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【メルカート総括会見】チアゴ・ピントGM「誰もが他の可能性を捨ててローマに加入した」

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昨年に続いて今年もチアゴ・ピントGMがメルカートの総括記者会見を行いました。予想した以上に長い会見でテキストにするのが久しぶりにめちゃくちゃ大変だったので、ひとりでも多くのひとに読んで頂きたいところ。みなさま拡散よろしくお願いします!
他のクラブがどうかは判りませんが、ローマはこういったクラブフロントが記者会見を開きます。これで夏の噂の答え合わせができたり、クラブの方針や真意を知ることができるので、SNSで断片的な情報を仕入れることの多いロマニスタたち(もちろん自分もそのひとりです)にこそ届いて欲しい、刺さって欲しいと思っています。


この夏はローマにとって素晴らしいメルカート(移籍市場)となりました。トップレベルの経験を持つ選手たちの即席チームを作り上げたと思います。今こそ、このチームにはタイトルを争う義務があると言えますか?

ピントGM「この3か月は大変な時期を過ごしてきた。一緒に働いているスタッフたち、そして大変な仕事をしてくれた広報部の社員たちにもお礼が言いたい。チームを改善することが夏の目標だった。ただ、即席チームと言われるのは納得いかない。あなたがそう表現するのは自由だけどね。ローマは現在セリエAで4番目に若い選手層のチームだ。しかし、私が2年前に入社したときはそうではなく、セリエAで最も平均年齢が若かった。フェリックス、ザレウスキ、ダルボエ、ファティカンティ、カラミティシスといった若手選手を組み込むことは当時のチーム戦略のひとつだった。同時に、若手に賭けることも必要だが、ディバラ、ワイナルドゥム、ベロッティといった完成された選手も含めてバランスが必要となる。チームは強化されたが、これは移籍だけではなく、モウリーニョ監督のリーダーシップも関係している。監督によって若手を育てて飛躍させる事ができた。今季は、明らかにトッププレイヤーが増えたことから、昨シーズンよりも好成績を残せることを期待しているが、タイトルについては語らない。毎回話しているが、まだ開幕したばかりなのに来年の5月のことを考えることはできないからだ。移籍市場を制すれば、試合をも制すると考える人がいるのは理解しているが、重要なのは日々の仕事で、そこに焦点を当てるべきだと私は考えている。ベロッティが昨日話したように、まずはすべての試合に勝てると信じなければならないし、それを日曜日のウディネーゼ戦から始めなければいけない」

この夏、ザニオーロの売却はありませんでした。実際にはどの程度退団に近づいていたのでしょうか?そして契約更新の状況についてもお聞かせください。

ピントGM「正直なところ、ニコロは退団には近づいてはいなかった。これまで怪我で2年を棒に振り、昨シーズンは回復のシーズンだった。今はさらにコンディションが良くなっている。彼はまだ若く、ローマで幸せで、うまくやっている。チームに多くのものをもたらしてくれるはずだよ。今は脱臼を治すことだけ考えなければならない。契約についてだが、30分前に代理人のヴィゴレッリさんに電話してこう伝えた。「そろそろ契約更改の打ち合わせを始めないか?じゃないとまた新聞にあれこれ書かれることになる」ってね。まあ、ニコロに関しては心配はしていない」

FFPなど難しい時期を経て、移籍金を払わずにこれだけの選手を集めることは困難だったはずです。これはモウリーニョ監督の功績なのでしょうか?それともフリードキンズのプロジェクトの賜物なのでしょうか?

ピントGM「私の考えでは、基本的に功労者はモウリーニョ監督とオーナーだと思う。この2年で彼らがローマでこれまでと違うものを築き上げようとしてきたことは明らかだ。また多くを語らないが、オーナーもクラブに対して正しい考えを持っていると証明してくれた。選手獲得だけでなく、環境改善すべてにおいてね。私はローマが以前より魅力的になったと思うよ。そして移籍に関しては、モウリーニョ監督が他の監督よりも選手を魅了しているのは間違いないし、それを利用しないのは愚かだと思うね。モウリーニョ監督に憧れる20代の若者は多いよ。様々な決断をするときに、モウリーニョと働けるという事実は重要なファクターとなることは間違いない。また、監督がこの夏の移籍に積極的にかかわってくれたのも事実だ。だから客観的に見ても、この夏の功労者はモウリーニョ監督とオーナーだよ」

そして交渉を進めたあなたもそのひとりです。

ピントGM「それが私の仕事なんだ」

現在のメルカートは買い難くなったのか、それとも売り辛くなったのでしょうか?

ピントGM「良い質問だね。選手たちが到着すると誰もが熱狂するが、どちらかというと私たちの仕事は売却面にフォーカスすることが多い。この夏57件の移籍案件を処理したが、正直に言えば、放出にはあまり満足はしていないんだ。昨年夏に自分の仕事に7.5をつけたのは甘すぎた。ティラナのあとで多少正当化されたところもあるが、今年は同じ轍を踏まないようにしたい。この夏は自分に点数をつけることはしないよ。思えばサッカーは日々変化するもので、今日は素晴らしく、明日は史上最悪もあり得る。誰もが自分の意見を持っていて、この夏みなさんが、私が良い取引をしたと考えていくれたとしても、私はもっとやれただろうと不完全燃焼なところもある。またその逆で、もっとやれなかったのかと言われても、自分としてはうまくやれたと感じる瞬間もあった」

6月、ローマの移籍市場はやや停滞しているように見えました。ネマニャ・マティッチだけが到着し、その後元プリマのダビデ・フラッテージをサッスオーロから高額で獲得することが目的だったように思われました。ですが突然ローマのアプローチは変化した。パラメトロ・ゼロに切り替わり、ディバラ、ベロッティらを獲得しました。なぜそうなったのでしょうか?

ピントGM「これは非常に知的な質問だ。私たちにはスポーツ戦略と、財務戦略がある。優先すべきは、チームを向上するために何をすべきか理解することだ。そしてそれを可能にするために財務アプローチが必要になる。その点でこれらは表裏一体だ。しかし、市場が開いた後、私はこれまでのように『買うために売る』というやり方では目標を達成できないことにすぐに気が付いた。メルカートは三か月と長丁場だが、その間欲しい選手の為に売れるのを待つのではなく、他のアプローチでチームを強くできる可能性を模索した。もちろん従来のアプローチも評価されなければならない。ヴェレトゥが去りワイナルドゥムが来た。またフェリックスが去ってベロッティが来た。そういった事実も軽視できない。購入義務付きレンタルで獲得する方法もあるが、その場は助かるが、次のスポーツディレクターやクラブがその代償を支払うことになる。そんな問題を残すことが私の仕事だとは思えなかった。だからパラメトロ・ゼロに舵を切ったんだ。戦略は常に複雑だ。でもあなたの分析は正しいものだよ。フラッテージについて話をすると、正直セリエAのローマ以外の選手で一番好きな選手だ。私は彼がカンピオナートでも代表でも最高のMFのひとりになると思う。しかし、私たちはメルカートの文脈で話をする必要がある。まず私が相手のクラブに行き、欲しい選手について尋ねる。彼らは私に希望する移籍金を伝える。それを私は尊重しなければならない。そこで重要なのは、そのためにローマがメディアを利用することはないということなんだ。今日お越しの誰ひとりとして、私がフラッテージについて話しているのを聞いたことはないだろう。すなわちそれは私がサッスオーロとしか話をしていないからだ。彼らは自分たちの価値観を提示して、我々はそこに合わせることができなかった。その際、一方が報道陣に話をしてしまうと、すべて彼らのイニシアチブで交渉が進んでいるように見えてしまう。再度言うが、サッスオーロのクラブ運営は優秀で、フラッテージも素晴らしい選手だと思う。ただね、200万、300万ユーロの交渉に1か月も費やすやり方は私の好みではないんだ。相手が金額を提示して、ローマに資金があるかどうか、なければ次のステップに進む、ただそれだけ」

パラメトロ・ゼロ路線で進むのであればソルバッケン(ボテ/グリムト)の交渉が再開する可能性もあるのでしょうか?

ピントGM「ソルバッケンについては、もう他のクラブと契約したと新聞で読んだ。あなた方の誰かが、彼がヴェラ・スチュワート病院(※ローマの病院だがナポリも使うことがある)でメディカルチェックを済ませたと書いていた。でもまだどこともサインをしていないなら挑戦する価値はあるかもしれないね」

先ほど次のスポーツディレクターという発言がありましたが、あなた自身の契約更改も話題に上がっています。そちらの交渉はどうなっているのでしょうか?

ピントGM「いやはや、その質問は予想していなかった(笑)私はローマで幸せだ。ここに来るために、生涯の心のクラブであるベンフィカを離れてきたんだ。私はオーナー、監督とうまく調和しているし、私の心を動かすのはお金ではなくアイデアや一緒に働く仲間が原動力だと思っている。それに私の契約は2024年まで残っていて、今すぐに更新する必要はないし、選手ではないので更新を求める必要もない。自分の将来に何ら疑いはないし、あとは周囲の評価次第だね。ただ、その質問は嬉しいけど答えることはできないな」

どういった案件が難しかったでしょうか?またこの夏の移籍で後悔しているものは?

ピントGM「私の後悔は常に売却に結びついている。選手を売るために素晴らしい計画を立てても、選手が行きたがらなければもう何もできない。その点で、この夏そういったことが2,3度起こったのは後悔だろう。クライファートの件は、彼の責任ではないが移籍そのものはもっとうまくやれたはずだ。私はスポーツディレクターだが、ひとりの人間でもある。すべての交渉には感情面からもそれぞれに物語がある。パウロ・ディバラを獲得するために、トリノのホテルに4日間カンヅメ状態になったのも簡単なことじゃなかったけど、それでもどれが難しいと順番をつけることはできない。なぜならば、ローマに来た選手たちは皆他の可能性を捨ててきたからだ。全員がそうだ。そして、それは何かしらの意味を持つと思っている」

あなたは多くの取引が成立したと言いましたが、アンテ・チョリッチとウイリアム・ビアンダについてはどうでしょうか?

ピントGM「まだ諦めたとは言ってない(笑)ベルギー、トルコ、ギリシャでは市場が開いている。チョリッチとビアンダの解決策は見つかってはいないが、二人とも過去の文脈の犠牲者で、この夏に移籍先を探してあげたいと思っている」

ベロッティの契約はなぜ1年間で2年のオプションなのでしょうか?どのような経緯、理由があるのでしょうか?

ピントGM「いくつかの契約は本当に柔軟に対応をしてきた。必要に迫られての柔軟性ではあるが…。だが、最も重要なのは、すべての選手が移籍を受け入れたということで、それは全員がローマに納得していることを意味する。単数年契約で2年のオプションか、2年契約で1年のオプションをつけるかはそこまで重要じゃない。交渉の話は言えないことも多いけど、ベロッティはローマで数年に渡りプレーすることになるだろうね。だから契約年数は問題じゃない」

ブライアン・クリスタンテやレオナルド・スピナッツォーラの契約延長については進展があるのでしょうか?

ピントGM「私の記憶が正しければ、昨年タミー・エイブラハムと契約した際も、同じ質問があったと思う。確かに契約満了が近づけばそれについて説明する義務がある。そうだな、クリスタンテについては、私もクラブも彼に関してどう考えているのか、クリスタンテ自身知っているはずだ。彼は偉大な選手であり、偉大なプロフェッショナルで、ローマでプレーを続ける正しい資質を持っている。私としても彼が残れるように最大限努力するつもりだ。しかし、彼らについては少し時間を置きたいね。前回も大変だったんだよ。この話をした途端、代理人たちが一斉に電話をしてきて「そろそろ契約について話し合おう」と迫ってくる。少し休ませて欲しいね(笑)」

<了>

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