ローマは開幕2連勝、ユヴェントスは1勝1敗で、どちらもまだ失点がありません。どのような覚悟をもって敵地に赴くのか、モウリーニョ監督の前日会見の模様をお伝えします。それにしてもビッグマッチのモウリーニョ監督はとても饒舌だし、同じトリゴリアで観ている選手たちにも間接的に伝えていると考えると、勝率を上げるためにあらゆることをしている監督だと感じます。今夜は絶対勝とう!!!
いよいよユヴェントスとのビッグマッチがやってきます。ザニオーロ、ワイナルドゥムを除いた他の選手のコンディションについてお聞かせください。
モウリーニョ監督「まずはフォーメーションから話そう。明日はザニオーロの代わりにマティッチを起用する。あとは同じだ。開幕から2試合で6ポイントを得てこの一戦に臨む。これは私たちにとって本当に心強い実績ではある。しかし、あなたが言うようにザニオーロ、ワイナルドゥムについて考えなければならない。彼らを試合中に交代させられる豊富なオプションのチームではなくなったのだからな。そして、ビッグマッチとのことだが、これまでの前日会見で誰一人サレルニターナもクレモネーゼも試合についての質問がなかったのに、いきなり今日はビッグマッチですねときたもんだ。急に試合について訊くのだから、これは確かにスクデット候補とローマのビッグマッチなのだろうね。しかし、私にとっては38分の1の試合でもある。明日のプレーも37節にオリンピコでユヴェントスを迎え撃つのも同じ意味でしかない。ただ、すべては自分の見方次第で、良い試合であることは疑いようもない。こういった相手との試合はモチベーションを高めてくれるし、同時に非常にタフな試合になるのも間違いない。難しい試合だが最高のプレー環境だし、自分たちの力を見せたい」
先ほど終わったヨーロッパリーグ抽選会について感想をお聞かせください。
モウリーニョ監督「間違いなくタフな大会になるだろう。資金力、クラブの歴史を考えると、優勝できなければ大問題になってしまうようなクラブもいくつか参戦している。ただ一歩一歩前進するしかない。グループリーグは簡単ではないだろう。ベティスはスペインカップで優勝したし、素晴らしい監督の率いる良いチームだ。リーグも5位という好成績で終わっている。良いチームさ。ルドゴレツとは数年前に対戦しているが、ブルガリアリーグを制覇して、常に優れた外国人選手を持っている侮れない相手だろう。ヘルシンキについてはまだよく知らないが、北欧のクラブの躍進は目ざましい。ミッティランド、ボデ/グリムト、コペンハーゲン…数年前とは比較できないほど強くなっている。フィンランドでプレーするのは初めてなので、リスペクトを持ちながら、楽しみと好奇心を持って遠征に行くつもりだ。残念ながらまた人工芝のピッチになるので、グループの試合日程を待ちたい。初戦で当たるか、11月の対戦かで難しさは倍は違うと思うね」
過去にユヴェントスのティフォージから、あなたは他とは違う『歓迎』を受けると話していましたが…
モウリーニョ監督「スポーツなのでそこはあまり問題にはしていないね。さっきも話したが、私にとってはひとつのアウェイゲームであって、同じルーティーン、同じ準備、同じことをやるだけ。何も変わらない。ただ、トップクラブと戦うということは、私の気合もトップレベルだというだけ。インテル、ローマ、マンチェスターユナイテッドを率いて何度もトリノへ行ったが、明日はまた新たな一歩を踏み出すことになる。だから、もはや過去も未来も意味などない」
パウロ・ディバラは古巣に帰還します。彼にどのようなアドバイスをしますか?
モウリーニョ監督「何もないね。こういうことは選手個人のパーソナリティに起因している。古巣に戻ることがあまり意味のない選手もいれば、とても辛い選手もいるし、その両方の場合もある。パウロは顔こそあどけない童顔だが、選手としてはもう子供ではない。経験豊富なベテランだ。しかし、感情をどうコントロールするかは本人にかかっている。外から見ている限りこの数日のトレーニングでは特に変わったところは無かった。だからいつもと同じプレーを期待している。ただ、試合の前後は感情的になってしまうかもな」
ローマはユヴェントスの新スタジアムで対戦成績が良くありません。この事実は明日の試合でメンタルに影響を及ぼす可能性はありますか?
モウリーニョ監督「この試合はこの試合だ。過去の対戦とは関係ないし、次の対戦にも関係はない、午後6時半に始まり午後8時半に終わる独立したイベントだ。だから、過去に起こったことや、今後何が起こり得るのかにとらわれてはいけない。心理的な観点からも、私たちは可能な限り最高の準備をする。いいか?私たちはユヴェントスという質の高いチームと対戦するために敵地へ行くが、そこで落ち着きと自信に満ちたプレーをする。ローマは以前よりも成長したはずだ。ハードなトレーニングも積んできた。クレモネーゼ戦のあと、離脱者もありうまくいかない部分もあったが、自分たちの可能性について確信が持てるだけの準備はできた。うちの子たちは二日前から誰がスターターかを知っているし、あなた方も多かれ少なかれ漏れ伝わっているはずだ。これは大げさな話じゃない。勝つためだ、私たちは勝つために行くのだ」
ディバラのコンディションについてお聞かせください。
モウリーニョ監督「ディバラはこの2年、何度か怪我をして、継続性を欠き、プレシーズンも他の選手より遅れて準備を開始した。この夏も加入が決まるまでひとりでトレーニングをしていた。それを考慮しても良くやっている方だよ。クレモネーゼ戦で交代させたのは、オリンピコのピッチコンディションでプレーするのが難しかったからだ。あれではポルトガルのビーチを走るようなものさ。彼を常にチェックしているが、協調性もあり、自分の資質をチームの為に発揮している。彼には満足しているし、この瞬間ディバラ以上のものはないとも思っている」
明日はまだ失点をしていないチーム同士の対戦となります。ユヴェントス対ローマは素晴らしい守備戦となるのでしょうか?それとも素晴らしい攻撃の試合となるのでしょうか?
モウリーニョ監督「失点が少ないチームに対して『守備が良い』という考えは世の中で間違われている解釈のひとつだろうね。失点をしないのは守備がすごく良いのではなく、良いチームプレーの強いチームなんだ。ただしまだ2試合が終わった状態だ。大げさに考えるのはやめよう。明日は0-0で終わるかもしれないし、4-4で終わるかもしれないが、それはさておき、失点が少ない安定したチームは概ね質の高さがあることは間違いない」
昨シーズンのユヴェントス戦後、あなたはこの敗戦でローマの進むべき道が判ったと話しましたが、現在2勝を挙げてローマの進むべき道は見えているのでしょうか?
モウリーニョ監督「昨シーズンその話をしたのは、私たちが勝つためにそこに行き、負けたのだと言いたかった。チームは良いプレーをしたし、それで進むべき道は判ったが結果には満足していない。1年後の今日、私は前回と同様か、それ以上のアティチュードをチームに期待している。しかしたら負けてしまうかもしれない。それでも、試合をせずに1ポイントやるからローマに残ってモンツァとの試合に備えろと言われても、そんなことを望んでいるわけじゃない。ローマはユヴェントスのスタジアムに行き勝利を目指す。もし負けたら?負けは負けだ。しかし私たちは勝つために行く」
ローマとユヴェントスの試合ではPKになる確率が高いのですが、明日はもしそうなれば誰がPKキッカーになりますか?
モウリーニョ監督「明日のキッカーはもう決めている。毎試合、その週のトレーニングや選手たちのPKの傾向を分析して決めている。明日については決めている状態だ。私たちには4,5人のPKキッカーがいる。これからユヴェントスのGKは20時間かけてその4,5人を研究することになるだろう」
だからこそすでに分析されているディバラが蹴ることはないのでは?
モウリーニョ監督「なぜ?彼ならこれまでと違うキックをするだろう」
フェリックスは招集されますか?
モウリーニョ監督「いいや、フェリックスは招集外だ。移籍する可能性が非常に高まっている。怪我のリスクを避けたいし、フェリックス自身も精神的に難しいだろう。だから招集を見送ることにした」
<了>
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