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【新春ロングインタビュー】チアゴ・ピントGM「ローマを傷つける選手を私は許さない」

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かつての監督や選手が自由にメディアに発言する時代が終わると、各クラブのスポーツディレクターの個性ともいえる外連味のあるインタビューも少なくなった。ローマでは、ワルテル・サバティーニがメルカートの芸術性を語り、モンチは自身の哲学を語ったが、ペトラーキはメディアとの共存を拒否した。そしてチアゴ・ピントGMはほとんどメディアと対話をしない。ペトラーキ流の言い方をすれば「記者とコーヒーを飲まない」のだ。しかし、ピントGMはかろうじてシーズン中に1,2度、総括の記者会見を開いている。今回そういった会見の予定はないが、その代わりにスポーツ紙にロングインタビューが掲載されたのでご紹介したい。


ピントGM「改めてこういったインタビューを受けたいと考えたのは、この2年で少し忘れ去られたことを再認識する方が良いと考えたからだ。私は、今のローマに対して、トロフィー以上に誇りに思うことがたくさんあるんだよ」

例えば?

ピントGM「常にチームを改善することで勝利への道筋を取り戻したことだ。同時に私たちは高額な人件費を削減して、契約解除金を支払うことなく戦力外の選手と別れることができた。その代わりに、ユースセクションに対してさらなる取り組みを行い、多くの若手をトップチームに迎え入れた。また、トリゴリアの施設の近代化、新しいトレーニング施設の増設、組織の再構成、スカウティング部門の再構築、女子サッカーへの投資も可能になった」

獲得した選手はすべてモウリーニョ監督の承認を受けているのでしょうか?

ピントGM「全てに於いてチームワークを大切にしている。私の意見、スカウトチームの見解、そこに監督の意見も取り入れ、オーナーの考えも考慮して移籍市場を考えている。夢見た選手が全員揃った訳では無いが、目的を達成するための選手は集まった」

しかし、モウリーニョ監督はメルカートに対して時折不満を漏らします。

ピントGM「だがメディアであり、業界関係者はここまでローマが行ったメルカートに高い評価を与えてくれている。それにローマにやってきた多くの選手がその理由のひとつにモウリーニョ監督を挙げているのだから、私は監督に感謝をしているんだ。無論、シーズン後半、監督、選手たち、そしてトリゴリアの設備といったもので、よりよい成績を残す必要があるのは理解している」

カルスドルプ事件について説明お願いします。

ピントGM「サッスオーロ戦の後でモウリーニョ監督と話し合った彼は、その後のトレーニングに無断欠席して、更にはジャパンツアーの参加を拒否した。重大な規律違反を犯したわけだが、私たちはこれを選手の近親者と連携してグループ内の問題として処理して、さらなる論争を避けることができた。その後、リッキーは復帰してチームのトレーニングに参加したが、最近になって誰かがこの問題を再び焚き付けた。せっかくのこれまでの仕事を無駄にしてしまったんだ。確かに私たちの監督は歯に衣を着せない。だが、試合の後で感情的になっているときに自身の発言をコントロールするのは簡単ではない。こういったことはプレミアのトップクラブでも多々起こっていることから、別にローマだけの問題ではないだろう。付け加えて、カルスドルプに関しては、この18か月の間モウリーニョ監督が60回スターターで起用したことを忘れてはいけない。批判は受け入れるが、こういった状況に乗じてローマを傷つけようとする選手を私は許さない」

カルスドルプはメルカートに出ていますか?また、彼が移籍した場合、代役の獲得を考えているのでしょうか?

ピントGM「確かにリッキーは移籍市場に出ているが、ただで放出させることはない。もしも彼が去ったとしても、必ずしもサイドバックを補強するということはなく、チーム内でバランスを見つける必要があるはずだ。チェリク、ザレウスキ、ヴィニャ、スピナッツォーラ、エルシャーラウィがいるから現有戦力でカバーは可能だ。私たちは今後4シーズン、ファイナンシャル・フェアプレーの和解協定によって戦略を変更を余儀なくされた。そのためにメルカートはとても難しいものになっている」

モウリーニョ監督はセンターバックを求めています。

ピントGM「私も監督の考えに同意しているよ。もちろん技術的な検知からは必要だとは思うが、 3バック、4バック、5バックで戦う考え方で必要な人数も変わってくるので、全てはモジュールに依存しているとも言える」

ワイナルドゥムの状況は?

ピントGM「とても良い。順調に回復しているし、プロフェッショナルとして非常に勤勉だ。私達の冬の補強はジニとディバラの復帰だよ」

ディバラは世界王者として帰ってきます。すでにローマでは物足りないと考え始めるのではないかと危惧する声もありますが。

ピントGM「私はパウロがローマで幸せだと思っている。このチームで重要だと感じるために戻る必要があるだろうし、このクラブで成功するはずだ。パウロはロッカルームでも、監督とも、ティフォージともうまくやっている。だから、ローマで物足りなく感じるとは思っていない。彼はローマを私達が望むレベルに引き上げる存在だ」 ※ROMA PRESSによると首都に戻ったディバラは近親者に「2023年はローマで何かを勝ち取りたい」と話したという。

ザニオーロの契約更新はいつになるのでしょうか?

ピントGM「ヴィゴレッリ代理人が「今はプレーに集中している」と話すように私達にも焦りはない。代理人とは良好な関係を築けている。なんの問題も起こらないだろう」

スモーリングの契約更新は第二のミキタリアン事件となるのでしょうか?

ピントGM「私たちは彼をローマに留めたい。だが、彼は契約を解除するための条項を持っていて、彼自身が答えを出す必要があるんだ。ローマはこれまでスモーリングに多くの投資をしてきた。1500万ユーロと手数料を支払って獲得して、400万ユーロの年俸を支払っている。怪我をしているときも私たちは彼の復帰を待ち続けた。クリスはローマが自分を気に留めていることを理解していると思う」

FFPの話を聞いた後では300万ユーロの値札がついたフラッテージについて質問する気にはなりませんね…

ピントGM「その通り、答えは明らかなので質問の必要はないだろうね。もちろん、中盤にワイナルドゥムが復帰するし、クリスタンテ、マティッチ、ボヴェ、カマラ、タヒロヴィッチがいるからでもある」

ソルバッケンを獲得しましたが、ややトレンドを外れたとも言えます。

ピントGM「彼は昨シーズンのカンファレンスリーグでも今季のヨーロッパリーグでも良いインパクトを与えている。まだ24歳だがノルウェー代表でもプレーしているね。長らく追い続け、激しい争奪戦を制して獲得した選手だ」

ポルトガル次期監督の名前にモウリーニョの名前があります。この噂はどのくらい現実味があるのでしょうか?

ピントGM「彼のような監督を連れてきたら、そのような噂になることは覚悟しなければならない。ちなみにこの1年半で他のクラブやナショナルチームがモウリーニョ監督に興味を持ったのは初めてではないよ。しかし、今回も監督はアルガルヴェで集中して改善に取り組むことができた。私もポルトガル人なので、代表の監督が辞任するたびにモウリーニョの名前ができるのは知っている。でも私たちは監督と一緒に前進していきたい」

あなたの契約も2024年に切れますが…

ピントGM「私の契約など問題ではないのさ。競技面で気にしなければならないのは監督の契約更改だろう」

あなたとローマについてお聞かせください。最初にここに来たときと今では印象が変わりましたか?

ピントGM「2021年までローマを訪れたことはなかったんだ。この街は世界でもとても独特の場所であり、ロマニスタたちが特別なのも偶然ではない。本当に情熱的な場所で、それだけプレッシャーや責任も増している。ローマでの1年はまるで他で過ごす3年のように消耗してしまう。なのに勝利するとすぐに満たされる。ローマは私を満たし、高揚させ…そして消耗させる。そんな都市なんだ」

今回はロングインタビューを受けていただきましたが、次にお会いするのはまた2年でしょうか?

ピントGM「さあどうだろうね(笑)私はあまりしゃべらないし、スクープも与えないから君たちジャーナリストにあまり好かれていないことは知っているよ。だけど、私は常に100%このクラブに捧げて仕事をしてきた。それだけは評価されたいと思っているんだ」

<了>

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