Hellas Verona | Saturday, 26. August 2023 | AS Roma |
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2:1
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goals | |
1 : 0 | Ondrej Duda 4. |
2 : 0 | Cyril Ngonge 45.+4 (Ondrej Duda) |
2 : 1 | Houssem Aouar 56. / header (Andrea Belotti) |
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primo tempo
開幕勝利したヴェローナと敵地で戦うローマ。この試合の前に行われたモンツァ対エンポリ、フロジノーネ対アタランタでは、どちらもホームチームが良い内容で勝利しており、ローマも相手を勢いづかせてはいけないはずだが、開始4分にカウンターから早々に失点を許してしまう。人数は揃っていたし、防げない失点ではなかったが、今季まだ守備陣はバカンスから戻ってきていないようだ。
攻撃面に触れておくと、今季のローマは3-5-2で戦っていて、これが明らかに多彩なチャンスクリエイトに繋がっている。昨シーズンの3-4-2-1はウイングバックがボールを運んで幅を取るサッカーに偏重していたが、真逆のシステムだと言える。このシステム遍歴については、現在フットボリスタWEBで会員向けに公開されているぼくの記事で、progressive carriesというスタッツを用いて説明しているので、機会があれば読んでいただきたい。
【NEW】モウリーニョ体制、勝負の3年目。ECL制覇にディバラ獲得…過去2季からローマの23-24を展望する(文 如月たくみ@roma_sokuhou)https://t.co/8PckSmCmfi
この歴史的な記者会見で「ここ(ローマ)にタイトルは来る」とモウリーニョ節は冴えた。「3年後のローマを想像してください」という質問には…
— footballista (@footballista_jp) August 24, 2023
閑話休題。
試合に動きが見えたのが前半40分。ディバラが相手ペナルティエリアにパスを出すと、ペッレグリーニがバックヘッドで折り返す。これが相手の腕に当たったとして主審はリゴーレの笛を吹いた。しかし、VARの結果、ハンドはなく、またペッレグリーニもオフサイドポジションだとしてこのジャッジは取り消された。すると前半アディショナルタイムにローマはさらなる失点。またしてもカウンターから、シリル・ウンゴニエに独走を許し、そのまま決められてしまう。敵地で2失点。かなり厳しい前半だった。
secondo tempo
HTにジョレンテ、クリステンセン、パレデスに代わり、スピナッツォーラ、エルシャーラウィ、アワールを投入する。しかし、後半開始してすぐにザレフスキが相手との強いコンタクトでカルスドルプと交代。良い流れを手繰り寄せることができない。その後もモンティポの奇跡的なセーヴィングでゴールを割ることができないローマだったが、56分にペッレグリーニのクロスをベロッティがバックヘッドで反らして、最後はアワールが頭で押し込んで1点を返した。
すると、84分にベロッティが倒されて、ヒエンが退場になり、残り5分ローマは猛攻を仕掛ける。アディショナルタイムは10分。その間もほぼ敵陣で戦うローマだったが、最後までゴールを割ることができず試合終了。2節で早々に苦杯を喫する結果となった。
総括
ヴェローナはローマの最終ラインからのビルドアップに対して、カバーシャドウでコースを消しながら、ミドルサードにパスを誘導して、そこで奪ってカウンターのイメージをしっかり持っていた。これに対して、先制狙いで前体重過ぎたローマがやや戦術的に無策だったことは否めない。
でありながら、多彩な攻撃ヴァリエーションを持つチームでもある。誰に得点して欲しいかというと、俄然チームが勢いづくのはベロッティとディバラでなので、ということは逆にこの二人が抑えられると、相手とそのサポーターに勢いを与えかねない。そういった意味では、このフォーメーションでは、ディバラがボールを持った時シュートコースがないという場面が多く見られた。それでいながらも、3年目の積み上げをしっかり感じるチームではあるので、問題は攻撃ではなく簡単に瓦解する守備だと言えるだろう。
現在モウリーニョ監督が10日間の職務停止処分を受けているので、この試合まではテクニカルエリアに立てなかったことも大きな敗因だ。選手交代などはインカムで行えるとして、ピッチサイドで指示が出せないタイムラグによる試合の難しさは、ぼくが他のクラブ関係者と話したときにも聞くことなので、このディテールの差異が間違いなく結果に繋がっている。なによりカリスマを失って同じように戦えるはずがない。モウリーニョ監督が復帰するのは3節ミラン戦。そこでの巻き返しに期待したい。
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