グイド・フィエンガ社長がローマを去った。彼はジム・パロッタ政権時に広報部門の責任者となり、ノンキャリから数年で役員に昇格、最後はマウロ・バルディッソーニ副会長よりも大きな影響力を持ち、ウンベルト・ガンディーニ社長に代わりローマのトップとなった。ガンディーニは前職でベルルスコーニミランのCEOを務めた人物だ。
トッティがディレクターを辞任した夏。スポーツディレクターがいない為、メルカートに出遅れ、さらに監督選びに揺れていたノーフューチャーな2シーズン前の6月に、彼がペトラーキと一緒に深夜のフィウミチーノ空港に現れたという速報は(確かロマ速でも緊急ツイート流しましたね)、それはまるで映画のワンシーンのようだった。
後にフリードキン政権に代わり、パロッタ期の経営陣が全て入れ替わる中で、フリードキンはフィエンガの手腕を評価、引き続きローマを任せることにした。そのフィエンガの辞任で、パロッタ期の遺伝子が絶えたと言える。
ローマに残ったフィエンガの1年は、Amazonや、中東のクライアントとの交渉など、スポーツ部門から離れていた為に、ほとんど名前を聞くことは無かった。便りがないのは良い報せと楽観的に構えていたので、この突然の辞任はやはり気持ちが落ち着かない。お世話になった取引先の部長が定年を迎えていた、みたいな感覚なのだろうか。サッカーファンは誰も知らないだろうが、彼がいなければローマはとっくに凋落を迎えていた。
フィエンガならば、どこのクラブも放っておかない。そういった意味でも彼の今後の動向は気になるところだ。しかし、その点もフリードキンは抜かりない。なんでもASローマグループの投資持株会社ニープローマホールディングの外部顧問としてクラブと関わるのだとか。
フィエンガ「ダンとライアンが新しいビジネスグループを作るというエキサイティングかつ繊細な時期に、私に経営を任せて頂けた事には感謝しかありません。同時に引き続き、クラブのアドバイザーとして仕事が出来る事を嬉しく思います。辞任するにあたり、私を信頼してくれた株主のみなさん、同僚やクラブスタッフたち、サッカーの何たるかを教えてくれた選手、監督、敬意を持って接してくれた新聞社、ラジオ、テレビ局、ジャーナリストのみなさん、そしてなによりも、ローマが単なるビジネスではなく、サッカークラブ以上の存在だと教えてくれたクルヴァスッドとロマニスタのみなさんに心より感謝申し上げます」
また同時にピエトロ・ベラルディ氏の社長就任も発表されている。任期は来年1月から。ベラルディ氏はゼネラルマネージャーも兼任するとのこと。果たして現職のチアゴ・ピントはどうなるのか?今の彼はほとんどスポーツディレクターなので、肩書きは残しつつ、移籍部門、ユース部門に特化した責任者になるのかもしれない。
まずはグイド・フィエンガ社長、お疲れ様でした。そしてこれからもローマをよろしくね!
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