミレンコヴィッチは、ポジション、出場時間が近似しているローマのマンチーニと比較してもプレス施行数が少なく、さらにプレス成功率も低いのですが、全域でマンチーニよりもプレスが少ないということが判ります。これは前述の攻守のトランジションがスムーズではないという論拠であり、ミレンコヴィッチにもっと守備をさせたいけれど、彼に自由を与えることで、攻撃が出来てるというジレンマに陥っているのかもしれません。
また、ヴィオラの攻撃シーンをチェックしましたが、得意そうなパターンとして、アタッキングサードでワイドにボールを振って、その間に後ろから新たな攻撃手(おそらくこれがCB,SBといった選手)が飛び込んでくるというスタイルが多いように思います。ローマはここをカウンターによる得点機にしなければいけないですね。こちらが引けば引くほど、前に出るという特性がフィオンレンティーナにあると思うのですが、最近どのチームも殴り合わずにローマに攻めさせて裏を狙うので、そこは注意して欲しいところですね。3センターはスモーリングとクンブラがスタメンに戻る可能性があります。
フォンセカは昨日の会見でこう言いました。
フォンセカ監督「来シーズンのチャンピオンズリーグ出場を狙うチームは7つある。インタルは常に同じようにプレーする。ミランも常に同じようにプレーするし、アタランタ、ナポリ、ユベントスもすべて同じスタイルでプレーする。彼らは(対戦相手に合わせて)スタイルをを変えるのだろうか?いいや、そうではないはずだ。ローマも同じで、変えるのは試合毎の戦略だけ。アイデンティティを変えるつもりはない」
アルテミオ・フランキをぜひ攻略して頂きたい。頼むよ!!!
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