しかし、如月とわかなは危険に惹かれ合っていた。昨日の続き
「それにしても如月くん」「はい」「この広い洋館に拘束されてどのくらい経ちますか?」「お互い目が覚めてからはまだ5時間くらいですね」「如月くん、私もう飽きました」「わかなさんの力でどうにか出来ないんですか?宇宙人なんでしょ?」「宇宙人を神様みたいに言わないで下さい」「でもチェスだって、なんか途中で駒投げつけてくるし」「宇宙チェスはそういうルールです」「チェスのルール分からないって言ってたじゃないですか!」「・・・」「・・・」「如月くん、踊りましょう」「あ、誤魔化した」「誤魔化してはいません。私、突然キャント・ストップ・ザ・ダンス状態です」「わかりましたよ」「ご理解痛み入ります」「やれやれ」「それにしてもなんでこの応接間には胸像ばかり飾ってあるのでしょう?あ、これ如月くんに似てる。フフ」ガチャ「わかなさん、いまなんか変な音しませんでした?」「い、いえ」「なんか古い仕掛けが作動したような不吉な音しましたけど」「如月くん、踊りましょう」「はいはい、わかりましたよ。その話はもう止めます」「痛み入ります」「それはそうとわかなさん」「なんでしょうか」「気のせいか、天井が低くなってるような気がします」「気のせいです」「い、いや、間違いなくこれ天井が迫ってきてますよ!」「錯覚です」「ぼくたち潰されちゃいますよ。やっぱりさっきなんかやらかしたんですね?」「いえ」「ちょ、なんでこんな事になったんですか!」「それは、あれです。如月くん似の胸像がありましたので愛でていたところ、首が動く事に気が付きまして、面白いので色々動かしていたら、たまたま天井が迫ってきたという訳です」「原因それじゃないですか!というかどうすりゃいいんですか。このままじゃ国道沿いのアマガエルみたいにぺちゃんこになっちまう」「落ち着いて下さい、如月くん」「なんか秘策でもあるんですね」「だから私を神様かなにかだと勘違いしないでください。とにかく様子を見てみましょう」「そんな10年前のGOAL.comの記事みたいなこと言わないで下さい!つ、潰される。せめて、ローマが優勝してから死にたかった」「如月くん。死ぬ前にあなたにこれだけ伝えたいの」「なんですか?」「私が大事に残しておいたヨーグレット勝手に食べましたね。私、死んでも許しません」「この状況じゃ遺言にしか聞こえないですよ!」「そうですか。でしたら、ここを脱出してからとっちめるとします」「できるんですか?」「如月くん、愚問です。私は宇宙人ですよ」
ということがあったのでローマの情報どころではないのですが、まずはボローニャのサバティーニスポーツディレクターが面白い発言していたのでご紹介したい。
サバティーニ「(前会長)パロッタ氏はローマやこの都市と恋に落ちなかったのだろう。サッカーの仕事に愛情と情熱は不可欠だ。それがなければサッカーなんて空虚なものだよ。ここ数ヶ月の観客不在のスタジアムは苦痛でしかない。そこに真の情熱が宿らなければ、サッカーはまるでスッブーテオのようさ」
*Subbuteo(スッブーテオ):駒を弾いて遊ぶサッカーのボードゲーム。
ローマ速報はこれからもずっとトッティ派 pic.twitter.com/Z0azJbcNj5
— ASローマ速報⚡ ROMANISMO official (@roma_sokuhou) September 1, 2020
そして久しぶりにカピターノがコメントしています。
トッティ「おうおう、俺だ。幻のバロンドーラーだよ。久しぶりだな。ローマにいつ戻るのかって?そうだな。この質問は直接的過ぎてあまり良い聞き方じゃないぜ。戻るって言ってもいろんな意味があるからな。フリードキンにいつ会うかと言うなら、彼らが俺をティータイムに誘ってくれたらいつでも会えるさ。まだお茶会のお声は掛からないけど、そのうち会うと思ってるよ。フリードキンはすぐにローマを理解したと思ってる。息子のライアンがローマで生活をするという発表がまさにそうだ。パロッタ氏は、海外で生活して、読んだニュースに基づいて決定を下した。だから間違いを犯したんだよ。新しい所有者には、生でローマを感じてもらいたいね。今の俺はスカウティングという新しい仕事を発見して、新しい生活をとても楽しんでいる。クライアントと会議室で会うのは喜びなんだ。この仕事を通じて、アウダイールやカンデラと言った昔からの友達と仕事ができるんだぜ?カンデラはフランス、アウダイールは南米で若いタレントを探す。そして、俺たちはその子たちにトップを目指すために必要なものを伝えることができる。プロとして成功するには何をすべきか伝えたい。このフランチェスコ・トッティが太鼓判を押すなら、その子だって自信をもって頑張るはずだよ。俺とローマは遅かれ早かれ惹かれ合う運命にある。でもそれが何時とは言わない。その日までソファで大人しくしてるつもりはないからな。だけど、これだけは言っておくよ。いつか俺はそこに戻るだろうってね」
自分で書いていて世話ないなと思うけど、読んでいて、目頭が熱くなるというか、これだけで多くの事を考えさせるトッティは凄いなと思いました。
確かにトッティのプレーはローマで観ることはできないし、いまトッティを知らない世代がローマを応援し始めていて、このアイコン無き時代にローマを支持するって一見意味不明だけど、このインタビューを読んでハッキリわかったのは、トッティはいないけど、トッティの残したものはまだローマにあり、それを誰もが知っている。フランス革命があったからもいってヴェルサイユ宮殿が取り壊されたかといえばそうではない。「トッティ知らないんだ?じゃ最近のローマの話しようか?」という感性が、おそらく将来本当にトッティを殺してしまうだろう。その影響や偉業は、歴史として語り継がれていて、その語り継ぐひとりとしてローマ速報にはまだ存在意義があると思いました。
マルディーニやデルピエロ、ハヴィエル・サネッティについて語り続けるサッカーファンがいるとは思えない。でも今はそういうスピード感の世代。
だけど、ぼくはトッティについてまだ話し足りない。世間のスピードなんてもうとっくに知らない。ブーツを壁に掛けてしまったバンディエラについて、ぼくはまだ大事なことをなにも書いていない。ということで、これからのトッティの活動も伝えていきたいです。
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