昨日はスモーリングの移籍が内定したり、フリードキン会長、副会長がトリゴリアを訪問したりと、トピックが多かったのですが、最もぼくに衝撃を与えたのはパリ・サンジェルマンがアレッサンドロ・フロレンツィ獲得を考えているというニュースでした。
国内外のクラブが関心を持ちながらも、具体的な移籍交渉まで話が進まなかったその背景には、本人がローマと対戦したくないという考えや、イタリア代表に選ばれる為のクラブというフィルターが存在していたからで、さらには29歳で300万ユーロの高額年俸もネックとなっていた。チームコストを下げるというフリードキン体制下で、構想外の選手にそれだけのギャランティを払う事は不可能で、この条件に合致するクラブとして、パリ・サンジェルマンが挙手したという経緯があります。
パリのトーマス・トゥヘル監督は昨日「ローマからフロレンツィが私たちのグループに加わることをついては楽観視している」と発言しており、既に交渉が本人の承諾を待つ最終フェーズに突入したことを示唆しました。
今年の1月にフロレンツィがローマを出ていき、それが代表に選ばれる最後の挑戦だというのは判ってはいたし、彼自身キチンと監督と話し合い、自分のポジションに競走のチャンスがないのだと理解した上の出発だったのも判ってはいますが、ぼくはフロレンツィを応援しつつ(それは当時のローマ速報を読めば判ると思います)クラブの困難な時期に出ていくという決断は、ロマニスタとして許し難いとも考えていました。
最近ぼくが頻繁に書いているけれど、パロッタ期のローマは、会長がローマを訪問しない、ロンドンに住む相談役がその会長にアドバイスをする、副会長もスポークスマンの役割を果たしていない、(ペトラーキの言葉を借りるならば)クラブ内に不穏分子がいたという歪なストラクチャーで、ここでサッカーに集中する為には、少なくともフロレンツィというリーダーの存在が不可欠だったはず。
そこから立て直し、新システムを確立して来季ヨーロッパリーグの出場権を得たのは誰のお陰か?その答えは・・・ぼくには判らない。しかし、少なくともローマにいた人たちのはずです。
こういった状況を鑑みて、フロレンツィの移籍は、1月から続く物語のひとつなのだろうと思っています。ブルーノ・ペレスとフロレンツィは同じサイドアタッカーでもタイプが違いますから、今季ローマで使って欲しいという気持ちは当然あります。しかし、このポジションはブルーノ・ペレス、スピナッツォーラ、サントンと層が厚く、フロレンツィ自身左サイドに適正がない事から、残留しても低い序列からのスタートは覚悟しなければなりません。
フロレンツィはローマの子であり、それはロマニスタにとっても、ぼくにとっても同じです。完全移籍前提のクロトーネで活躍して、ローマに呼び戻された話は、トップチームを夢見るプリマヴェーラの子供たちにとってはシンデレラストーリーです。将来再びローマのユニフォームを着ると確信しています。ローマはいつの時代もその可能性を残すクラブです。
それにしても日中は暑いですね。皆さんも体調管理に気をつけて生活して下さい。ぼくは声優のASMR動画を鑑賞するという新たな生きがいに目覚めましたので、当分はまともではいられないと思います。
コメント
代表もそうですが、今の年齢で構想外は腕章に相応しくないという思いもあったのでは思っています。
WBが彼の適正ポディションだと考えていたので、また移籍するとすれば非常に残念です。
ですが、PSGであれば彼の為にも、今後のローマの為にも意味を持つかもしれないと少しだけ期待しています。
Messさん
今最も美しいストーリーはローマの新スタジアムで凱旋するフロレンツィですね。確かにWBは一度見てみたかった。