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【おはようメルカート】ジェコの移籍に怒りのモウリーニョ

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昨晩のメルカートは久しぶりにローマにとってこれぞ!とヒリつくものがあり、結局朝まで寝ずに動向をチェックした。*以降の表記は全て現地時間

8月10日の昼。ジェコの奥さん、アムラさんがトリゴリアに挨拶に来た。アムラさんは、ローマが持つ慈善団体の取り組みにリーダーとして積極的に参加してくれたり、ジェコが何度か移籍を希望した際(そう、これが初めてではない)、ローマに残るように説得してくれたり、ファーストレディとして、選手の奥様会を開いたり、とにかくロマニスタからすれば感謝しかない。そんな彼女がクラブハウスにやって来たのだ。これは誰にとってもジェコとの別れを想像させた。ローマは17時からチームトレーニングが予定されていたが、ジェコはあと数時間のうちにミラノへ行き、インテルとサインをするというミッションに集中しているため、そのトレーニングには不参加であろうというのが大方の予想だった。

インテルは本日中にジェコの獲得を発表したかった。その発表の後、モナコに滞在しているルカクはロンドンに飛び、チェルシーとサインするという段取りだったからだ。しかし、この交渉が複雑化して、一旦ブロックされると、15時過ぎにジェコはトリゴリアに練習にやって来た。理由はもちろんまだローマの選手だからである。
Il ROMANISTA紙によると、この一連の行動にモウリーニョは激怒していたのだという。そして、クラブはジェコをチームトレーニングから外す決定をした。結局、この日の彼は個人トレーニングをして19時にトリゴリアを後にした。正門前には20人のファンが待っていた。来た時は車の窓を開けてファンサーヴィスしたジェコだったが、帰りはそのまま走り去っている。
モウリーニョ監督がなぜ怒ったのか。それは、これまでクラブフロントや自分と何度も話し合って、ローマ残留を願い出たのが他ならぬジェコだったからだ。彼は、選手の食事会で、アントネッロ・ヴェンディッティのクラブアンセムを全員で歌うようにチームメイトを盛り立てて、ローマへの忠誠心を示した。メディアのマイクに対して「移籍の話をするのは疲れた。頭の中にはローマしかない」と答えた。いつの話か?僅か2週間前だ。しかし、ベティス戦の前夜、そのジェコがクラブに移籍を志願したのである。モウリーニョは元キャプテンをプレーさせなかった。その混乱がこの試合で4人の退場者を出したのかもしれない。

こうしてローマの眠れぬ夜が始まった。かつて、モンチもペトラーキもこの時期は自宅に帰れないとこぼしていたが、この夏帰れないのはチアゴ・ピントGMだ。彼はすぐにリストをチェックして、フィオレンティーナのヴラホヴィッチを思い浮かべた。しかし、ヴラホヴィッチは既に6000万ユーロの男で、イタリアのクラブには手が出ない状況になっていた。そこで、第一候補に考えたのがタミー・エイブラハムである。ローマはチェルシーと有効な関係を維持していた為に、この交渉は好意的に受け入れられた。前金で500万ユーロ、そして残り3500万ユーロを3年分割で打診すると、チェルシーからは概ね問題は無いという回答があった。
だが、そこでひとつ問題が発覚した。エイブラハムはアーセナル行きを希望していたのである。そこで、ピントは賭けに出る。移籍金を5年分割にして、総額を4500万ユーロに引き上げたのだ。この申し出を受けて、チェルシーはローマに交渉権を与えた。つまり、クラブ間合意成立で、あとは選手を口説いてくださいということである。これが昨日までの大まかな流れ。

モウリーニョ監督は、エイブラハムに直接電話をして、ローマに来ることがどれだけ重要な機会になるかを伝えた。ここで彼がローマを受け入れたならば、ジェコは冒頭に書いた個別トレーニングをパスしてミラノ行きの飛行機に乗り、ルカクは今頃チェルシーのユニフォームを着ていただろう。

カリスマから直接出場機会の確約を取り付けたエイブラハムだったが、ローマへの返答を12日のUEFAスーパーカップの後に先延ばしした。これにより、ローマは先にジェコにミラノ行きを許可した。ピントGMは急遽ロンドンへ飛んだ。そして、ジェコは無事メディカルチェックを終えて、ネラッズーリのスカーフを手に記念撮影を終えていた。

これでローマのジェコは消えた。以前も書いたかもしれないが、もちろんぼくは怒っている。でも、それは移籍したことではなく、6年過ごしたクラブに対して、ファンに対して、あまりにも不誠実だと感じたからだ。いつもその調子だった。コンテの時代にもシーズン中にインテルと個人合意を取り付けたことがあった。旅先で投稿したインスタで青と黒のハートをあしらった。

これはただのメルカート、単なる移籍だとクールに捉える人もいるかもしれない。その通り。お前らにとってはな。だったら気が済むまでマスターリーグでもやってなよ。現地のロマニスタは(おそらくイタリアのサッカーファンは)、クラブという存在を支持しているのであって、ジェコもペッレグリーニもジャンニーニも、一時期契約しているだけに過ぎないと考えている。原理主義的だ。しかし、それだけに契約の短い期間にクラブに忠誠を誓える選手、それを姿勢で示せる選手は尊い。だから、そういう希少な選手が、クラブではなく、自分たちにとって重要だと感じるのは当然のこと。でも、これが単なるメルカートなのであれば、それは選手が札束に見えているだけだ。今クールでいることに、冷静でいることになんの価値もない。もちろん無意味に声を荒げてはいけないが、それでも必要な時に怒り、必要な時に手を貸して、必要な時に悲しみを表現できなければ、ぼくにとってロマニスタでいる意味なんてない。

ぼくはジェコに怒り、悲しみ、許し、愛することを6年間続けてきた。そのサイクルが悲しみで止まってしまうことは残念でならない。

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