冬の補強は上手くいったが、この3試合勝ちなしの状況でチームは浮上の兆しがない。ホームでカリアリを迎えるローマは、政府のプロトコルに従い、これまでの満員の客席とは程遠い5000人のファンの前でプレーする。明らかに守備的に入るであろうチームに、ローマは前に出ていく必要があるが、中盤でボールに釣られてスペースを空けてしまうローマの悪癖を指摘した記者に、モウリーニョ監督はどのように考えるべきなのか答えた。運命の22節は日本時間で今夜2時。これを読んで試合に備えて頂きたい。
明日の試合は順位以上に大きな試練となる可能性があります。
モウリーニョ監督「同感だ。彼らは現在18位ではあるが、経験のあるチームで、シーズンの終盤までそこにいるとは思えない。良い監督がいて、勝ち点を拾う方法を見つけている。私の記憶が正しければ、彼らはオリンピコでラツィオを破っている。つまり、敵地で格上に対して良い結果を残す力があるという事だ。一方これは私たちにとっても重要な試合だ。ローマはこの2試合で負けているし、直近3試合で1ポイントしか積んでいない。明日勝利して4試合で4ポイントは不十分ではあるが、今のローマにはベストの結果ともいえる。とにかく過去を忘れてこの試合に集中したい。みなさんも容易に想像できるだろうが、あのような形で負けた後は(*ユヴェントスに3-1から逆転された)、仕事の内容だけではなく、モチベーションの上げ方、次の試合に向かう勇気を持てるようにすることが大切だ。しかし、スタジアムにはその背中を押すファンはいないだろう。ファンの為に良いパフォーマンスを見せたいというのが、選手のモチベーションに繋がっているが、明日のオリンピコはかろうじて5000人の入場は許されてはいるものの、ファンの不在は感じるだろう」
セルジオ・オリヴェイラが中盤底に入るというシステムを採用しますか?またリゴーレについてお伺いしますが今季これまで4回中3回リゴーレをミスしています。オリヴェイラがPKテイカーになる可能性はありますか?
モウリーニョ監督「ポジションはこれから決めなければならない。誰がキッカーを務めるかは議論していない。今週私たちは、セルジオとエインズリー・メイトランド=ナイルズを戦術に組み込めるように取り組んだ。ただ、彼らだけではなく、6ヵ月一緒にやってきて、戦術的観点からまだ完璧にほど遠い選手もいる。まず最初の質問から答えるならば、セルジオのような選手をこの冬にレンタルで獲得できるとは思っていなかった。なぜならば1月の予算も、セルジオの市場価値も知っているし、ポルトはヨーロッパリーグを戦っている。放出するなど考えられなかった。だから、ピントGMから、セルジオ・オリヴェイラを連れてくることが可能だと聞かされた時、すぐにイエスと答えたんだ」
モウリーニョ監督「私が彼をローマに欲しかったのは、セルジオがイタリアで言うところのレジスタだからとか、チームを改善できるミッドフィルダーだからといった理由だけではない。セルジオは私たちが必要としているキャラクターとメンタリティを持つクラブで経験を積み、それをピッチで表現していることから、すぐにローマにとって貴重な選手になると感じたからだ。現在私たちは、このような移籍のアプローチで日々改善を繰り返している。1月末が市場の最終日であることを考えると、早い段階で2人を獲得できたのは、チアゴ・ピントGMの功績だといえる。彼は評価に値する仕事をした。私たちは7ヵ月、右サイドバックをカルスドルプ一人でやってきた。だから、彼が使えないときは、それが常にチームの大きな問題となっていた。メイトランド=ナイルズは左サイドのみならず、中盤3枚を助けることもできるし、セルジオは中盤ならばどのシステムでもどのポジションでもこなせる。彼はディフェンスの前でフィルターになるタイプではないが、それ以外の事はすべて可能だ。彼らが到着したことで、選択肢が増えた。シーズン後半戦で出来る限り遠くへ行きたい私たちにとって本当に重要な選手だと思うよ」
エルシャーラウィのコンディションはどうでしょうか?
モウリーニョ監督「今日の会見は事務局から14時で頼まれたからこの時間なのだが、トレーニングがこの後行われるので19時に答えられるような質問に回答はできないね。現在エルシャーラウィはチームトレーニングから外れている。この後、トレーニングに参加するようならば、そこで召集を考えるが、その代わりにプリマから数人呼ぶ可能性もある。ステファンが使えれば間違いなくベンチに置く。でもその確信はない」
他に誰が外れますか?
モウリーニョ監督「それは言えないな。私たちとトレーニングしていない選手ということになる。今日なぜ17時からのトレーニングにしたのかと言えば、ギリギリまで選手に時間を与えて、リカバリーの状態を確認するためだ」
レオナルド・スピナッツォーラはすぐに復帰できるだろうか?また、戦術的な質問ですが、チームが被ポゼッションの時にボランチがボールに引っ張られて動く傾向にあります。ユヴェントス戦のディバラのゴールの際も、同じシチュエーションで誰も彼に気が付きませんでした。それは、あなたの戦術の範疇なのでしょうか?
モウリーニョ監督「説明しよう。私は彼らがやっていることの真逆を常に要求している。深い位置にポジションした場合、対角線にいるもう一人の選手を見るように話している。ハイプレスとブロックを下げることは同義ではない。ブロックを下げるならば、ゾーンで守って相手を誘導してサイドでプレスを掛ける。その際、空いた対角線のスペースを見るのが約束事だ。本来もう一人が中央のカバーリングをしなくてはならないという意味で、私たちがやるべきことの真逆だったと言える」
*プレスを意識する余り、全員がボールに釣られて中央でディバラをフリーにしている。
モウリーニョ監督「スピナッツォーラについては…まず昨年8月に年内11月には復帰できると言ったのはどこのバカなのか知りたいものだ。もしかしたら士気を高めようとしたのかもしれないが、そんな数ヶ月復帰できるような怪我ではなく、年内復帰の可能性はゼロに等しかった。彼が怪我をした時から、私はスピナッツォーラを使えないものとして考えてきた。シーズンは5月まで続くから、それまでに戻ってきたらローマにとってボーナスのようなものだ。あれほどの重傷から回復するのは、簡単なプロセスではない。しかし、毎日レオと話していて――彼は少し苦しんではいるが、復帰に向かって着実に近づいているんだよと伝えている。あなたの質問は理解できる。だが、私たちは冷静にリハビリを行いたい」
ユヴェントス戦後のあなたのコメントはチームにどのように伝わりましたか?
モウリーニョ監督「選手たちはしっかり受け止めたと思うよ。確かに気分は良くなかったのかもしれないが、改善したいと考える人や、私の経験したものを信じてくれる人に対して、常にオープンでポジティブなものになる。会見で話したことは全て選手個人にも話した。それは彼らが求めていたからだ。うちの子たちは批判を気にしないし、不満も口にしない。だから一緒に仕事をして楽しいんだよ。みんなオープンな関係なんだ。ユヴェントス戦を例に挙げるならば、3失点した時間帯に私たちは1度しかファウルしていない。もし私がピッチにいたならば4回はファウルを貰っていただろうね(*本来もっとファウルで止めなければならない時間帯に相手の勢いに押されていたという意味)。つまり、私たちは少し繊細なんだよ。セルジオ・オリヴェイラは私たちの事を非常によく理解していて、グループのクオリティについて話しているが、自分が渦中にいればそこで起こることすべてを理解することは難しいだろう。どんなに経験豊富な選手でさえまだ30歳にすらなっていないんだ。選手たちは全員まだ学んでいる最中なんだよ。だから時間もかかるし、忍耐も必要になるんだ」
ローマ対ユヴェントスは、結果が70分までの良いプレーに影を落としてしまいました。この一週間、どのようなことを中心に仕事をされたのでしょうか?
モウリーニョ監督「70分までの良いプレーに影が落ちる?なるほど。確かに君たちにとっては影が薄まったのかもしれないが、中で働く私たちには関係ないね。後日に行われた45分のミーティングで、35分私たちが話したのは、あの素晴らしい70分のプレーについてだ。7分間の悲劇よりも、70分やってきたことをチームで分析した。確かに結果は重要だが、ボールマネジメント、プレッシング、後半の入り方など多くの事が70分でうまくいった。これを全員で再認識した。カリアリに関しては、私はマッツァーリをよく知っているが、それは彼も同様だ。彼らはおそらく1ポイントを取りに来るが、そのような戦い方をするチームに対して準備は出来ている。彼らは残留の為に勝ち点を拾う必要があるが、私たちもまた彼らを必要としているんだ。ファンがスタジアムにいようがいまいが勝つための準備はできている」
<了>
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