AFC Ajax | Thursday, 8. April 2021 | AS Roma |
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1:2
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goals | |
1 : 0 | Davy Klaassen 39. / left-footed shot (Dušan Tadić) |
1 : 1 | Lorenzo Pellegrini 57. / free kick |
1 : 2 | Ibañez 87. / left-footed shot |
こいつはグレートっスよ
居ても立っても居られないティフォージがオランダまで応援に駆けつけた。これがコロナ渦で良い行いかどうかは判らないが気持ちは選手に届いて欲しいと思った。彼らはバナーにメッセージを込めた。『ただ、あなたと一緒に居たいんだ』と。
ローマのスタメンは先の更新で予想した並びとほぼ同じですが、ヴィジャールではなく、フォアチェックに長けたディアワラを選んだ。彼は中盤の天秤として良い仕事をした。
ROMA (3-4-2-1): Pau Lopez; Mancini, Cristante, Ibanez; Bruno Peres, Diawara, Veretout, Spinazzola; Pellegrini, Pedro; Dzeko
アヤックスはポゼッションチームでありながら、なぜかプレッシング率も高く、これはロスト時の即時奪回の多さ、運動量の豊富さといったものが推測できるが、実際に彼らの試合を観ると、より印象的なのは攻撃手法であることがわかる。これに関して、セリスタでも収録前のやり取りの中で、1)CL最終節アタランタのように一度攻撃を受けてしまう。2)CL初戦リヴァプールのように仕掛けてマッチアップの機会を増やす。この2つのどちらがローマが取るべきアプローチなんだろうね?となった。
ローマが得意なのは1)だが、強豪相手だとその攻撃を受け止めきれないという諸刃の刃であり、またその際の攻撃のスイッチャーがいないという問題もあり、ぼくは2)のように自分から前に出る必要があるというのが上策に思えた。前日会見でサッスオーロと似たチームであると、アヤックスを評したフォンセカ監督は、序盤で前線にプレスさせる方法を選ぶ。これがある程度アヤックスのテンション抑止にはなったものの、28分に左サイドを切り裂いていたスピナッツォーラがハムを痛めてカラフィオーリと交代すると、いつしか5バックの守備を敷く時間が増えていた。それでも、攻撃に転じた際に彼らに多くのスペースは与えなかったとは思うが、38分にディアワラの浅いバックパスをクラーセンにボックス内まで運ばれ、タデッチとのワンツーであっさり崩されて失点してしまう。その後も機を見て攻めるもシュートまでは遠く、前半アディショナルタイムでペッレグリーニが囲まれてズルズルと下りていく様を観てやや閉塞感すら感じた。
secondotempo
さらなる狂騒の予感が52分。ボックス内でイバニェスがタデッチを倒してPK献上。追加点ならほぼゲームクローズのローマ。守るのはリゴーレに滅法弱いパウ・ロペス。しかし、このリゴーレをパウが先に仕掛ける。キッカーが蹴る前に左にステップして、誘発した逆サイドへの甘いボールを難なく防いだ。値千金のファインプレー。これでローマは息を吹き返す。54分には右サイドからの大きな大陸弾道クロスをジェコがヘディングして、徐々にゴールの閂を外しに掛かると、ペドロがバイタルエリアで倒されて絶好のFKを得た。蹴るのはペッレグリーニ。彼がキャリアで唯一決めたFKはサッスオーロ時代、同じくヨーロッパリーグだ。望みの薄いキッカーだが距離は程良い。そして何よりもペッレグリーニはメディアから『ビッグマッチでしか得点できない』と揶揄されている。揶揄?いや彼はトッティやデ・ロッシといったバンディエラの意思を継ぐ強心臓の持ち主だ。バンディエラたちはこのようなとき、どんなキックを蹴っていたのか?簡単だ。ハートで蹴っていたのである。そして、このシュートもそうだった。21歳の若いGKスヘルペンはボールを弾いたが、気持ちの入ったボールにはスピンが掛かり、そのままゴールイン。ペッレグリーニはFKで得点できないというジンクスを破った。いや、ビッグマッチでしか得点できないというジンクスはまだ生きているのかもしれない。
65分が過ぎてアヤックスのポゼッションは58パーセント。しかし、ローマに落ち着きが生まれて、ボールを奪うと前線のジェコ目掛けて射出する。これを収めてセカンドアクションに繋げたいローマ。ここらへんにフォンセカ監督の起用意図が見て取れた。76分、ヴェレトゥ、ジェコOUT、ヴィジャール、マジョラルIN。しかし、戦い方を変えない。驚いたのはマジョラルがジェコのようにターゲットとして機能していたことだ。
待望の逆転弾は87分イバニェス。左CKからのクリアボールを胸でトラップ。シュートコースに相手選手が滑り込むも、もはや視界に入れずに対角線ファーを撃ち抜いた。敵味方合わせて7人の障害物があったが入るときは入ってしまう。『持っている』とはこのような状況なのかもしれない。
追加タイムは4分。ローマは狡猾に時計の針を進めた。ボールがタッチラインを割ると、スローインをする為にピッチを離れたカラフィオーリに新しいボールが投げられる。しかし、これを無視して、あえて遠くに転がったボールを取りに行くと、苛立ったボールボーイの少年がカラフィオーリにボールをぶつける。もちろんこれは遅延行為で、選手にカルテリーノ・ジャッロが掲げられたが、カード1枚で1分買ったと思えば安いものだという表情のカラフィオーリ。この間も時計は進み、ほどなくして笛は3度ヨハンクライフアレーナに鳴り響いた。
リターンレグに期待の持てる大きな勝利だった。これまであらゆるPKを見当違いな方向に飛んでは決められてきたパウだが、なぜかそろそろ失点貯金も満額になる予感もあったし、ペッレグリーニのFKも今季これだけ蹴っていて、そろそろ決まってもバチはあたらんだろうという気持ちがしていた。この試合で度々スタンド席の守護神ステケレンブルフをカメラが抜いていた。正GKオナナがドーピングでチームを離れていたので、膝の故障がなければ彼は出場していただろう。もしかするとリゴーレは止められていたかもしれないし、リーチが長く、ハイボールの処理が絶妙に上手い選手なので、イバニェスのシュートにも反応していたかもしれない。ちなみにご存じの方も多いと思うが、ステケレンブルフは若かりし頃ローマでプレーをしていた。
ローマが次にすべきことは、リターンレグの準備ではなく、この感触を3日後にやってくるボローニャ戦で確固とすることだ。言い訳の時間はないし、ピッチの外で余計なエネルギーを放出する必要もない。
試合後のインタビュー。
ローマ、いやイタリアサッカーがどれだけこの勝利を望んでいたと思いますか?
フォンセカ監督「これは重要な勝利だ。現在少しむずかしい次期を過ごしている私たちだったので、ここで勝利することは本当に重要だったと思う。観て分かる通り、アヤックスは本当に良いチームだった。しかし、うちの子たちも良いパフォーマンスをしたと思う」
あなたは前日会見でローマは完璧な仕事をする必要があると言いました。今夜はレオ・スピナッツォーラの負傷交代などトラブルがありましたがなんとか勝利にたどり着けましたね。
フォンセカ監督「レオは上手くプレーをしていて、何度も決定機を作っていたから、彼の交代は非常に難しいものとなった。しかし、こういったことはサッカーでは起こり得るもので、私たちは上手く対応しなければいけない。カラフィオーリは良い働きをしてくれた。私たちはヴェレトゥ、ミキ、スモーリングなどシーズンの重要な次期にキープレイヤーを失った。でも言い訳はしたくない。今重要なのは現在と未来で、私たちは選手と一緒に最後まで戦うことができる」
あなたは監督としてもっとリスペクトされるべきですか?
フォンセカ監督「私にはやるべき仕事がある。誰かが書くことをコントロールすることはできない。だから彼らが私が悪いというのであれば、私はそれを受け入れる。だが薄汚い嘘は好きにはなれない。本当に多すぎる。私はイタリア人ではない。外国人の私から見て、ヨーロッパでイタリアを代表して戦うローマについて、なぜ多くの人たちが多くの嘘をつくのかが理解できない。私たちはイタリアのみなさんの助けが必要で、彼らはヨーロッパで戦うイタリアンクラブに手を貸す必要がある。彼らが書くことは正しくもなければ誠実でもない。プロフェッショナルとは言い難いね」
嘘とは?
フォンセカ監督「週の頭にミーティングがあり、そこで選手たちが私と対立したということだ。それはすべてデマだ。しかし、それを私がどうにかできることではない。私がコントロールできるのは自分の行動と選手の仕事だけだ。正しい観点からそれらを実行しようと思っている」
<了>
ところでぼくがやっているセリスタというスタッツからサッカーの楽しみ方を提案するというyoutubeチャンネルでこのアヤックス戦を戦前分析しています。これを観ると今朝の試合が更に深く理解できて、次のリターンレグの見処も判ると思います。ぜひご視聴&チャンネル登録お願いします。感想も聞かせてくださいね。
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