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・Rui Patricio 7.0
不運なOGによる失点以外は1度たりともゴールラインを割らせなかった。常に敵の気配を近くに感じる実にストレスフルな試合であった事が想定されるが、それでも至近距離・中距離を問わずシュート全てに反応し、常に集中力を高く保ち続けた。本当にRomaに来て頂き有難う御座います。
・Mancini 7.0
自陣エリアの内外を問わずとにかく敵に身体を当て続けた。同じサイドにKarsdorpがいたことも功を奏し積極的に前に出る守備とその後の攻撃への展開が出来ていた。
・Smalling 8.0
敵を突き放し勝利を一気に引き寄せたゴールは完璧であったが、あの一瞬以上に90分間を通してZapataを完全に封殺した功績は計り知れない。文句なし。
“これが本来の彼の選手としての立ち位置だ。ワールドクラスのZapataに対して恐れず、そして1点の曇りも無くに戦った。開始直後に今シーズン初のファウルを犯したが、その後はコロンビアの巨漢の動きを全て察知し、あらゆるトライを堂々と行った。典雅でありながらも、ストライカーと胸を突き合わせ、ローマに簡単に勝てる時代は終わったと言わんばかりのフィジカルなプレーを披露した。後半彼は歴史的な勝利にロイヤルファミリーの刻印を打った。” (by Leggo)
・Ibanez 7.0
交代で投入されたMalinovskyiには少し手を焼いた感もあるが、Ilicicに関しては完全に封殺した。Atalantaの一番強力な攻撃パターンを中央のSmallingと力を合わせて絶ち、交代にまで追い込んだのは偉業と言わざるを得ない。また3点時にも必死のヘディングでしっかりと飛び込んでおり、随所の全力プレーでチームを鼓舞した。
・Karsdorp 6.5
これでも若干厳しめなくらいの採点。Manciniとの連携で何とかRoma右サイドを守り抜き、中央でのカウンター主体の戦い方の中で、右サイドにおける攻撃のアクセントになった。既に満身創痍であろうにこのレベルで戦えるのは本当に感謝しかない。出来れば休ませてあげたい…。
・Veretout 7.5
前節からこの5-3-2のシステムに徐々にフィットしてきている。2アシスト、特にFKの方はお見事。中盤で常に敵の攻撃のフィルターとなりながら、ボール奪取後は攻撃のトリガーとなる動きが実によかった。
“闘争心をむき出しそしてフィールドの至る所に顔を出す。Palominoのファウルで最悪の事態が懸念されたが、痛みを絶えた。Zaniolo、Smalling、そして最後にはAbraham(記録上は違うぽいです)にアシストを捧げた。” (by Il IL Messaggero)
・Cristante 6.5
彼自身が派手なプレーをしていた訳では無いので、余り大きく目立ちはしなかったが、常に走り続けパスコースを消し続けた。OGに関しては不運としか言い様が無かった。
・Mkhitaryan 6.5
若干カウンター時のボールロストに絡む回数は多かったが、それはあくまでカウンターには付き物のレベルで、息が合わない場面もあろうという感じ。Zanioloのゴールの起点は彼の中央への鋭いロングパスからで、他のMF同様守備に攻撃にと常に愚直にトライし続けていた。
・Vina 6.5
Ibanezを中央に待機させながら、自身は左サイドでHateboer等にクロスを打たせない仕事をし続けていた。たまに出る前線への爆速での駆け上がりも魅力的であったが、Karsdorpが負傷で一旦ピッチから出た際に右サイドで守備をしていたシーンが一番の感動ポイントであった。
・Zaniolo 8.0
シーズンを通して起用し続けた監督の期待に遂に応えた。前線でのボール保持力と引き付けてからのパスが実に破壊的。ロングカウンターにおいて確実に必要なピース。
Il Romanistaも8.5点の採点と大絶賛でした。
“気品と身体能力の高さを爆発的に高めている。Abrahamをゴールに送り込み2人で喜びを分かち合った。戦いを恐れず、やられたらやり返す。そして傑作と言える2得点目を生み出した。持ち味の爆発力のリミッターを外しボールと敵の隙間に入り込む。数々の挑戦により大きな爪痕を残した。王者Zaniolo。” (by Il Romanista)
・Abraham 8.0
なんか言うべきことありますか?ってくらい完璧なストライカーでした。
幻の採点、9点が飛び出してしまいました。
“時計の針が1周目する始まる前に、この試合における大きな貢献の氷山の一角が現れた。足元のテクニック、屈強さ、勇気は試合終了直前にピッチを去るまで耐えることが無い。チームを常に支え、Serie Aで初の1試合2得点を決めた。The No. 9はあなただ。” (by Il Romanista)
・Shomurodov 6.5
彼の投入以降は5-4-1のような形で試合の終局を目指し、見事右サイドでの守備と追加点への起点となることで期待に応えた。今節のZanioloとAbrahamの出来を見てしまうと、スターターの奪取は困難にも思えるが、定期的に試合に出て調子は維持させたい。
・Calafiori 6.0
5-4-1における中盤の左サイドを担当し、しっかりと試合を閉じることが出来た。久しぶりの試合出場であったがSpinazzolaの復帰までになんとか監督からの一程度の信頼を勝ち得たいところ。
・Bove 6.0
試合の功労者をねぎらう為の交代枠その1。極めて短い時間の出場ではあったが、しっかりとボールに触り、右サイドの守備に貢献できていた。ここ最近起用回数が増えているので、このまま成長してくれたら嬉しい。
・Kumbulla 6.0
試合の功労者をねぎらう為の交代枠その2。珍しくボランチ的な位置での出場。高さと身体の強さは買われているという事だろう。今シーズンどこかピリッとしないので、こういった試合でも何か掴んでくれると有難い。
・Mourinho 8.0
前日会見からの流れがエモすぎる。特に最終ラインの選手たちは相当の疲労感もあったであろうに、その選手たちをここまで奮起させたそのモチベーターとしての能力は素晴らしい。正直この激しいぶつかり合いによる1試合の消耗は相当であろうと思うので、毎試合この戦い方での試合を続けることは困難かと思うが、一番重要なのはチームスピリットであることを示してくれた。最高!
総評
全てがSpecial Oneの予言通りの試合結果となった。Atalantaの控えの層の厚さは最大限発揮され、その中でZanioloは大活躍し、そしてRomaが勝利した。間違い無く今期の現状でのベストゲームである事は疑い様が無く、これ以降のシーズンでこの試合を上回る勝利が見られることを願うばかりだ。
De RoonがCBに吸収されToloiがサイドに上がる形の3-4-3から、3-2-5に変形し、どんどんと敵陣内に押し込んでサイドを軸に攻撃を組み立てる実にAtalantaらしい攻撃に対して、Romaはがっぷり四つに組む形で対応。自陣での苦しい時間を受け入れ、敵の高いDFラインに対して中央で速度を持たせたロングカウンターを狙うという戦法を取った。
これは結果的に攻守におけるマンツーマンでの勝利に活路を見出す道を選んだという事となる。今回この作戦がハマったのはZapataに対してSmallingが、Ilicicに対してIbanezが、最終的にほぼ全て競り勝ったのが一番大きい事は言うまでもないが、その前でプレスとパスの受け先を消し続けた両サイドの選手と、中盤の選手の活躍も素晴らしかった。
またFKからのゴールを除く3点は一度得点者が組み立ての中でで絡む形となったが、ZanioloとAbrahamがマンツーマンで守ってくる敵に対して、連携とアイデアで上手くマンツーマンを引きはがす・距離を取る動きが出来ていたのが本当に素晴らしかった。つまり全員が素晴らしかった!
年末に向けてやっと上昇気流が来た感じがあるので次節を落とさず、ELはたまたCL圏内を目指せる位置で年を終えたい。
採点者:くわしん
小学生の頃にバティストゥータに憧れ、丁度その時ローマに中田がやって来た為にローマに触れる機会が多くなりロマニスタに。好きな現役選手はDiawara。思い出の試合は2012年にオリンピコで観戦したコッパ・イタリア決勝でのラツィオへの敗戦。大学時代にF1のコースエンジニアを目指してイタリアに留学。イタリアにおける高卒認定相当の資格を持っている。好きな選手のタイプは稲場愛香みたいなタイプ。
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