今夜行われるセリエA第2節はローマのホーム開幕戦であり、ディバラの残留が決まった直後ということで、本当に凄まじいムードに包まれるだろう。開幕を引き分けていることから、今夜は絶対に勝利して、首位グループに追随していきたい。
パウロ・ディバラの移籍騒動は意外な結末を迎えました。彼が残留したことは、あなたのチームにとってどのような影響を与えますか?また、ローマがスターティングイレブンを完成させるにはまだ遠い道のりなのでしょうか?
デ・ロッシ監督「メンバーを揃えるまではあと1週間ある。現時点で結論を出すのは時期尚早だろう。パウロの状況はちょっとしたエモいジェットコースターだった。明日は全てのロマニスタが俺たちを応援するし、この騒動の前からシーズンパスを更新してくれていたファンも多いから、彼らもどんな状況でも応援してくれたはずだ。ロマニスタたちはいつでも味方なんだよ。パウロが移籍を決断した後のリアクションを見ていた。巨額の中東オファーを断るなんて、今のサッカー界ではあり得ないことだ。今や彼はローマ最高の選手のひとりであり、ロマニスタは彼がチームに示した愛情に基づいて残留を決心したとみなすだろう。この業界ではあまりないことさ。普通ではまずあり得ない。だからみんな誇りに思っていい。みんなが英雄に示した愛情の結果なのだから」
エンポリにはこれまでと違うディテールがあります。オラ・ソルバッケンが所属しており、監督も新しくなりました。現時点の彼らを研究するのは難しいと思いますが、どのような戦い方を予想しますか?
デ・ロッシ監督「なぜ研究が難しいと?」
監督が変わり、選手が入れ替わったからです。
デ・ロッシ監督「なるほどね。まあ、そうでなくても対戦相手の研究は簡単じゃないよ。ロベルト・ダヴェルザのことは知っている。彼がチームに何を求めるのかも。エンポリはタレント豊富なチームだし、幾つかの理由から開幕戦のモンツァとのドローは参考にしていない。タフな試合になるはずだ。というよりも、ここ最近ずっと残念に思っていたことがある。それはローマのプレー内容が全く話題に上らなかったことだ。俺たちはこの夏、サッカーバブルに乗じて自分たちのチームを確立することができたし、それは簡単な仕事ではなかったが、だからと言って明日の早朝からエンポリについて考え始めたのでは遅い。移籍のゴタゴタもあったが、数日前から俺たちはエンポリ戦について取り組んでいる」
デ・ロッシの4-3-3はどのような形になるのでしょうか?ドフビクの背後にスーレ、ディバラの南米コンビを並べますか?
デ・ロッシ監督「それだと4-2-3-1に近いかな。俺の考える4-3-3はちょっと違っていて、両側のアタッカーがタッチラインまで張り出すイメージだ。でもそれだとパウロのスタイルとは違うから、彼が出る時はシステムを変える必要があるかもね。当然スーレにも違う仕事を頼むことにはなる。2人の同時期用は以前から話してきたが可能だ。優れた選手は誰とでもプレーできる。当然スーレが出てディバラが出ないこともあれば、その逆だってある。2人とも才能豊かだが、才能に恵まれた他の選手たちもいる。ボールを足元に置いて輝くヤツもいれば、オフザボールで才能を発揮するヤツだっている。俺は各試合ごとに最高の11人をピッチに送り出そうと思う」
張り出すという話ですが、今後他にワイドでプレーする選手を獲得するご予定は?
デ・ロッシ監督「4-3-3のワイドで言うと、ディバラ、スーレのほかに、ザレフスキとステファン・エル・シャーラウィがいる。ジョアン・コスタという有望株もいるね。バルダンツィはもう少し中央でプレーする選手だ。ボックス・トゥ・ボックスのタイプだが、俺は彼のスタイルが気に入ってる。まあ様子をみてみよう。それに獲得するにはスペースを空ける必要がある。人数的にも金銭的にもだ。ユヴェントスは他の選手を獲得するためにスーレを売却しただろ?ただ、来週からは「様子をみてみよう」なんて俺は言わない。もう時間はないし、誰が残るのかハッキリするはずだ」
あなたとクラブは退団希望の選手を公式戦に出場させないことに決めたのでしょうか?カルスドルプはなぜチームから外されたのでしょうか?
デ・ロッシ監督「クラブが俺に選手を外せと言ってきたことはない。もちろん、退団が決まっている選手はトレーニングや試合には使えない。これは負傷によって合意した契約が複雑にならないようにする処置だ。他のクラブから戻ってきた選手はピッチでの働きと取り組む姿勢により評価された者たちだ。戻れなかったベロッティ、ソルバッケン、ダルボエは一緒に働き、本来はローマで一緒に戦うに値したと思う。ただし、姿勢だけではなく戦術面も考慮しなくてはならない。カルスドルプに関しては俺の計画には入ってない。それは今後も変わらないだろう。その考えをクラブは理解して支持してくれた。リックは俺の元同僚で、友人だが、幾つかの理由で俺たちと一緒に続けるのは正しくなかった」
クラブが「カルスドルプをチームに戻せ」と言ってきたら?
デ・ロッシ監督「であれば俺はそうするし、指導もする。彼が素行不良だったという事実はないが、俺がこの決断に至ったのは、戦術面と、技術面に加えて、彼の性格に理由がある。この決断については俺が全ての責任を負う。彼は優れた選手であり、他のクラブで活躍するに相応しいと思っている」
ディバラには試合数に応じた契約の自動更新があります。クラブから出場数を管理するようには言われましたか?
デ・ロッシ監督「いや、俺が条項について考えることはないな。どこかでその話を読んだ気もするけど、そもそもそんな契約内容かどうかも俺は判らない。事実として彼はローマの重要な選手ということだ」
ディバラは昨年ほどはチームの中心人物ではなくなる可能性はありますか?
デ・ロッシ監督「今回の移籍騒動の前から、俺たちは何度も話し合っている。俺の考えを話して、彼の考えも聞いた。何が好きで、何が好まないかもキッチリ話し合った。なぜなら、俺は人と直接話したいタイプだからだ。現役時代から俺は自分の考えは監督、選手に直接伝えてきた。それが常に正しいとは思わないが、俺の気持ちはすっきり晴れる。俺が何も言わず、他のルートから当人が知ってしまったら、それは俺がはっきりしていなかったということだろう」
では昨シーズンどうように主力として・・・
デ・ロッシ監督「俺にとっては全員が主力だ。他の選手と同様にディバラはコンディション次第で起用を考える。彼はプレシーズンに合流してから、結婚式(※7月20日にパートナーのサバティーニさんとの挙式をあげた)の日を除けばトレーニングを一度も休んだことがなく、常にハードな練習ができている。そういう意味では彼を他の選手と同じ目線で評価すべきだろう。当然、対戦相手、試合内容、難易度、相手の戦術などによって変わってくるだろうが、基本は他の選手と同じように管理、評価していく。彼はトッププレイヤーなのでベンチに置けばそれだけ周囲も騒ぐことは理解しているが、俺は次の試合を見据えて、何が正しいかを判断したい。すべてはローマの為におこなわれる」
<了>
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