*煙草止めると太るといいますがサバティーニもややふっくらしました。
2013年辺りまでは、その審美眼とアルゼンチン・コネクションで多くのスタープレイヤーを発掘してきたカルチョの目利きワルテル・サバティーニだが、ローマを去った後、次に行ったインテルでt中国資本に翻弄され、いつしかメルカートに統計が重視されるようになると、気が付けば中堅クラブを渡り歩くようになっていた。しかし、彼が見つけ出した宝石に魅了されるサッカーファンは多い。エリク・ラメラ、ハヴィエル・パストーレ、ヨシップ・イリチッチといったスターを発掘して、ナインゴラン、サラー、ジェコ、エルシャーラウィといった選手をローマに連れてきた。
その彼の眼鏡に適った一人がフェデリコ・ファシオだ。セヴィージャ、トッテナムを渡り歩いた195cmの長身センターバックは、その見た目からは想像できない球際の冷静なテクニックでプレスをかわすと、ボールを持ち上がり、フォワードのようなシュートを披露した。ロッカールームでついたニックネームは『コマンダンテ(指揮官)』、ローマの守備が彼に託されていた時代があった。だが、その指揮官も今ではチームでポジションを失っている。昨夏はとうとう戦力外通告を受けたが、ローマの持ってきた移籍話に耳を傾けず、クラブとの確執の溝が深まった結果、9月には処遇を不当として裁判を起こしている。
この動向を窺っていたのがサバティーニである。彼は自身がローマで再生させたファシオの能力を熟知しており、まだこのトップカテゴリーで十分に勝負できると考えていた。そして、今年1月にサレルニターナのテクニカルディレクターに就任すると、すぐにファシオに移籍を打診した。当初ファシオは難色を示したらしい。彼の正義は、ローマを喜ばせずに6月に自由移籍することだったからだ。
しかし、サバティーニは、この複雑な交渉をどうやらまとめてしまいそうだ。彼は勝利を確信している。
「ファシオは喜んでサレルニターナに加わるだろう。彼は誇り高く約束を守る男だ。金額の問題ではなくあとは契約期間に関する解決を見つけるだけだ。我々が仮に降格した場合についても話したよ」
また、最新のニュースで、サバティーニはアトレチコ・ミネイロを退団したジエゴ・コスタをリンクしたと報じられている。彼の豊富なコネクションから、パストーレ、ディエゴ・ペロッティなど、ファンタジスタの名前も挙がっている。資金はあるのだろうか?問題ない。無能なクラウディオ・ロティートが去り、ナポリの実業家ダニーロ・イェルヴォリーノがクラブを継いだ。イェヴォリーノはeラーニングの分野で全国に60以上のオフィスを構えるオンライン大学の創設者。その彼は、サレルニターナに今シーズン総額3000万ユーロを投資すると言われている。すでに1000万ユーロの初期投資が終わっている。
サバティーニはサレルニターナが降格するなどまったく思っていない。クラブの公式会見でティフォージに強いメッセージを送った。
「私たちには選手が必要だ、戦争に備えるためのね」
ロマニスタであるぼくは、サバティーニに美しい思い出を残している。彼の新しい冒険が大成功であることを願う。
ただしローマ戦を除いては。
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