英国SUNDAY TIMES紙にスモーリングのインタビューが掲載されていました。有料記事なので全てを紹介することはできませんが、いくつか興味深いものをピックアップすると、自身のヴィーガン(菜食主義)活動のひとつとして、ピニャテックスとのコラボレーションをしているとのこと。
ピニャテックスとは、パイナップルの葉から作られる不織布で、これまで大量に処分していたパイナップルの廃葉を加工することで作られます。皮革製品は製造過程で人と環境に悪影響を与える化学物質が使用されますが、ピニャテックスにはそのような工程は含まれないのだとか。色んなサイトを調べてみましたが、ピニャテックスは登録商標で、他ではヴィーガンレザー、ヴィーガンスエードと呼んだりもするそうです。
また、クラブの栄養士と連携を取り合い、お互いの情報を交換し合う有意義なコラボもしているとのこと。しかし、菜食主義にも科学的根拠が必要と考えており、血液採取などのテストにも協力していると言います。こういったデータが将来的に他の選手にも役立つと良いですね。自宅では奥さんがこれらに気を配った料理を作りますが、その奥さんの料理の腕前は一級品だと言います。母親が手当り次第食べ物をオーブンに打ち込む、『英国式』のクッキングしかしなかったので、初めて奥さんの料理を食べたときは本当に驚いたのだとか。
そういや、ぼくはこれまで料理の得意な女性に知り合ったことがないので、料理の上手い女性って荒俣宏が書く思念上の生き物なのだろうと思っているのですが、願わくばお金を払わずに(なんか微妙な表現ですが・・・)女性の美味しい手料理を食べてみたいです。ぼくの永遠のアイドル、YUKIちゃんが以前レディオで「自宅でぇ、ローズマリー栽培してるからぁ、お肉と一緒に煮るとおいしいの。キャハー」的な発言をしていて、このおばさんなんてエロかわいいんだと思いつつも、自分がYUKIちゃんの旦那だとして、帰宅して毎日ローズマリーぶっこまれた料理食わされたら辛いのかもなとも思いました。つまり、この場合ぼくが所望するのは、ローズマリーとかビーツとか使ったハイソな食べ物ではなく、和なら肉じゃが、洋はロールキャベツで落ち着くのかなと思わないでもない。でもカレーとかハンバーグでもいいと思います。まあぶっちゃけなんでも良い。
ローマのオフィシャルサイトは、ぼくたちロマニスティを喜ばせる様々なコンテンツを企画してくれますが、その中でたまには『FILM NIGHT』なるちょっと不発気味の企画もあります。これは選手にお勧めの映画を選んでもらう一見興味深い内容なのですが、ロックダウンの暇つぶしという趣旨もあってか、方向性がハートウォームか娯楽性の二極化していて、ぼくはちょっと物足りなさを感じてしまいました。そのなかで、アントニオ・ミランテだけが映画に対する愛着を語っていてそこは興味深かった。「映画は何度も見返して、一度目は物語を、二度目以降は細かいディテールを知り、それが作品により深みを与えてくれる」と語っていました。あと空気を読まずに死霊館やソウを選ぶカルレス・ペレスは大物になりそうな予感がしています。ところで、パストーレも映画が好きで、PSG時代に奥さんとローマまで映画を観に来ていたと聞いたことがあるので、次はパー様の『FILM NIGHT』をお願いしたいですね。
以下が選手セレクトの作品。みなさんも鑑賞してみてはいかがですか?
Mert Cetin | Carles Perez |
The Shawshank Redemption | Saw |
The Pursuit of Happyness | Fast and Furious 7 |
The Martian(邦題:オデッセイ) | Transformers: The Last Knight |
Forest Gump | The Conjuring(邦題:死霊館) |
The Intouchables | Perdona Si Te Ilamo Amor (Sorry If I Call You Love) |
Antonio Mirante | Gonzalo Villar |
La Vita è Bella (‘Life is Beautiful’) | Inglourious Basterds |
The Shawshank Redemption | I, Robot |
The Last Samurai | The Avengers |
The Pursuit of Happyness | Mission Impossible: Ghost Protocol |
Rocky IV | The Dark Knight |
Gianluca Mancini | Bryan Cristante |
The Choice | 42 |
Any Given Sunday | The Art of Racing in the Rain |
Rocky Balboa | Straight Outta Compton |
Perfetti Sconosciuti (‘Perfect Strangers’) | Man on Fire |
Goal! | Le Mans ’66 (Ford v Ferrari) |
おまけ
ぼくもFILM NIGHTやってみました。これ全部すんなり面白かったという人は、間違いなくローマ速報的マイノリティセンスをしてるので、実社会でダダ洩れしないようにくれぐれも注意してください。
KISARAGI suggests five movies to watch during the lockdown
1.未来世紀ブラジル (1985年)
テリー・ギリアム監督作品。レトロフューチャーと呼ばれる世界観で未来を描いた物語。管(ダクト)を伝う書類群、毎晩非合法にダクトを治す修理屋、美容整形マニアのマダム、夢の中に出てくる美少女とそっくりの女性トラッカー。こんな世界に住みたい。幻想的でしかない。僕のなかでブレードランナーと対になっている作品です。
2.アイズワイドシャット (1999年)
キューブリックの遺作。医師ハートフォードが、興味本位で富裕層の秘密の会員制パーティに潜り込むと、医者という上流階級の人間ですら到達できない世界がそこにあり、翌日それが幻だったような、夢だったような、有無を言わせぬ強力な力で跡形もなくなくなってしまうという話です。実の物語のテーマはそこではないのですが、あらゆるディテールにキューブリックの集大成を感じる作品なので、他のキューブリック作品で、彼の奇妙かつ不穏な世界観を体験してから観賞するとさらに楽しめるかもしれません。
3.AI (2001年)
本来キューブリックがメガホンを取るはずの作品でしたが、本人の急逝により、スティーヴン・スピルバーグが監督を務めたSF作品。これも内容というより(内容はもちろん素晴らしいですけど)随所に「あれ?これキューブリック作品だよね?」と錯覚してしまうディテールにスピルバーグの熱量や才能を感じます。
4.1999年の夏休み (1988年)
おそらく余裕で20回以上観返している作品。森の中の全寮制の学校が夏休みを迎え、帰省しない3人の少年だけがひと夏を宿舎で過ごすことになった。そこに不慮の事故で死んだはずのクラスメイトそっくりの転校生がやってきて・・・という導入部。この少年たちを若き日の深津絵里ら女優が演じていることで、さらに幻想的な世界観に仕上がっている。原作は萩尾望都の古典漫画『トーマの心臓』。
5.さらば青春の光 (1979年)
永遠のモッズムービー。主人公ジミーは別に反抗期なわけでもなく、ただ週末にクールなスーツに身を包みイタリアンスクータに乗って、アメリカからやってきた最新型のダンスミュージックで踊り、大物を気取りたいだけ。だけどいつしか周囲とのズレは、彼に多重人格のレッテルを貼ってしまう。ぼくは今でもジミーに共感してしまうし、彼が体験した歓喜や失望、理解されないことへのやり場のない怒りはまるで自分のことなんじゃないかと思えてならない。シド・アンド・ナンシーもそうだけど、破滅にロマンティックな匂いを感じてしまう。
この5作は、オールタイムベストではなく、また外出自粛の間に観てねという感じの内容でもないのですが、今パッと観直したいと感じたものを選びました。
コメント
ぼくは普通にニューシネマパラダイスを探してただけなのに、
なんかしょうもないのとこじらせてるのだらけで驚きました。
トッティならデニーロ作品を、
デ・ロッシならハリウッド丸出しを
さらけ出してくれそうな気がします。
匿名さん
ニューシネマパラダイスは例えるならば蒲田行進曲を挙げるようなものなので、誰も勧めていなければ、それはそれで健全なのかなと思います。
トッティとデ・ロッシの映画5選は無茶苦茶興味ありますね!