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タミー・エイブラハムはどのように得点すればよいのか?

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タミー・エイブラハムはローマのユニフォームを着て、これまで12試合に出場4ゴールしか決めていない。しかし、同時に6回ゴールポストを叩いている。つまり、ポジティブに解釈すれば、現時点で10ゴール決めていたかもしれない。そういった論調の記事を読んだ。なんでも起こり得るのがサッカーで、たらればが存在しないのもサッカー。であれば、ウッドワークに当たったボールが内側に転がるか、外に転がるかはオカルトの領域である。このオカルトが2021年ではスタッツで少しずつ解明されつつある。まずは、セリエA得点ランク上位6名とタミー・エイブラハムの得点スタッツを比較して共通認識を持ちたい。

得点ランク上位6名にタミーを加えた7名をシュート数で並べ替えると上の表の通りになる。タミーに関しては、十分にシュートは打っているがそれが得点という結果につながっていない。試合のインプレッションとして、彼は無駄撃ちをするタイプではなく、比較的ゴールに近いところでシュートを打っていて、つまり『遠目から狙ってみました』的なシュートの質の低さがあるわけではない。得点効率(GPS=goals per shot)はこの7人で最も低い0.1となっている。GPSは総ゴール-PK÷総シュート数で求められるスタッツデータで、PKを蹴らないタミーにとっては、得点ランク上位に入るには今のシュート数の2倍、3倍が必要と言われているようなシビアな成績と言える(ただ実際には冒頭に引用した記事の通り、潜在的な10ゴールの可能性もあるのでそこまで単純な算数にはならない)。

余談を挟むと、先日のユヴェントス戦でヴェレトゥにPKを蹴らしてくれと頼んだタミーだが、ローマにおけるPKテイカーの序列は、1)ヴェレトゥ、2)ペッレグリーニ、3)タミーであることがモウリーニョ監督の口から明かされている。ただし、選手同士で納得していればタミーが蹴っても監督としては文句はないのだそう。

また、得点期待値(xG)に触れておくと、この7人の中でタミーだけが実得点を割っている。2得点-3.5xG=-1.5差数という事。現状タミーに点を獲らせるには、試合の中でリズムを作ってどうのというよりも、チーム全員がエースに得点させるというムードを作っていった方がよい。前任者パウロ・フォンセカ監督は、得点できていれば誰が決めても同じと発言していて、これは確かにスタッツ第一主義な見方ではあるけれども、やはりエースが得点して、他の攻撃手がそこに彩りしていくべきで、やはりサッカーはどんな時代でもそうである方が良い。いや、善いサッカーであるように思う。結局昨シーズンはミキタリアンが得点しまくったが、その裏でジェコが孤立してしまった。これをボードを使って戦術面から説明した動画あるので、未視聴の方は参考までにどうぞ。

【スタッツで分析!】ASローマ、次世代のエースを探せ!

今季、ペッレグリーニやヴェレトゥが得点しているのは、タミーの得点不足をごまかす慰めであって、彼らにミキ、ザニオーロを加えた強い選手たちがタミーのお膳立てをして行くことで、対戦相手はより具体的なプランでタミーを抑えにいくので、そうさせることでスペースを作るのが正しい。タミー加入当初の対戦相手の反応はそれこそオカルト的で「なんだかわからないけどチェルシーというビッグクラブから凄そうな選手がきたぞ」という警戒があった。これが薄らいでいる今こそ攻撃プランを練り直す時期だ。事実、モウリーニョはエースのスピードを活かす方法をチームに落とし込もうとしているのだとか。

次は同じ7人のストライカーが実際試合中にどのような働きをしたのかスタッツ別にまとめてみた。

プレス回数、総ボールタッチ数共に得点ランク1位のインモービレに近い数字であることがわかる。インモービレ、タミーはプレスも掛けてボールにも多く関与するマルチタスク型。デストロ、ラウタロはスタッツを読む限りフィニッシャー型で、ジェコもその傾向がありそうだが、今シーズンたまたま観たインテルの試合では自陣深くまで戻ってポゼッションに関与していた。これがボールタッチエリアに表れている。それをもっとローマ時代にも…とは言うまい。

つまり、そろそろローマもエースが活躍するサッカーをして欲しいぞということ。特にユヴェントス、ボデ/グリムトの2連敗でモウリーニョはチームを擁護するためにかなり強気な発言もしている。これでナポリ、カリアリ、ミランを落としてしまうと、堪え性のないロマニスタはモウリーニョに反発し始めるだろうことは容易に予想できる。ローマに時間は必要だが、それは強豪に負けていいという意味ではない。逆にこの連戦をポジティブな結果で終えることができれば、時計の針を早めることができるとぼくは考えている。Forza ROMA!

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