――ジャンルカ・マンチーニはどんな子供時代を過ごしたのでしょう?
マンチーニ「生まれはポンテデーラ。育ちはモントポリなんです。両親はそこで梨やリンゴの生産業をしていて、田舎町で友達や、いとこたちと過ごしてましたね。小さい頃は色んなスポーツをやりましたよ。それでも結局はサッカーを選んだのですけど」
――他にはどんなスポーツを?
マンチーニ「家にバスケットゴールがあったからバスケもやってました。チームに所属はしなかったですけどね。水泳とサイクリングもやっていたのですが、8、9歳でサッカーがぼくのやるべきものだって感じました」
――町のお祭りで友達とボールを蹴っているところをスカウトされたというエピソードは本当ですか?
マンチーニ「7歳の頃の話です。ですが、父はまだぼくがクラブに所属するのは早いと考えていました。うちの家族と仲の良いサッカー監督のジュゼッペ・アウレリアさんはぼくのプレーを見てこう尋ねたのです。「なんで君はうちのチームに来ないんだ?」正直、両親はぼくがサッカーをすることに乗り気ではありませんでした。監督は「あなた方が連れて来ないなら、俺が彼を連れて行くぞ」そう言ってくれて、最後は両親が根負けしました。でも練習場は近くて、実際うちの農園を通り抜けて行けたのです」
――どのカテゴリーからスタートしたのでしょう?
マンチーニ「プルチーニ(U-11)。しばらくするとフィオレンティーナのスカウトがぼくを観に来て、その4日後にはフィレンツェで入団テストを受けていました。ヴィオラでは毎年昇級できるのか不安を感じていましたが、最後はプリマまで辿り着きました。9歳から19歳の10年フィオレンティーナにいて、そこでとても多くを学びましたね」
――フィレンツェに引っ越したのですか?
マンチーニ「いいえ。友達と離れたくなかったので自宅から通いました。クラブハウスまでのバスがありましたし、母が仕事のないときは車で送迎してくれました。家から30分くらいでした」
――プロになれないと考えたことはありますか?
マンチーニ「フィオレンティーナに入る前は少し躊躇がありました。不安で悩んだ夜を思い出します。友達と離れたくもなかった。でも朝には自分の決心を母に伝えました。いつもぼくが決めたことを認めてくれた両親なので、止めたりはしなかったですね。よく自分の願望を子供に押し付ける親がいますが、うちは母がサッカーを知らなかったし、父もぼくのプレーを変に誉めておだてたりしなかったから、ぼくはこの時期をおちついて過ごせたと思うのです」
――ずっとディフェンダーを?
マンチーニ「ユースで様々なポジションを体験しましたが、プリマの初年度にディフェンダーに戻されて、その後はずっとこのポジションです」
――ゴールへの嗅覚は、ユース時代の色々なポジションの経験が活かされているのでしょうか?
マンチーニ「それが理由かはわからないですね。ぼくたちディフェンダーはセットピースから得点するけど、どんなに良いクロスを入れる仲間がいても、適切な場所に適切なタイミングで入るのは自分です。ですからぼくは、フリーキックやコーナーキックでゴール前に上がった時、「ここで決めてやる」って自分に言い聞かせるんです」
――自分が完成された選手だと感じますか?
マンチーニ「ぼくは若くしてビッグクラブにやってきたと理解しています。ですが、これからまだ長い道のりがあり、もっとトレーニングしなければなりません」
――セリエAデビュー戦でフィオンレンティーナと対戦しましたね。
マンチーニ「アタランタの一員としてフィレンツェに行きました。あれは運命の導きでしたね。自分の育ったクラブと戦うのは夢が実現した瞬間でもありました。多くの友人が観に来てくれて、本当に素晴らしい気持ちだったのを覚えています」
――アタランタの前にはペルージャに在籍していますが、そこではどのようなことを学んだのでしょうか?
マンチーニ「プリマからプロへの第一歩でしたね。本当に貴重な体験だったと思います。自分よりも年上の選手たちに囲まれて、初めての独り暮らしも経験しました。それまで家族や友人、恋人と一緒にいることに慣れていたので、突然1人離れた場所で暮らすのは簡単ではなかったです。しかし、今となって思えば、それもこれもぼくを成長させてくれた。プロサッカーがどのようなものか理解する為の素晴らしい経験でした。当時の監督はピエルパオロ・ビゾーリさんで、ベンチで本当に多くを教えて貰ったと思います。最初は全くプレーさせてもらえなくて、1月にはレンタルの話もありました。でもぼくはそこでチームに残る選択をして、最後はシーズン14試合出場で締めくくりました」
スピナッツォーラに続いてマンチーニのロングインタビュー。テストマッチでは誰よりも細かくフォンセカ監督から指示を受けていたマンチーニですが、それだけ期待されているのか、それともまだまだ足りないのか、更なる成長が楽しみです。ニーズがあればインタビューの続きをご紹介致しますので、ツイッターやイイネ、コメント等宜しくお願いします。
コメント
度々のリクエストになり
恐縮ですが、続きの掲載を是非お願いいたします。
CBながらローマでも非凡な得点力を発揮している彼は“持ってる選手”だと思います。
イタリア人の彼には長くローマでの活躍を期待しているので、もっと教えてもらえるとありがたいです。
41さん
リクエストありがとうございます。
ぼくも彼のなかに非凡な持ってる感を感じています。ローマで飛躍して欲しいですよね。