明日7日の午前2時というこれまた誰にも優しくない時間に開催されるサン・シーロのミラン戦は、多くの日本のロマニスタたちにとって、結果を残せなければそのままムードインディゴで出勤、出社という罰ゲームが待っている。しかし、それ以上にこの試合と直後のユヴェントス戦は順位を上げる意味で非常に重要な一戦だ。この試合で負けるならば、チャンピオンズリーグに出る資格なんてないんだよとでも言われているような、また窮地に追い込まれている感覚もある。しきし、2週間ぶりのローマにわくわくもしている。つまり楽しみ。この試合に先立ってモウリーニョ監督の前日会見が行われた。
ウインターブレイクを終えて、トレーニングに戻ったチームの印象は如何でしょうか?またフィットネスに関する最新情報を教えてください。
モウリーニョ監督「ルイ・パトリシオは背中に痛みがあり、昨日一昨日はトレーニングをパスしたが本日は戻っている。出場に問題はないよ。フザートはCOVIDでチームから外れたが、ピエトロ・ボーアとダヴィデ・マストラントニオが控えとして召集されるだろう。選手たちは1週間休み、その後1週間働いた。良い仕事ができたと思う。15日間実戦から離れているので、インテンシティやキレに少し影響はでるだろうが、それは普通の話だ。現在準備が整っていないのはスピナッツォーラだけで、みなさんご存じのように、COVIDの問題を除けば準備は整っている。試合から遠ざかっていたので、最初からミランのような大きなチームと対戦するためにサン・シーロに行く方がいい。それだけでモチベーションと集中が高まるからな」
あなたはローマの歴史を塗り替えました。現在、モウリーニョ以前、以後といった感じです。そういったクラブの歴史になることで、指揮できないと感じるイタリアンクラブはありますか?また、チーム内にワクチン未接種の選手が存在する可能性については解決しているのでしょうか?
モウリーニョ監督「モウリーニョ以前と以後ね…ありがとう、優しすぎる言葉だよ。いや、優しすぎるな。私はそのようには考えていない。なぜならば、クラブの歴史を刻むのはトロフィーだからだ。私が知っている方法はそれだけ。もちろんトロフィーを獲得しなくたって良い仕事はできる。タイトルを獲らなくても良い仕事をする監督は多いだろう。だから、実際にはあなたの表現は可能だし、私自身ローマで良い仕事ができていると感じる。しかし、あなたが言うような歴史として語るには私たちにはトロフィーが足りない。他のクラブを指揮できるかどうか?まだここにきて半年で、我々もプロなので、他で指揮をしないと言うのは難しいときもある。しかし、除外できるケースもあるだろうね。これは失礼な意味ではなく、過去にそのクラブとの絆があるからこそ断ることのできるクラブがあるという意味ではそうだ。例えば、インテルを辞めた後、私にオファーをしてきたイタリアのクラブはローマが最初ではない。ローマは受け入れたが、もうひとつはそうではなかった。つまり、私がラツィオの監督になるのは絶対に不可能だ。再度言うが、決して失礼な意味ではなく、私がそう思っていて、おそらく相手もそう思っている。そこにはプロとしての相互の敬意がある。明日対戦するミランに対して、これまで冗談を言ったことは多々あるが、度を越して問題を引き起こしたことはない。だが、お互いを尊重すればこそ私が指揮することのできないクラブだと言える。ワクチン接種については、プライベートの話であり、選手にはそれを守る権利がある。だから、私たちはこの件を非公開にしている。先週数人の選手がワクチンを接種したが、予防接種を受けていない選手と同じくプライバシー保護の観点から非公開だ。しかし、ワクチン接種は法律で定められたもので、ルールはルールで、原則その裁定は尊重されなければならない。だから、心情的にはうちの子たちには法律を守る側であって欲しい。しかし、このことで内部で問題が起こるとは思えないね」
メイトランド=ナイルズについて、まだ正式発表前ですが、現時点で監督から言えることはありますか?
モウリーニョ監督「私は話す立場にないね。誰もまだ彼がローマに加入したとは言っていない。公式発表があれば言う事もあるかもしれないがね。つまり、他のクラブの選手についてコメントはできないということだ。だが、私がチェルシー、トッテナム、マンチェスターユナイテッドで指揮を執っていた時、アーセナルの下部組織にいたという意味では、私は昔から彼を知っている」
この冬にクラブから他のプレゼント(選手)は届きますか?
モウリーニョ監督「この冬のローマのアプローチの方法は周知されている。アタランタやフィオレンティーナのように1人の選手に2000万~2500万ユーロを出すことは不可能だ。足りないものを補うために1,2人レンタルで補強しなければならない。例えば、カルスドルプは基本的に毎試合フル出場していて、彼が出場停止でインテル戦に出られなかったとき、ローマはチームとして成立しておらず、バランスを崩して負けたんだ。イバニェスをそこに置くこともできるが、3バックで戦うときには、右サイドバックはカルスドルプレベルの選手が必要になる。そういった経緯で私たちはレンタルで獲得できるサイドの選手を探している。チアゴ・ピントGMがやろうとしているのは双方にとって有益な移籍だ。メイトランド=ナイルズについては、アーセナルの中で、冨安が先発であり、経験豊富なセドリック・ソアレス、カラム・チャンバースといった同じポジションに3,4の選択肢がある。現在交渉中なのは事実だが、それが成功するかはもう少し待つ必要があるだろう。他のプレゼントがあればもう少し楽に息継ぎができる。今話した交渉が今週まとまれば、1月の後半への補強の準備ができるという希望も持てる」
ロレンツォ・ペッレグリーニは明日の試合でプレーできるのでしょうか?
モウリーニョ監督「彼は回復した。それは彼自身と、カルロス・ラリンや他のフィジオセラピスタのおかげだ。ペッレグリーニは他の選手よりも4日早くトリゴリアに戻り、その間懸命に努力した。現在フィジカルに問題はない。ただ90分プレーできるかと言えばそうじゃない。なぜならば、日曜日にはユヴェントス戦が控えているからだ。ただ、試合そのものは特に問題なくプレー可能だ」
タミー・エイブラハムは将来イブラヒモヴィッチのような選手になることが可能でしょうか?
モウリーニョ監督「私は自身のキャリアで素晴らしい偉業を成し遂げた選手と、これから自分の歴史を築く選手を比較することが好きではない。1970年代80年代のポルトガルで若者が2得点すればすぐにエウゼビオ(注:ポルトガルのレジェンドストライカー)2世と呼ばれたようなものだ。しかし、いまだにエウゼビオは一人しかおらず、ズラタンも同様だ。タミーの旅路は彼とはまた違うものなんだ」
明日はベルガモと同じモジュールで戦いますか?プレーメーカーを抑えるのか、それともプレスを掛けていくのか?
モウリーニョ監督「ふむ、キミの質問は明らかに私たちのプレーを読み、理解している人物のものだ。好感が持てるよ。しかし、その質問をステファノ・ピオーリ監督も知りたがっているだろう。質問の内容は良いが、良い答えを返すことができないこともある。もちろん私たちはこれまでミランのすべての試合を分析して、自分たちのプレーの質も上げてきた。明日の為に今シーズン1stレグとは異なる結果になる方法を探している」
<了>
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