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【パジェッレ】セリエA第6節:ラツィオ3-2ローマ

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【採点前のお知らせ】シーズン序盤の諸々に関してアンケートを実施しています。ぜひ回答よろしくおねがいします。アンケートに回答するのは、自分の考えが日本のロマニスタとどれほどの違いがあるのか、自分の立ち位置を知る意味でとても重要な統計となります。もちろんぼくも常に更新の判断基準にしています。ぜひ積極的に回答お願いします。


・Rui Patricio 5.5

枠内シュート4本の内3本を決めさせてしまったのは正直痛いが、どれも完全に崩し切られた上での敵の絶妙なシュートだったので、失点に関してはフィールドプレイヤー全体の責任の方が重いか。強いて言うなら1失点目に関してはもう少し彼だけの努力で防げる可能性があった気もする。特に敵のP.Reinaが素晴らしい動きであっただけにより悔しい結果になってしまったのではないか。

・Karsdorp 5.5

通常右方向に流れてくるPellegriniの不在もあり、いつもとは違うプレースタイルで積極的に縦方向への楔のパスを意識したプレーが目立ったが精彩を欠いていた。もとより少し巻いたグラウンダーまたはローパスでのアーリークロス以外は、ずば抜けた攻撃センスの選手という印象は無いものの、昨年克服したスタミナ問題の次はこういったパスの精度等に改善が見られればもう一段上の選手になれると感じさせられる手痛いレッスンとなった。

・Mancini 5.0

Pellegrini不在の中キャプテンとしてデルビーに登場したが、十分にキャプテンシーを示せたとは言えない。少なからず全ての失点シーンに絡んでしまったが、特に印象が悪かったのは完全に数的有利の状況下でもImmobileを捕まえ切れずに速度を保ちながらラインを下げてしまった点で、結果論にはなるがもう少し強く当たって仮にファールになっても止めて欲しい場面はいくつもあった。また3失点目に打ちひしがれている姿は(それこそ失点時に堂々とされても困るのだが)、もう少しキャプテンとしてチームを鼓舞して欲しいなと感じた。

・Ibanez 5.5

1点目のセットプレーからのヘディングは美しく、終盤に見せたF.Andersonとの1対1等は見応えがあったが、最初の失点の場面でもImmmobileからのプレスよってビルドアップが雑になりボールを奪われたことがスタートなので、失点シーンそのもの以外でも精彩を欠くプレーが多かった。

・Vina 5.0

これでも若干甘めの採点かも知れないと言いうくらいに、クリティカルな穴になってしまっていた。F.Andersonとのマッチアップは確かに苛酷なミッションであったが、それにしても判断の曖昧さと身体の弱さが目立った。ただそれでも3失点目をくらい失意に打ちひしがれるManciniとIbanezを立ち上がるように促したシーンは彼自身の諦めない姿勢は今後に生きてくる様に思える。暫くはSpinazzolaが帰ってこないことは確定なので、着実な成長を期待したい、と言うか成長して貰わないと困っちゃうんです…。

・Cristante 5.5

特に1失点目は(本人はVeretoutにマークを受け渡したつもりとは思うが…)Milinkovic-Savicを見る役目は彼の役回りであったはずで、フリーにしてしまった罪は重い。それ以外にもVeretoutとのマークの受け渡しが上手く行かず、中盤にフィルターを効かせることが出来なかった。主に中盤以降の攻め立てる時間帯ではピッチ中央で一旦状況を交通整理する役目を務めたが、それ以上の活躍も乏しく、全体として守備面での貢献の薄さが際立ってしまった。
私と似たような感覚の批評があったので記載。こんなことならDiawaraにもチャンス与えてくれ!!!!

“開始15分では彼のヘディングで北側のファンを震え上がらせ、その後はボールロストやDiawaraを悲しませるような守備範囲の狭さで南側のファンを震え上がらせた。後半は不安感は軽減されたが、チームに自信がを与えることが出来ず、推進力を目にすることも出来なかった。” (by Leggo)

・Veretout 6.5

試合序盤のシュートが良かったので、良い感じで今節は攻撃に絡めるかと思ったが、なかなかそう上手くはいかなかった。しかし、得点シーンも含めCKの精度がとてもよく、PKも昨年に引き続き安定して決めてくれ、チームとして試合を通して流れの中での得点が1点も無かったのでこれは有難い。但しマッチアップの多い筈であったL.Albertoに対して殆どフィルターが効かなかったのは、彼だけの責任ではないにしろ正直痛かった。

・Zaniolo 6.0

多くのイタリア紙に比べると大分辛口の採点になっているが、個人として特別厳しい点数とは思っていない。復帰後では最もいい試合であった事も、素晴らしいシュートやPKの獲得等瞬間瞬間の輝きを放った事も事実だが、試合を通した継続性の無さと、何より判断の遅さが致命的で彼から生まれたピンチもいくつもあった。完全な状態で無い事により自身の想像と身体が嚙み合わず、その所為で味方にピンチを招いしてしまっているのが実に歯がゆいので、スタミナを強化と試合勘の取り戻しで何とか本調子を取り戻して欲しい。その兆しは既に見えている。

“勢い、質、フィジカルの面で脅威を与えていた試合だった。ゴールポスト叩き、ペナルティを獲得し、3-3とする目前まで近づいた。しかし彼が疲れを訴えた際に、ローマもまた白旗を掲げた。” (by Il Corriere Della Sera)

・Mkhitaryan 5.5

中央で様々なタスクをこなそうとしたがあまりに全てにおいてイマイチになってしまった印象。普段であればPellegriniが右寄りにAbrahamが左寄りに位置取るが、これが普段の慣れからか左寄りに位置取る場面が多く、普段のバランスを維持できなかった。両WGやAbrahamとの挟みに行くような敵DFへのプレスもあまり見られなかったが、その分L.Leivaを徹底的にマークしていた様にも見えたので、これは若干普段と攻め方を変えていたのでは無いかと思うが、どちらにせよ最終的にAbrahamにゴールの機会を演出できなかったのは残念。

・El Shaarawy 5.0

良い意味でも悪い意味でも「途中出場の方が活躍しそう…」と思ってしまった。やはりスピードとドリブルでの前への推進力が魅力な選手なだけに、敵との疲労度の差がある方がより輝き易いなと感じたのと、現状のRomaのリズムの作り方において左サイドのプレスを任せるのは少しタイプ的に不得意(これはZanioloも同様だが…)なのではと感じた。これはチーム全体の問題でもあるが、前方にスペースのある場面でボールを持てなかったのも痛かった。

・Abraham 5.5

いくつか良いラストパスは出せていたものの肝心のシュートを打つ場面が無かった。普段のような前線からのプレスを殆ど仕掛け無かったが、これは戦術的な問題な気もした。どちらにせよ重要な試合でエースとしての役目を果たせなかったのは辛い。

・Shomurodov 6.0

後半途中からビハインドの場面での出場ではあったが、30分と限られた時間の中で良いシュートや積極的なチェイスが見られたのは良かった。プレシーズンの活躍を知っているだけに、もう少し長い時間のプレーが見たいのですが、監督、もう少し出場機会貰えないでしょうか…?

・Smalling 6.0

やはり対人戦が強いので、被カウンター時に深い所でボールを保持した敵FWと見合った際には、スターターの他のDFと比べて安心感がある。3back専門とも思えないので、体力面に問題が無いのでああればスターターでも見てみたいところだが、今後監督のファーストチョイスを奪えるか。

・Carles Perez 5.5

完全に燃料切れを起こしたZanioloと入れ替わる形でピッチに立ったが、普段よりも仕掛けが思う様にいかなかった印象。そもそも3back時の明確な決め事や崩しのアイデアがしっかりと浸透しているのかは不安である。

・Zalenwski 6.0

父親のご不幸があった中での出場と、実にMourinhoらしいチームへの鼓舞の入れ方だが、下部組織出身の彼がこの重要なデルビーに出場できたことは今後への大きな投資となるであろう。まずは今シーズン初出場おめでとう。これからも数々の困難に向き合う事にはなると思うがめげずに頑張って欲しい。

・Mourinho 5.5

チームの大黒柱を失ってのこの重要なデルビーとは実に不憫ではあるものの、試合への入り方を間違えたように思えてならない。良く彼が言う「今後に繋がる1試合の負け」で言うと、ここまで我慢してきたZanioloに復調の兆しが見えたことは怪我の巧妙か。ただ控えメンバーに対しての極端な信頼感の無さが戦術・選択を狭め、選手の疲労も蓄積している気がしてならず、もう少しターンオーバー含め柔軟に色々な選手を使って欲しい。

総評

縦軸横軸共にコンパクトに保ち鋭いカウンターを狙うLazioに対し、Romaは攻撃のアイデアに不足し崩し切れずに苦しみ、逆にカウンターにはまるで対応出来ず敗れた。と言うのが試合の大枠であろう。
あくまで私の推察だが、そもそも今節は通常の試合程前線でのプレスは仕掛けない試合プランであったのではないかと思っている。そう考えた理由としては、連戦の疲れもあるであろうが、AbrahamとMkhitaryanのプレスが如実に少なくAbrahamはいつになく相手のDFラインでふらふらとしていたこと、そしてこちらもいつになくKarsdorpが縦への楔のパスを意識していた為である。
この憶測・仮説を前提に考えた時に合点がいくのは、そもそもEl ShaarawyとZanioloはここ最近のスタミナと選手特性を考えてもハイプレスに向く選手ではなく、4-4-2の形でのハイプレスをこの試合で諦める選択自体あり得なくは無そうな点で、その際これまでのRomaの守り方では無く中盤をマンツーマン気味にVeretoutがL.Albertoを、CristanteがMilinkovic-Savicを、MkhitaryanがL.Leivaを見張ることで、タレント揃いの敵の中盤を機能不全に陥らせながら、ショートカウンターで速度のある両WGとAbrahamにパスを供給しようとしたのではないか。
実際には前線でのプレスを放棄気味にしたことで敵の両CBが自由にビルドアップに参加できてしまっていたのと、絶好調であったL.Albertoが上下に動きを繰り返しディフェンスラインにまで顔を出しボールを貰いに来ることで、Veretoutのマークから消えフリーで前線にボールを供給できるようになってしまっていたことにより、中盤は見事に敵のカウンターの起点とされてしまった節がある。実際にL.Albertoの交代後はShomurodovがしっかりとプレスをかけ、Zanioloを中央に寄せMkhitaryanの攻撃タスクを軽くすることで、中盤において負ける形が少なくなっていた様に思える。
また守備面では個々の能力面で、Roma左サイドにおいてはVinaがF.Andersonとのマッチアップで好き放題されており、完全に数的有利な守備時においても全くImmobileをCB陣が掴み切れず、正直これは相当厳しかったと言わざるを得ない。終盤のマッチアップを見ると、最初から守備的な左SBとしてIbanezを、そして中央に対人戦に強いSmallingをスタートして投入していればこの様な守備崩壊の事態は共に避けられたようにも思える。

多くの識者が「攻撃組織の構成には守備組織の構成に比べて時間が掛かる」と言うが、現状私にはまだどちらも組織として十分に仕上がっているようには見えない。攻撃面は積極的な大型投資により獲得したタレントの個の力でこれまで誤魔化せているに過ぎず、守備面も新規獲得したGKが孤軍奮闘の活躍をしている以外は昨年踏襲で、これまでの格下相手では何とか事足りていただけのことである。
Smallingの中央起用もそうだが、その為にはKumbullaを交代枠として信頼する必要がある。ただ現状Mourinhoは極端にスターター以外への信頼が薄い印象があり交代枠も使い切らないので、選手の疲労蓄積も考慮し、現在ベンチを温めている選手たちの活用法ももう少し考えて頂きたいなと改めて感じた。


採点者:くわしん

小学生の頃にバティストゥータに憧れ、丁度その時ローマに中田がやって来た為にローマに触れる機会が多くなりロマニスタに。好きな現役選手はDiawara。思い出の試合は2012年にオリンピコで観戦したコッパ・イタリア決勝でのラツィオへの敗戦。大学時代にF1のコースエンジニアを目指してイタリアに留学。イタリアにおける高卒認定相当の資格を持っている。好きな選手のタイプは稲場愛香みたいなタイプ。

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