AS ROMA
1927年に設立されたイタリア、セリエA所属のクラブ。正式名称はAS(アッソチアツィオーネ・スポルティーバ)ローマ。クラブハウスのフルヴィオ・ベルナルディーニは一般的にはトリゴリアで呼ばれている。クラブカラーのジャッロロッソ(赤と黄色)はクラブの愛称で、そのサポーターをロマニスタと言う。
ホームはスタディオ・オリンピコ。クルヴァスッド(南のゴール裏)にロマニスタたちは集結する。
現在のローマの礎を築いたフランコ・センシ氏が会長になったのは1992年。その翌年にフランチェスコ・トッティがデビューした。センシ会長の元でローマは大きく飛躍し、ビッグクラブの仲間入りを果たした。2000-20001シーズン、トッティ、中田英寿、ガブリエル・バティストゥータを擁したチームは3度目のリーグ優勝(スクデット)を獲得する。2008年にフランコが病気で会長職を退き、娘のロゼッラがその後を継ぐが、2011年に経営難からアメリカ人投資家グループにクラブを身売り。2012年5月に投資家の1人、ジェームス・パロッタが会長(~現在)に就任した。
2019年6月、シャフタールドネツクを率いていたポルトガル人監督パウロ・フォンセカの就任が発表されている。
バンディエラ
ローマは2019年の時点で、3度のスクデット、9度のコッパイタリア、2度のスーペルコッパを勝ち取っている。同じ国内のビッグクラブと比較して、お世辞にも華やかと言い難いクラブ記録ではあるが、ローマには他のクラブにはないバンディエラという伝統が今も息づいていている。
バンディエラとは、イタリア語で『旗』の意味。ローマ出身で、ローマの下部組織からトップチームに上がり、長い間カピターノとしてプレーをして、ファンから愛される選手を指す。彼らは、現代のヨーロッパサッカーでは絶滅危惧種のワンクラブマンであり、時にお金よりも愛情でクラブを選ぶその姿にロマニスタたちは誇りを感じるのだ。
フランチェスコ・トッティ。そして惜しまれながらも2019年5月に退団したダニエレ・デ・ロッシ。そのバンディエラの系譜はこれからも受け継がれていくだろう。
バンディエラの火は消えない――それは、ローマが伝統的に優れた下部組織を持っているからだ。トップチームの勝敗に一喜一憂するだけでなく、下部組織の未来のトッティ、未来のバンディエラを探すというマニアックな楽しみ方もローマの大きな魅力のひとつとなっている。
ローマのライバルは?
ローマのライバルチームといえば、同じ都市のクラブ、ラツィオという認識が一般的だ。同じ都市に複数プロクラブがあれば、どちらが強いか決めようぜと考えるのは自然で、それが都市対抗のローマとラツィオの通称ローマダービー(Derby della Capitale)と呼ばれるものである。
このメンタリティはどの国のファンにも伝播して、一週間前ともなればダービーで話題が持ちきりになる。
参考資料:2019年現在の対戦成績
引用元:wikipwdia
イタリアに限った話ではないが、現地ローマのファンのごく一部には暴力的なグループが存在するのを隠さずに書いておきたい。彼らは日本人のぼくたちと同じローマを愛するサポーターには違いないが、その行き過ぎた愛情で排他的な思想を持つケースがある。またそれは政治的な思想と結び付けられたりもする。
しかし、日本からローマ応援する最も大きな強みは、そいういったローカルな揉め事、しがらみ、政治的思想から切り離してロマニスタでいられることで、それは我々異国のロマニスタが現地のイタリア人よりも圧倒的に勝っているメンタリティである。
ゆえに、ローマ速報では、他のクラブに対する政治的、宗教的な発言は一切認めていない。純粋にビッグマッチを楽しみ、ダービーを楽しむ。勝ったらラツィオに大きなさよならを言おう。そのかわり、負けたら彼らの発言を甘んじて受け入れる勇気は必要だ。
歓喜と絶望が隣り合わせ、それがローマダービーなのである。