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【パジェッレ&レビュー】セリエA第2節:サレルニターナ0-4ローマ

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・Rui Patricio 6.0

試合の大半の時間をSalernitana側のコートで過ごした試合であった為、そもそもボールに触れる機会自体が少なく、複数紙が採点不能とする程であった。逆に90分間で数回しか活躍の場面が無い中で、集中力を切らさずに試合に入れていた部分は評価したい。

・Karsdorp 7.0

同じサイドを担当したCarles Perezとの連携が冴え、試合を通しRoma右サイドで制圧的であった。Carles Perezとの連携面では互いに上下の位置だけでなく、お互いが頻繁に中央にカットインし、その際互いに位置を入れ替えクロスする形になることで、敵DFのマークを外す努力をし続けた。試合終盤の守備時においても集中力を切らさず、自陣エリア内で敵とボールの間に身体を入れる等、1試合を通した活躍が出来ている。ふと思ったのですが、現状計算できる彼のバックアッパーっていましたっけ…?

・Mancini 6.5

Bonazzoliの1Topに対してIbanezと危なげなく対処した。彼自身が前線に顔を出す機会も多く、競り合いでの強さを見せられたのは好印象。今節はピンチらしいピンチがなったので、気を抜かずに次節に臨んで欲しい。

・Ibanez 6.5

前節に続きスピード面で活躍も、今節は比較的高い位置でのボール奪取が目立った。Bonazzoliから顔面に強烈なキックを受けるなど不運なシーンもあったが、まだ疲れもあまり見えて来ておらず無事1試合を通して活躍した。

・Vina 7.0

まだ連携面では改善点があるように感じるが、徐々に動きは良くなっている。試合開始早々のミドルシュートや先制点へのアシストなど、目に見える形で成果が出始めているのでこのままチームに溶け込んで欲しい。Pellegriniへのアシストは全てが完璧だったので、アーリークロスの質は結構期待できるのかも知れない。

・Veretout 7.5

2試合連続での得点と、昨シーズン終盤の怪我離脱の鬱憤を晴らすかのような活躍。この試合でもシャドーとしてゴール前に現れゴール隅にボールを転がした。運動量と得点嗅覚に関しては、控えの選手で代替が効かない存在になって来ているので、怪我の無いシーズンを送ってくれることを切に願うばかり。

・Cristante 6.5

Veretoutとの役割分担によりどうしても派手な活躍はし難い立ち位置ではあるものの、常にDFラインをケアしながら、後方から左右にボールを散らして攻撃の再構成を図っていた。今シーズンは派手なロングパスによる展開も少なそうなので、この様な形での影のMOMのような縁の下の力持ち的な活躍の試合が増えそうな予感。良い点数付けたいので、バシバシミドルシュート狙っちゃって下さい。

・Carles Perez 7.0

昨シーズンに続きスターターとしてのファーストチョイスとは言い難い立ち位置ではあるものの、出れば活躍するという安心感はあったので、今節与えられたチャンスで彼自身の個性を出しつつAbrahamへのアシスト含め複数の得点に絡むと言う成果を残すことで、最高のアピールにはなったのでは無かろうか。Karsdorpとの連携で右サイドを制圧していた様に、周りを上手く使える分大きな空回りをし難いのが好印象。Zanioloからスターターを奪取するのは至難の業だが、試合ごとにPellegriniやZanioloの代役を高い水準でこなせるのは現状彼しかいない気がする。

・Pellegrini 8.0

文句なしの大活躍と言う外ない。何より完全に自陣に閉じ籠った状態の敵から先制点を奪い、試合をオープンにした点はあまりに大きな貢献。どちらのゴールも素晴らしいが、やはり先制点でのトラップからの視野ギリギリへのゴールの押し込みの流れが優美過ぎた。早急な契約延長を願う思いからか、各紙以下の様に褒め讃えた。本当に心臓に悪いので早く契約延長お願い致します。

“敵陣ゴール前におけるスペース実に限定的であったが、彼は後ろに下がり中央に華を添え、左足のシュートで試合を開始し、右足の傑作で試合を終わらせる等、ゴール前で常にセンスを放った。これら3つの仕事は、4人分に値する。彼は自分たちのファンの下でこれらの2ゴールだけでなく、愛の継続(契約延長の事)も祝うであろう。” (by Il Romanista)

“前半は低い位置から攻撃に幅を持たせたが、それによるチャンスは少なくあまり効果的では無かった。後半に入り立ち上がりから前に出て勝ち越しゴールを決める。実に美しく戦略的なゴール。更に試合を通して調子を上げ、全ては彼の思うがままに。2点目のゴールは悲鳴のような歓声で拍手喝采。Mourinhoは彼には何と言っているのであろうか?今すぐサインしてくれ。そう、今すぐに。” (by Il Messaggero)

・Mkhitaryan 6.5

珍しく目立った活躍は少なかったが、それでもVeretoutへのアシストでしっかりと爪痕を残す点は流石の一言。どうしても、中盤からのボール奪取とそこからの推進力が魅力な選手だけに、引き切った相手に対してはいつも通りの仕事・活躍は難しい。それでもエリア内でのセカンドボールへの詰めの速さ・嗅覚は他の選手に比べても顕著で、こういった差が長いシーズンを考えると大きな差になってくるのだと感じた。

・Abraham 7.5

前節の活躍から遅かれ早かれとは思っていたが、案の定早い段階でセリエA初ゴールを決めてくれた。試合を通じて、高い位置でのプレッシングと、低い位置までボールを取りに来る動きを織り交ぜることで、敵の守備陣に脅威を与え続けるなど、CFとしてやるべき事の全てが高いレベルで出来る上に、周りを生かす事も忘れない為、WGと中盤に後方に攻撃性能の高い選手を並べる今のローマではとても有難い存在。まずはセリエA初ゴールおめでとう!

・Shomurodov 6.0

実戦においてAbrahamと共存を試せたのは収穫。長いシーズンの中で場合によっては起こり得るAbraham との2Topも今後見てみたい。プレシーズン調子が良かっただけに既に監督からの信頼は十分と思うが、もう少しプレー時間を与え早い段階で実戦での成果を残させてあげたいところ。

・El Shaarawy 6.0

今のRomaに適応する為に少しずつMkhitaryanから学んでいるのではないかと感じる。少しオープンになった段階での投入であったのもあり、中盤でのボール奪取に積極性が見えた。従来までのWGとしての役割だけでなく、更なる成長・飛躍が見られたら楽しみ過ぎる。

・Calafiori 6.0

極めて少ない出場時間ではあったものの、今シーズンは左サイドの正バックアッパーとして試合に出られることが確認出来たのではないか。少なくともSpinazzolaが帰って来るまでは怪我無く、出来るだけの成果を残してくれたら嬉しい。

・Mayoral 6.0

唯一CFの中で特色が異なり、周りに使われるタイプではあるものの、今後長いシーズンを戦う事に併せて2Topも視野に入れる場合には確実に必要になってくるので腐らずに頑張って欲しい。Dzekoの代役以上の仕事、なんならDzeko以上の仕事をした彼ならやってくれると信じている。

・Diawara 6.0

チーム唯一のピュアなアンカーな分、現状のCristanteとVeretoutでの2ボランチには代役としてハマり難いのが現状。ただそもそものポテンシャル・戦術理解度も高く、プレシーズンから動きは良かったのもあるので、何とかスタメン争いに食い込んで欲しい。2Topも視野に入れる場合には中盤の底を彼だけに任せても良いのでは?とも思う。

・Mourinho 7.5

長年Romaが苦しんで来た課題である、極端に引いて守る敵への無力さに対して早くも一石を投じた。また、昨年の課題であった試合後半の脆さも見事に克服して見せるなど、既に彼のチームとしての変遷は十分に進んでいる様に見える。ほぼスターターは固定しながらも、ECLも含め試合ごとに異なるサブメンバーにプレー時間を与えている点もファンとしては嬉しい。代表戦で間が空くが次節への取り組み方も楽しみである。本当に来てくれて良かった…!

総評

昨シーズン、そしてこれまでのRomaからの脱皮を感じる試合であった。
最終的にはポゼッション80%越えで4得点無失点と圧倒した形の試合にはなったが、ひとたび試合の均衡を崩すまではまるで油断ならない試合であった。
SalernitanaはBonazzoli を1Topに置き、試合の大半の時間(特に前半のほぼすべて)を5-4-1で過ごした。当然狙いは明確で、とにかくゴールを守り隙を見てカウンターで急所を突くこと。従来のRomaであれば高いポゼッションを維持しながらも引いた相手を崩し切れずカウンターで義務失点、そのまま守り切られて敗戦なんてことはざらで、昨シーズンの流れであれば前半無得点で迎える後半は白目をむいて迎えていたものだ。但し今シーズンは違う。選手達にもファンにも後半に向けての闘志は灯され続けていたし、押し切ろうという強い意志が感じられた。
この試合においては先制点を取れたことがやはり極めて重要で、これによりSalernitanaも少しずつ攻めざるを得なくなり試合がオープンになっていった。この先制点とチームとしての4点目を決めたことで、どうしてもPellegriniの大活躍に目が行きがちだが、先制点はそれこそチーム全体の努力でつかんだゴールである。
先制点は新加入の左SBであるVinaからのアーリークロスをPellegriniが完璧に足に収め、完璧に打ち抜いたものであるが、このタイミングでそれまでなかなか生まれなかった相手のDFラインのギャップが生まれた背景には、前半から右サイドを圧倒していたCarles PerezとKarsdorpが直前にも右サイドを深くえぐりカットインし、中央ではAbrahamが位置を変えながら敵DFを引き付けていたことが非常に大きい。これにより敵の左右で押し込まれ方に差=ギャップが生まれ、中央部ではマークが曖昧になっていた為、そこに浅い位置からのクロスがすとんと収まった。完璧なアシストとゴールを決めたVinaとPellegriniは勿論のこと、必要な仕込みを怠らなかった周りのメンバーと、そこに修正を加えてきたMourinhoのチーム全体で掴んだ先制点であったと感じる。
リーグ戦2試合の段階で既にいくつかのジンクス・トラウマを乗り越えつつあるRomaなので、次節以降にも期待が高まって仕方がないのですが、一旦代表戦週が入るので暫く間が空きます。代表戦でけが人が生まれないことを祈りつつ、全員で楽しみに次節を待ちましょう。では!!


採点者:くわしん

小学生の頃にバティストゥータに憧れ、丁度その時ローマに中田がやって来た為にローマに触れる機会が多くなりロマニスタに。好きな現役選手はDiawara。思い出の試合は2012年にオリンピコで観戦したコッパ・イタリア決勝でのラツィオへの敗戦。大学時代にF1のコースエンジニアを目指してイタリアに留学。イタリアにおける高卒認定相当の資格を持っている。好きな選手のタイプは稲場愛香みたいなタイプ。

コメント

  1. tatti より:

    くわしんさん

    カルスドルプの控え、あれだけのパフォーマンスをされると気になりますねw
    エイブラハムがスタメンにならないチェルシーは逆にどんだけと思ってしまいます。。全てはモウ監督の手腕なんでしょうが。試合見るのがこれほど楽しいのは、久々です!

    • くわしん より:

      tattiさん、

      カルスドルプはプレシーズンの感じだと左でも今年はプレーする気配があるので、ヴィニャ不在の際には素直に左にカラフィオーリを置くのか、それともカルスドルプ左に置いて右にレイノルズを置くのかも興味ありますね。

      9番のポジションは各チーム1つしか無いので、監督の望む9番像みたいなモノとズレてしまうとエイブラハムですらスタメン勝ち取れないのは大変だなと感じます。

      例年よりも「勝ちたい!」以上に何か「楽しみ!」な感覚があるので、今年はいい年になるかもですね!

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