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ラツィオ戦前日会見:モウリーニョ監督「ダービーの前ではどんな話も風と共に去りぬ」

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ぼくは今年の7月までモウリーニョのメンタリティについて何も知らなかった。マスイメージ通りの攻撃的で、皮肉屋で、挑発者で、選手と衝突して、審判の前に交差した腕を差し出す、それがモウリーニョなのだと思っていた。しかしここまで3ヶ月、彼の口から一切攻撃的なイントネーションはない。プレシーズンマッチで退場処分になったときも、審判に拍手をしてベンチを去ったが、正直本人は気にしていない様子だった。これまで日本のサッカーメディア、サッカーファンが面白おかしく話していた監督と同一人物だと思えなかったというのが正直な気持ちだ。その気持は現地のジャーナリストも同感だったようで、この前日会見では、モウリーニョ劇場がなぜ狂騒のローマで開催されないのかいよいよ尋ねられている。それでもモウリーニョは落ち着いて答える。

「なぜ誰かと喧嘩せねばならないのだ」

スペシャルワンは本当に成熟したのかもしれない。今夜のダービーでその成熟した監督のディシプリンを受けたチームが躍動する姿を期待したい。


あなたはこれまでに、4つの国で119のダービーマッチを指揮してきました。今回のダービーはそれらとどのような違いがあると考えますか?また、どのようなアティチュードで望むべきでしょうか?

モウリーニョ「統計を知っているのはあなた方であって、私は先日の公式戦1000試合もメディアが話題にし始めて知ったくらいだ。私のダービー119試合目も今あなたから始めて聞かされた。だがそうだな、ダービーはいつも素晴らしい試合だと言えるね。この試合の性質は監督が気を揉まなくても済むことにある。つまり、選手のやる気を出そうとする必要がないんだ。選手のモチベーションや集中を上げてやる必要がない。プレーするに素晴らしい、準備するに素晴らしい、何も気に病むことがない。むしろウディネーゼ戦は、みんながダービーに気を取られることを心配していたくらいだよ。この試合で私がチームに期待するものはここに来た最初の日と同じだ。勝利の為にプレーするということ。常に勝てないのは判っている。それでも選手に求めるアティチュードはそれしかない。勝ちたいんだ。そして、仮に勝てなかったとしても、全員が全力を尽くしたという気持ちでピッチを去りたい。それが私の求めるものだ」

現在のローマは、2004年頃からあなたが指揮したクラブのなかで最もタレントの少ないチームかもしれません。その状況は、あなたのキャリアの中で最も困難な挑戦と捉えることができますか?

モウリーニョ「ローマは今までと異なる挑戦だよ。そして疑念の余地のない挑戦だ。オーナーやピントGMと話した時から、我々のアプローチに疑問を抱いたことはない。どういうことか?つまり、私たちローマは、自分が何者で、何をしたいのか、そしてどこに到達したいのか知っているという意味だ。これまで指揮をした幾つかのクラブでは、そこに疑念を持っていた。でもここにはそれは存在しない。疑問がないのであれば、それは最も困難な挑戦とは呼ばない」

巨匠ゼーマンはローマダービーを「ただの試合」と言い、リュディ・ガルシアは「ダービーはプレーするものではなく、ただ勝利するもの」と言いました。あなたにとってローマダービーとは?

モウリーニョ「ノー、私はゼーマンもガルシアも尊敬しているが、彼らの言葉に異議を唱えたり、賛同したりするつもりはない。最も重要なのは無駄口はそこそこにしてたくさんプレーすることだ。試合前にどんな話をすることもできるが、それは全て風と共に去りぬ。だったらなぜ話す必要があろうか?真実の瞬間はここではなくピッチの上にある。今日私がここにいるのは、あなたの義務であるあなたのジャーナリズムと、あなたの書いたものを読み、あなたのコメントを聞いている人たちへの敬意からに他ならない。しかし、重要なのは明日、笛が鳴った後のピッチの上だ」

あなたが他のダービーを経験したクラブのファンとロマニスタでどのような違いを感じますか?

モウリーニョ「私の印象に残っているのは、ヴェローナに負けて、ウディネーゼ戦を迎えたときだ。そこでロマニスタの選手に対する絆を見た。連勝した後、時にそういったものが形骸化することがある。あの時は敗戦の後で、良いプレーを見せることが出来ず、試合に入らねばならなかったが、チームバスに対して、街中で、ピッチで、苦しい時、一人減った時、試合が終わる直前まで、私たちはロマニスタとの絆を感じることが出来た。彼らの為にチームは提供できる最高のものを提供すべきだ。同時に、うちの子たちはロマニスタの声援に値するとも思っている。今はそれが合致した時期で、ファンの声援に選手はリスペクトを持ちプレーで返そうとしている」

これまでと違ってイタリアに来てからのモウリーニョは険が取れて誰とも論争をしていませんね。

モウリーニョ「誰彼問わず喧嘩する理由を教えてほしいね。今の所そうではない。唯一腹が立ったのはペッレグリーニの退場処分だが、あれは起こってしまったことで、私に何ができるのだろうか?文句を言うか?そうすれば私はダービーのピッチサイドに立てなかっただろう。あの試合の審判はまだ若く、間違いはあったけど次はもっと良くなるはずだ。彼にはロッキ(元セリエA審判)がそばにいて改善の手助けをしてくれている。だから誰かが文句を言う必要はないね」

ラツィオはコレクティヴに強いプレッシングをしてきますが同時に攻撃のためにスペースを空けることもあります。明日のローマはそれまでチームが彼らのプレスに耐えられるかがひとつの鍵ではないでしょうか?

モウリーニョ「なるほど。良い着眼点だ。しかし、答えたくないね。それは明日のキーポイントを説明することになる。あなたは今相手のプレースタイルを解説した。私たちは明日のアプローチで基本的な部分を見失わないようにしたい。そして、プリマヴェーラのザレフスキとそのご家族にとって困難な時期であることを話したい(注:ザレフスキの父親は数日前に他界した)彼がチームに加わるかはわからないが、私個人としては明日の当日でもいいからチームに戻ってきて欲しいと思っている。これに関しては本人の気持ちを尊重している。・・・そしてもうひとつ、あなた方はまた重要な質問を私に訊き忘れている。マティアス・ヴィニャは明日招集されるか?だ。彼は問題ない。問題なくチームに戻るだろう」

<了>

試合前にこれを観てテンション上げると良いです!

【セリエA 2021 22】ロマニスタから見たローマダービーとは?

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