ローマ生まれの俳優、レナード・ラシェルが亡くなったのは1991年1月2日。丁度30年前の話です。彼は生粋のロマニスタで、歌手としても活躍しました。生前は、アルマンド・トロヴァヨーリのペンによるローマ賛歌も吹き込んでいます。
今からおよそ70年前の1951年、ローマはセリエBに降格しました。その直後6月17日にラシェルはティフォージに向けてこう言いました。
“La Roma non si discute, si ama”
後に長く語り継がれるこの言葉は、英語では’You don’t doubt Roma, you love her’と訳されています。54年には代表曲『アリーヴェデルチ・ローマ』 を発表俳優、歌手としてだけではなく、ロマニスタとしても広く愛された人物、それがラシェルでした。
ローマはラシェルを、ロマニズモの預言者と呼び、そして、彼の言葉を風化させない為にも、またロマニズモを忘れない為にも、今夜のサンプドリア戦のユニフォームにこの言葉を縫い付けることを発表しました。現在、公式サイトでは、彼の言葉に感銘を受けた13人のロマニスタのコメントを読むことができます。
そのうちの1人、歌手マリレナ・グラツィアーノさんの言葉を引用しましょう。日本人のぼくたちにも心情的に当てはまる気がしますね。
“La Roma non si discute, si ama”
これはロマニスタである為の純粋な定義だと思うわ。ベルガモで生まれ育った私にとって、本当に深い意味を持つのよ。ロンバルディアには、ジャッロロッシのファンはほとんどいないわ。でも私はローマを心から誇りに思っている。私はこれまでもローマへの愛について歌い、できる限りチームをサポートしてきたのよ。
ローマの作った動画はとてもエモーショナルで、どこか60年代英国のモッズムーブメントを想起させます。この伝統と歴史の最先端に、現在進行形でローマを応援するぼくたちは立っているのです。
ベンフィカからやってきた新ゼネラルマネージャー、チアゴ・ピントは、自身の仕事を組織の近代化と説明します。ピントによるサッカーチームとしての近代化、そしてクラブとしての伝統継承。改革と伝統を両立する事がローマにとってとても重要であり、パロッタ期最後には損なわれたバランスだったのかもしれません。
余談ですが、このラシェルの言葉は、2014-15ユニフォームにも刻まれています。お持ちの方は手に取ってみては如何でしょうか?
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