ほんの半年前までは『ローマの90年で最も攻撃的な監督』と讃えられるも、その数ヶ月後には『この10年で最大の悪夢』と言われたパウロ・フォンセカの最後の戦いが始まる。世界はその試合に何一つ関心を持たず敬意を払わない。しかし、イタリア暮らし2年目の男が、スポーツディレクターが不在で、チームリーダーから腕章を取り上げた最悪のロッカールームでこれ以上何ができたのだろうか?もちろん監督は現場の責任を取る立場にある。だから、彼はローマを去るのだが、しかし、デルビーの勝利は、最後にフォンセカが我々に与えてくれた最後の誇りとなった。
スペツィア戦の前日会見は、トレーニングセッション前の異例の午前10時半に開かれた。これがローマ90年で最も最高で、過去10年で最悪の監督のお別れの記者会見である。
これがあなたの最後の記者会見です。あなたはイタリアのサッカーに幾つかのポジティヴなものをもたらしました。そして私たちは、あなたのサッカー哲学と、言い訳に頼らない姿を評価しています。この2年を振り返って一言頂けますか?
フォンセカ監督「どれかひとつを選ぶのはとても難しいよ。でもなによりも特別なのは、あなた方や、選手たち、ロマニスタたち、そして、私と共に仕事をしてきた人たちとの人間関係だ。私は誰に対してもリスペクトと誠実を持って関係を築いてきた。確かに結果は重要だが、人間関係も重要だと思っているんだ」
ジェコからキャプテンマークを取り上げたことで、彼のモチベーションを下げることになったと思いますか?
フォンセカ監督「いや、そうは思わない。ああいった状況はどのクラブにも起こり得る。この問題を解決するために話し合いもした。そして直近の彼のパフォーマンスを観れば、この問題は終わった話だと理解できるだろう」
今シーズンのペドロのパフォーマンスには失望しましたか?
フォンセカ監督「シーズンの入りは良かったが、故障してからはなかなかトップフォームまでコンディションを回復できなかった。しかし、ここ数試合はシーズン当初のパフォーマンスに戻っている」
あなたがローマで改善したものとは?
フォンセカ監督「常にバランスを保つこと。そして、負けたときでも冷静さを失ってはいけないということだ。例えローマでは常に大きなプレッシャーに晒されていたとしても」
この街を知る者は、ローマに永遠に魅了されると言います。
フォンセカ監督「ローマの監督は誇りだと今までも話してきた。私はここで多くを学んだが、ローマを指揮することはどんな監督にとっても誇りだと思う。ファンのみなさんも、ここで暮らす人たちも私に良くしてくれたよ。私はこのクラブを去るがローマは心に残り続ける。ロマニスタ、クラブ、そしてここで出会ったすべての人たちを心に刻むだろう」
スペツィアは昇格クラブで唯一残留を決めています。彼らはクロトーネやベネヴェントとどこが違うのでしょう?
フォンセカ監督「良いサッカーをしているからだ。イタリアーノという将来有望な素晴らしい監督がいる。彼らとの試合は常に難しい。タフな戦いになるが、3ポイントを勝ち取りたい」
あなたはエブリマ・ダルボエがチームの戦い方を変えたと話しました。彼の長所を教えて下さい。
フォンセカ監督「勇気だよ。彼はとても勇敢な若者だ」
<了>
コメント