AS Roma | Sunday, 22. November 2020 | Parma Calcio 1913 |
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3:0
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goals | |
1 : 0 | Borja Mayoral 28. / left-footed shot (Leonardo Spinazzola) |
2 : 0 | Henrikh Mkhitaryan 32. / right-footed shot |
3 : 0 | Henrikh Mkhitaryan 40. / left-footed shot (Rick Karsdorp) |
攻撃の軸となるジェコ、ディフェンダーのクンブラ、ファシオ、サントンがコロナで離脱して、スモーリングが食中毒で間に合わない状況に加えて、筋肉系の故障で外れていたスピナッツォーラと、コロナから回復したうちのイケメンでお馴染みのペッレグリーニがギリギリ召集されたものの、コンディション不良でプレーできない可能性があった。
フォンセカ監督は、この状況で不在の穴をカバーする4-2-3-1ではなく、選手への信頼を示すこれまでと同じ3バックで試合に臨んだ。並びはキーパーにミランテ。3バックは左からマンチーニ、本職はアタッキングミッドフィルダーのクリスタンテ、イバニェス。ボランチには絶対的なスタメンのヴェレトゥと若干22歳のヴィジャールのコンビを配して、両ウイングバックはスピナッツォーラとカルスドルプ。トリデンテ(三叉槍)はミキタリアン、ペドロ、そして前線にマジョラル。
試合はお互いが被ポゼッション時にブロックを作って構える似たコンセプトで始まった。しかし、大きく異なるのは、前線で張るジェルヴィーニョへの一発を狙いたいパルマは、中盤から積極的なアプローチをせず、一方ローマはひとたびボールを持てば、果敢にデュエルを仕掛けて数的、位置的優位性を生み出していたことだろう。
これが結実したのが27分。それまでおよそ3分間ローマは一定の緩やかなテンポでボールを保持し続けていた。既にパルマゴールに雨雲は垂れこめていた。
そのパス回しから、左サイドのレオ・スピナッツォーラにボールが渡る。パルマはすっかり帰陣していて、中央にはフリーのミキがいた。このままパスワークの続きをするという選択肢もあったが、ミキのさらに後ろで、ボールを呼び込むマジョラルを見つけたレオはここで勝負を選択する。
目の前のアルベルト・グラッシに対して、大きく息を吸い込むようにボールを晒してから、腰を落としてドリブルのギアを上げるレオ・スピナッツォーラ。パルマのすべての選手がボールを見た瞬間、3枚の壁の裏を抜けてダイアゴナルにボックスへ入ったマジョラルの目の前に、レオからの片道切符のスルーパスは届いた。行先はゴールネット、オフサイドはなかった。これをマジョラルが難なく決めてローマ先制。
*ボールを持つのがレオ・スピナッツォーラ。3人に囲まれて、中央のミキか大外のカルスドルプへのパスを誘導されている状況で、ボックス手前でボールを呼び込むマジョラルを見つけた。
*完全にミキを見てパスを出すと思わせてからのノールックのスルーパスでパルマをしなやかに殺した。
*あとは決めて来いよーの棒立ち。
その4分後には、ミキの中距離弾で追加点。これも起点はスピナッツォーラで、バイタルエリアでパスを受けたマジョラルがつぶれて、セカンドボールを走りこんできたミキがそのままネットに蹴りこんだ。もはや凄みしかない。
この試合最後のゴールは前半39分。中盤でマジョラルがパスを受けて前を向くと、ミキとヴェレトゥがトップスピードで前線に駆け上がる。攻撃のスイッチが入った瞬間の連動性は、今季のローマ最大の娯楽だ。ペドロを経由して右のカルスドルプから、守備陣の頭を超えるファーへのクロスが入り、飛び込んだミキが再び決めてドッピエッタ達成。ローマのトップスコアラーに躍り出た。
プレシーズンからゴールを量産して、既にトップフォームだったミキタリアンを、当時ローマ系メディアは「まるで11月のコンディションのようだ」と報じた。彼はそれ以来変わらずに11月の中にいる。
パルマは後半も流れを変えるに至らず、ミランテの正面に飛んだカラモーのシュートがこの試合唯一のパルマのシュートとなり、試合はそのまま3-0でローマが勝利した。ポゼッションこそ6:4だが、パルマ507本のパスに対してローマは706本のパスをつなぎ、シュートに到ってはローマ21本に対してパルマはわずか1本と数字の上でも好感触、好印象だ。
そして何より重要なことをロマニスタ諸氏にお伝えしておくとローマはこれで単独3位。失点数はヴェローナ戦の3点を考慮しなければオンゲームで首位ミランに並ぶ8失点。あらゆる数字がポジティブな兆候を示している。
先ほど敵地でナポリを破り首位を守ったミラン、そして選手を休ませることのできるサッスオーロ、真下の4位には依然無敗のユヴェントスに、5位は爆発的な攻撃陣を擁するインテルとちっとも油断できそうにない。さらにその下には6位7位にナポリ、アタランタと眠れる獅子が控えている。9位のヴェローナもしたたかなチームだ。10位につけている今年のサンプはまるで読めないジョーカーである。
ゆえにこの3位はかりそめなのだろう。だからといって、ぼくたちが今喜んじゃいけないってことではないはずだ。いつもはドジでのろまなローマだけど、ぼくたちはまだまだ楽しめる。パーティは終わらない。パレードに雨を降らせないで。
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