いよいよ2021年が終わろうとしている。ローマにとって、この1年はなにも変化がなかったようにも見えるし、大きく変化したようにも思える。実際にどのようにチームが変化したのか、それを知るにはカピターノに話を訊くべきだろう。
公式サイトでロレンツォ・ペッレグリーニが2021年を振り返っている。チームの内側から今年のローマがどのように映っていたのか、とても興味深いインタビューとなっている。前編の今回は20-21シーズンを折り返した今年1月からモウリーニョ就任発表の5月まで。それ以降は2022年の更新を予定している。
年末年始のリーグ中断時期にロマニスタ諸氏にぜひ読んで頂きたい。
2021年のローマは1月10日のインテル戦で引き分けてリーグ3位となりました。ですが直後のデルビで敗戦、そしてコッパイタリアで格下のスペツィアに力負けしてしまいます。インテルとデルビー、このわずか4日間はチームにどのような影響を及ぼしたのでしょうか?
ペッレグリーニ「ネガティヴな影響だよ、間違いなくね。デルビに負けるという意味がなにを指しているのか理解しているからね。当時は順位も良く、あそこで勝利すればさらに上を目指せたはずだ。コッパイタリアの敗戦も、その後に起こった事(*没収試合、選手懲罰など)がさらにチームを悪くした。コッパイタリアの後にもう一度スペツィアと戦ったときはぼくの決勝ゴールで勝利することができたけど」
あなたはそのカンピオナートのスペツィア戦から正式にカピターノになりました。それは自身の転換期と考えられますか?
ペッレグリーニ「そうだね。ちょっとした転換期だったのかも。でもそれは決して楽しいものではなかった。カピターノになったことは光栄だったし、責任も感じた。まあ…もっと別のタイミングでリーダーになりたかったかな。とはいえ、クラブはあの時点でぼくが主将になるべきタイミングだと判断したんだと思う。個人的には、エディン・ジェコは腕章をつけていなくてもローマのカピタンの一人だったよ。以前のぼくや、今のクリスタンテのように同じカピターノの一人だったのさ」
話を戻しましょう。カンピオナートのスペツィア戦は追いつかれて、93分で3-3の状況からあなたの得点で勝ち越しています。あの試合、あの瞬間はあなたとチームにとってどのような意味があったのでしょうか?
ペッレグリーニ「信じられない気持ちだった。得点後、興奮のあまりユニフォームを脱ぐなんて思いもよらない事までしちゃったからね。あのゴールはそれまでの1週間を忘れさせてくれるのに十分だったよ。ぼくたちは6ヵ月しっかり戦ってきたのに、この4日間ですべてを放り出してしまったかのようだった。だからあの勝利は、ぼくたちローマがコースに戻り、勢いを取り返すのに一役買った。これがヨーロッパリーグを戦う上でも効いたと思ってる」
しかし、その後に勝ちきれず、ローマは順位を落としてしまいます。なぜ安定しなかったのでしょうか?
ペッレグリーニ「昨シーズンのクロトーネ戦後「セリエAよりもヨーロッパリーグのことに気を取られている自分たちに腹が立っている」そう言ったよね?これはちょっとネガティヴに捉えられたりもしたけど、ぼくが言いたかったのは、あの時、多くの故障者とサスペンションでほとんど選択肢がなくて、木曜日と日曜、そしてまた次の木曜日に同じスターターになることが多かったんだ。しかし、ヨーロッパリーグで勝ち進むたびに大会は熾烈になり、金曜日の午前3時にローマにもどると週末のカンピオナートで戦うエネルギーが徐々に損なわれていった」
ヨーロッパリーグのベストマッチは?
ペッレグリーニ「アヤックスのセカンドレグだと思う。個人的にはこの日のぼくらは大会最高のチームだった。自分たちが何を成し遂げ、そして大会で何を成し遂げられるかを理解したんだ」
ですが、オールドトラッフォード(マンチェスターユナイテッド)ではそうはいかなかった。あなたのゴールで先制したものの、多くの故障者が出た試合です。
ペッレグリーニ「多くの悔いを残している。試合が終わると、答えの出ない問い掛けだけがたくさん残った。試合の前半にこれだけ負傷交代したことはこれまでなかったことだよ。しかもみんな重要な選手たちだ。ヴェレトゥ、スピナッツォーラ、そしてパウ・ロペス…。ヴェレトゥに至っては開始2分の交代で、これでぼくたちがこれまで準備していたゲームプランすべてが崩れてしまった」
マンチェスターユナイテッドとのセカンドレグの前にローマはモウリーニョ就任を発表しました。
ペッレグリーニ「あれはまるで雷に打たれたようだった。誰一人そんなこと予想していなかったんだからね!でもモウリーニョクラスの監督が来たことで、今オリンピコで毎試合観られる熱狂が生まれた。例えばさ、月曜日の夜にスペツィアと戦うとき、4万5千人ものファンが来るなんて鳥肌が立つよ!他のクラブでは絶対にありえないことだからね」
モウリーニョの就任と同時にフォンセカの退任が決まりました。フォンセカの2シーズンで記憶に残っていることはありますか?
ペッレグリーニ「ミステルは常に自身のゲームヴィジョンをぼくたちに伝えようとしてくれた。彼はぼくに多くの事を教えてくれたし、成長の手助けをしてくれたと思う。本当に感謝しているんだ。良い関係を築くこともできた。コッパイタリアのスペツィア戦や、その後に起こったパンデミックにより難しい状況にはなってしまったけど、フォンセカ監督なら、きっといつか彼にふさわしいプロジェクトと出会い、必ず成功すると信じている」
後編はこちら↓から
【2021年総括インタビュー】ロレンツォ・ペッレグリーニ 後編 https://t.co/cNB8SsILoH
— ASローマ速報⚡ROMANISMO official (@roma_sokuhou) January 2, 2022
ロマニスタのみなさん、今年もローマ速報を読んでいただきありがとうございました。個人的にもローマのモウリーニョ到着くらい激動の1年で、ぼくはサッカー業界に軸足を置くならばおそらくライターとしてだと思っていましたが、何故か今のぼくは、隣のデスクで毎日ヘッドコーチが試合を分析して、下の階から微かにフィジオセラピスタの施術による選手の悲鳴が聞こえてくるビルの最上階で働いています。
Excelの関数と3万アイテムの商品管理に終われた後、『人工芝のゴムチップがいつの間にか靴の中に入り込む』それが今の自分の仕事になりました。
これまで、誰も見ていないのにアホみたいに文章書き続けて、誰も観ないのにyoutubeの編集を徹夜でやって、日本でまだ浸透していないのにスタッツ分析をして、なによりローマを愛することを止めなかった。そのどれもがダイレクトに今の仕事に活きているので、皆さんに申し上げたいのは、絵の道を極めるのも、料理を追求するのも凄いことですが、極めようとすると頂点はひとつしかないけど、色んなことに関心を持っていれば、自分だけの仕事があるはずなので、全方位に関心を持って欲しいです。とりあえず関東1部リーグに関心を持ち追うというのもアリでしょう!
そんな訳で、ぼくは来年、ロマ速を通じて絵を描いている人、文章、音楽、映像、ゲーム、色んなスキルの人と親交を持ちたいと思っています。詳しくはtwitterを見てください(告知)
ということで、みなさま来年もよろしくお願いします!Forza ROMA!まだスクデットあきらめてないよ。
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