いよいよ今夜カンファレンスリーグが再開する。このノックアウトラウンドで対戦するのは、共にグループCを勝ち上がってきたノルウェーの強豪ボデ/グリムト。当初この大会におけるローマの対抗馬はトッテナムと目されていたが、実際には、グループリーグでローマを傷つけたのはボデだった。
ローマは昨年の10月にボデに6-1で敗れた。主力温存して臨んだ試合は、モウリーニョ監督通算1008試合目、そして6失点は彼のキャリアで初めての大量失点でもあった。その怒りから、モウリーニョ監督は、この試合の『戦犯』を干した。そして、この懲罰により、冬にヴィジャール、マジョラル、カラフィオーリ、レイノルズがチームを去っている。また、今回の遠征で、モウリーニョ監督はスタジアム練習を中止した。これはアスピムラスタディオンが人工芝だからだ。
この試合はとても難しい。なぜならば彼らはビッグクラブを倒す、ジャイアントキリングの快感を覚えた野獣だからだ。ボデのキーパーはローマ戦を目前にこう話す。
ローマとの対戦はラッキーだ
この発言にモウリーニョ監督は闘志を燃やしている。イタリアのクラブが彼らと対戦する機会はそうは巡らない。つまり、ローマが彼らにリベンジするチャンスは今夜しか残されていないのである。絶対勝とう!
モウリーニョ監督「同じ試合は二度とない。ここで試合をした10月から私たちは大きく変わっている。レイノルズ、マジョラル、ヴィジャール、カラフィオーリといったプレーした選手たちはもういない。選手個人にフォーカスしても今のローマとは異なるだろうし、自信やモチベーションの面でも違うチームだと感じている。グループリーグを突破できるのは分っていたし、負けがドラマになることもない。6-1は確かに傷ついたが、それでも振り返れば失ったのは3ポイントだけだ。現在はノックアウトラウンドで、準決にはどちらかしか進めない。ボデはよいチームだが、違う視点で臨む必要がある」
あなたはボデの選手の中におしゃべりがいると言いました。
モウリーニョ監督「そうだね。彼らのうちのひとりは、ローマとの対戦は良いと話していた。傲慢?いや、自信があるんだよ。ポジティブなのさ」
ローマは前回、現地の練習をスキップしました。今回も練習をしません。その理由は?
モウリーニョ監督「人工芝のピッチには2日いるなら1日だけのほうがいい。だから慣れる慣れないの問題じゃないんだ。サッカーは人工芝でやるものではない。まったく異なるスポーツになってしまう。良いピッチで最高のプレーを願う監督は私以外にもたくさんいる。でもそれを言い訳にはしない。天候は天候、ピッチはピッチだ。準決までの2試合に集中している。そしてボデをリスペクトしている。彼らは良いチームだ。しかし、人工芝に1回だけ立てば良いのであれば、それに越したことはない。終わった後はズラかるさ!」
<了>
昨年10月の時点ではぼくもよく分からなかったのだけれども、日時的に人工芝に立つ今となっては、人工芝と天然芝との違いは大問題だとよく分かる。それが選手に与える影響も計り知れない。
ボールの転がり方が違うし、選手の関節への衝撃も違う。テクニックのある選手ならば尚更フラストレーションが溜まるのではないだろうか。グループリーグでは、その難しさと気温、そしてこちらの戦い方に的を絞ったボテの戦術に見事にはめられた。
また、6失点の屈辱から選手たちを干すという一か八かの賭けは、選手たちが萎縮するという最悪のシチュエーションを生み出した。これまで強烈な個の集団だけを指揮してきたモウリーニョ監督にとって、我の強い選手たちの発奮を期待していただけにこれは予想外だったに違いない。
通常、監督と選手たちが日時的にコミュニケーションを取る事はない。なぜスタメンから外れたのか?なぜ途中交代なのか?そういった意図を監督やコーチはいちいち説明したりはしない。なぜなのかは選手自身で考える課題だ。故にローマはモウリーニョ監督のスタイルが落とし込まれるまで時間を必要としたが、ここにきてようやく堅牢な守備が様になってきたようだ。
日本時間の早朝4時開始のこの試合はローマの今シーズンを左右する。ここで再びノルウェーのクラブにやられてしまうチームなのか、それともカンファレンスリーグ制覇を狙えるまでに成長しているのか。日本では全く誰にも見向きもされないが、ロマニスタにとって重要な試合がやってくる。
コメント
負けは許されない!初代UECLチャンピオンとなるべく勇猛果敢に勝ちを掴み取ることを切に願います!