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【2021年総括インタビュー】ロレンツォ・ペッレグリーニ 後編

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前編はこちらから↓


あなたが怪我で参加できなかった夏のユーロ2020でイタリアは優勝しました。代表チームのメンバーの歓喜はどのようなものだったのでしょうか?

ペッレグリーニ「ずっとチームメイトたちと連絡を取り続けていたんだ。ピッチの上でもよく知る彼らをファンとして応援したから(優勝は)なおさら感慨深いものがあった。特別な空気が流れているような…説明するのは難しい感覚だよ。この大きな目標の為に、ぼくたちは3年間のハードワークを必要としたんだってね」

この大会ではレオ・スピナッツォーラがアキレス腱断裂の大けがを負いました。その瞬間どのように感じましたか?

ペッレグリーニ「(試合を観ながら)妻と食事をしていたんだ。すぐにこれが重症であることは理解した。ピッチに倒れて泣いている彼を見て胸が張り裂けそうだった。ぼくはすぐにローマの医療スタッフに連絡して、何か最新情報がないか確認を取った。レオは選手としてだけではなく、人としても素晴らしい。きっと前よりもずっと強くなって戻ってくるはずだよ」

7月にモウリーニョが到着して、チームはすぐにポルトガルでプレシーズンの準備を開始しました。その際、モウリーニョのチームへの関わり方で印象に残っていることは?

ペッレグリーニ「ただひとつのことにしか興味がない、それこそぼくのモウリーニョ監督の好きなところだ。つまり『勝利』さ。監督は勝利の為に努力し続けることにしか興味がないんだ。そして、ぼくも同じものを望んでいる。ぼくは25歳で、ローマの選手で、そして勝利したい。今やっているすべてはその目標を達成するためで、ぼくはひとりの選手として勝利したいし、1位で終わりたい。モウリーニョ監督は選手、スタッフ、ファン、ローマにいる全ての人たちが必要としていた存在なんだ。監督は絶好のタイミングで、完璧な選択をしてローマにやって来てくれたんだよ」

カピターノとしてプレーシーズンを過ごしましたね。新しい選手も入ってきました。

ペッレグリーニ「本当に良い経験をさせてもらったと思う。ぼくはピッチの外では静かな男だけど、ピッチに入ればそれが5人制サッカーであろうと、テニスであろうと、ボールキープの練習であろうと勝利しなきゃ気が済まない。チームメイトに多くを要求するけど、それは大事なことだと思う。ぼくはトレーニングの重要性を信じているんだ。試合とは、平日に練習した通りのプレーをするものだと思っている。一週間練習したものを表現するためにフィジカルや集中を保つことが重要なんだよ。そのメンタリティを仲間に伝えようと思っているんだ」

今シーズン、オリンピコにファンが戻ってきましたね。

ペッレグリーニ「最初はファンの不在を本当に実感したよ。苦労したと言ってもいい。プレーの後のファンの歓声や、ゴールを決めたあとのセレブレーションは、一度経験したことがあるものにとってはこれ以上にない喜びだ。だからスタジアムにファンがいなくなると、ぼくたちはプレーする理由を失ったように感じたよ。でも離れていてもぼくたちを応援してくれているという事に気が付いたけどね」

ローマの新シーズンはあなたのゴールで始まり、開幕公式戦6連勝で幕を開けました。

ペッレグリーニ「あのときはものすごい熱意を持っていたよ。そして、今でも当然同じ熱意を感じている。それは決して失ってはいけないものだし、勝利だけではなく、このグループが継続的に成長することでもたらされるものだと思う。サッカーの歴史を作った監督と、ぼくたちと同じくらいローマを愛する新しいオーナーと、毎日トリゴリアにやってくる仲間たちで、新しいサイクルをスタートさせた。全員の目標は、常に向上心を持ち、20年に一度じゃなくて、常に優勝争いができるチームを作ることなんだ」

しかし、その6連勝のあと、いくつかの浮き沈みを経験しました。ですが、外から見ていて今のローマはそれでも団結するグループです。大きな敗戦でもチームの絆が切れないように見えます。

ペッレグリーニ「敗戦は本当にメンタルに来るよ。だけどね、どんな敗戦の後でも、ロッカールームは悲しみや怒りで満ちているのを見るのは良いことだと思う。そうあるべきなんだ。ぼくたちには複数のリーダーがいる。それこそが団結の秘密だと思ってる。つまり、誰かが必ずリーダーシップを執ることで、困難な状況でも正しいバランスを保つことができている。これはぼくたちが持ち続けるべき資質だよ」

オリンピコのインテル戦はその困難な状況の最たる例だと思います。チームの負けがほぼ決まっている中で、特に最後の10分間、ロマニスタたちはチームに大きな声援を送り続けました。

ペッレグリーニ「それがあの夜唯一のポジティヴなものだった。ぼくと同じようにスタンドで観戦していたファンにとって、あの敗戦は本当にヘヴィだったに違いない。残念な結果だったけど、あのようなことが起こったときは、すべてを分析して、改善する方法を見つけるしかない」

また、ヨーロッパカンファレンスリーグでもボデ/グリムトに6失点の大敗を喫しました。

ペッレグリーニ「ノルウェーでの敗北の深刻さは、ここにいる全員が理解している。もう2度とあのような事態にならないように、ぼくたちはあの敗戦を心に刻むべきだ。ときに負けることだってある。でも、あんな形で負けるなんて有り得ない。彼らにはオリンピコでも苦しめられたけど、できるだけポジティブに捉える必要があるよ。ぼくたちはグループを首位で通過して、ベスト16にストレートインしたのだからね。そして、今はこのまま大会を全勝で終える夢を見ている」

その後ローマは、アタランタ戦で勝利したものの、サンプドリア戦のホームで引き分けて少し失望感のある2021年となりました。

ペッレグリーニ「ベルガモでは、自分たちよりも上位で、先を歩いている強いチームとも互角に戦えるぞという意識が芽生えた。一方でサンプドリアでは、手の届くところにあったチャンスを失った。良くも悪くも、この2つを課題として年明けからリスタートするしかないよね」

今年はプリマから5人の若手がトップデビューしました。あなたもプリマを経て、デビューから7年目です。カピターノとして同じプリマ出身として、彼らはどのように映っているのでしょうか?

ペッレグリーニ「自分も通った道だから彼らの気持ちはよくわかるんだ。だから普段から気になったことがあれば、ちょっと声を掛けたり、アドバイスしたりして彼らをバックアップしている。総じて言えるのは、トップチームにやってくる若者たちはみな献身的で全力を尽くしてくれる。それがぼくの求めているものだということだよ。若手には多少のミスに対する許容も必要だ。そして、それに見合うだけの日々の努力も必要だ」

では最後の質問です。2021年で最も大きなニュースは、あなたがローマと契約延長したことです。それは何を意味して、また何を表しているのでしょうか?

ペッレグリーニ「サインした後にも話したけど、ぼくにとって契約延長は単なる形式でしかない。頭で考えても、心に従っても、ぼくは常にローマにだけ集中していた。自分が育った、自分の街のクラブと繋がっていることを誇りに思っている。このキャプテンマークは試合中だけではなく、日々のトレーニングで選手たちや、トリゴリアで働くすべての人たちに対して、敬意を示さなければならない責任あるものだと思っている。それがローマのカピターノだと強く信じているんだよ」

<了>

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