まだローマ速報始める前の話ですが、友達と吉祥寺で飲んでいたら、突然友達の酔っぱらいギアが上がり「きーちゃんさ、これから駅前行ってはしゃいだバカなギャルをナンパして、ホテルで蹴ろうぜ」と言い出したのです。ギャル、ナンパ、ホテル、暴力と、ぼくには難易度が高すぎるミッションに思えたので、せめて飲食している女性2人組に声を掛けてカラオケに行くのはどうだろうかと折衷案を提案したところ、まさかのぼくが蹴られるという事態になりました。マジでチョベリバです。
なにがゆいたいかと言うと、その友人の意志を受け継ぎ、ぼくもはしゃいだ女がとても嫌いになったという事です。そういう女は綾波レイの刺繍が施されたスカジャンでも着ていればいい。あともうひとつ嫌いなのが形骸化した昼食です。とりあえず昼だからご飯食べるという、手段と目的が入れ替わっても、そこに疑問を抱かない生き方なんて死んでも嫌じゃないですか。ダイナミックな攻撃がしたくてウインガーがワイドに開くのではなく、ワイドに開いた結果ダイナミズムが生まれる訳じゃないですか。つまりはそういう事です。※だれかディフランチェスコ監督に教えてあげてください。
昨日、お昼どこで食べようかなと思索していたところ、和牛そばと書かれた看板が目に飛び込んできた。醤油と鰹だしの支那そばに始まり、豚骨、塩、味噌とラーメンに色々な種類はあれども、和牛は特に珍しい。しかも、馴染みのつけめん屋の系列らしく、これはスープだけでなく、麺にも期待が持てそうだ。早速入店して、券売機でチケットを買い求め、しかるべき後に、目元が光宗薫似の女性店員に「麺硬めで」と伝えた。ぼくにとって、ラーメンの麺とは硬めでなくてはならない。しかし、ぼくが着席すると、光宗薫がやってきて「すいません。硬めできないみたいで···」と申し訳なさげに頭を垂れた。ちょっとは不服ではあったが、麺の硬さを客に指定させないという確かなこだわりを感じた。厨房を見ると、恰幅の良い推定30代半ばの男性が、ダルそうに寸胴の中身を掻き混ぜているが、これは和牛の旨味を逃さない為の熟練の所作に違いない。この時点で、これらの兆しはぼくにとってのエクスカリバー(約束された勝利の剣)だった。
暫くして、光宗薫がラーメンを持ってきた。丼は和牛に合わせたのか、かけ蕎麦に使用するような形状で、語彙に乏しいのだが、高級な茶器をラーメン用に大きくしたような、そんな印象を受けた。和牛と醤油を掛け合わせたスープは漆黒で、薄く切られた和牛チャーシューのマスキングもあってまだ麺は見えない。ぼくはスープに箸をくぐらせて、麺をすくい上げた。そして、驚嘆した。
これ、かけ蕎麦だ。
ラーメンだと思い込んで注文したものが蕎麦だったのである。和牛スープ(というか和牛つゆ)は美味しく頂いたが、動揺を隠せぬまま似て非なる麺をすすったら味わう間もなく2分程度で完食した。しかも、蕎麦は茹で過ぎでぼそぼそしていた。マジでチョベリバ。そりゃ硬めできない訳だ、蕎麦だもん。つーか、寸胴ダルそうに混ぜてたの、あれ本当にダルかったんだろうな。ということで、昨日は人生の貴重な1回を無駄にした、まさに形骸化と呼ぶべき昼食だったので、自分自身に憤懣やるかたない。
昨シーズンでローマを売却してボストンに帰った(元々イタリアにいなかったんだっけ?)ジム・パロッタ元会長が、Twitterでフォロワーとのやり取りをしていましたのでご紹介します。
Q.モンチに依存したのはあなたの完全なミスです。
パロッタ「同意するよ」
Q.ローマで最も偉大な選手であるトッティをなぜ追い出したのですか?
パロッタ「グイド(・フィエンガ)に聞いてくれ」
Q.なぜペトラーキを追い出したのですか?
パロッタ「私もそう思うね。グイドに聞いてくれ」
Q.モンチとペトラーキどちらが良いですか?
パロッタ「ペトラーキ」
Q.ペトラーキはモンチが犯した多くのミスを修正しました。解雇は早すぎたと思います。
パロッタ「同意する。詳しくはグイドに聞いてくれ」
〈了〉
以上、今週の『グイドに聞いてくれ』でした。
ちなみに、この話の面白みがわからないという方は、ぜひnote版ローマ速報を読んで頂きたい。『ペトラーキが語るローマの闇』という4本のテキストを収録したマガジンを発表しています。タダでローマの醜聞を広める訳にはいかないのでお代を頂戴しております。
あと、はしゃいだ女は嫌いですが、はしゃいだ女もぼくみたいなタイプは嫌いだと思うので、どっちもどっちだと思ってます。ですがツインテにニーハイ穿いてたらエロいと思います。
ところで、冒頭のエピソードには続きがあります。結局終電がなくなったので、その友人の下北沢の家で飲み直そうとなり、タクシーで向かったものの、同棲している彼女が無茶苦茶怒って内側からチェーンロックした為に、ディスクユニオンの通りにあるカプセルホテルに泊まる羽目になったのです。
その夜は、ギャルもナンパもなく、翌朝ぼくにはカプセルホテルと何故か友人に蹴られたという事実だけが残りました。
コメント
コメント欄よりリプライのほうが機能してるっぽいですが、敢えてこちらにコメントします。
ディ・フランチェスコのくだり笑いました。本当にそのとおりですね!
しかし大型連敗中にEDFと契約更新をして、その数試合後に不振により解任をしたカリアリの意図がマジでわかりかねてます。如月さんの見解はどうでしょう?