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ラニエリ監督「美しい寓話の裏には良い仕事があるものだ」

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かつての頼れる仲間が最大の敵として立ちはだかる。
これは映画や漫画などでは使いふるされた手法だが、それは現実となった。昨シーズンのローマを救った男が次節敵のピッチサイドに立つ。ローマ専門紙は、マラッシで待つラニエリを『最愛の敵』と実に巧い表現をしている。

とはいえ、サー・クラウディオはローマに手土産を持たせるつもりはない。いまひとつ上昇気流に乗り切れないローマ、テーブルの底から垂れる糸を見上げるブルチェルキアーティ。ローマを愛し、ローマを知り尽くした、いやサッカーを知り尽くした、我々の愛するマエストロとの一戦は今季最初の大きな試練となるだろう。

待つのは歓喜か、はたまたセリエの洗礼か。

ラニエリ「まずはこのチームを指揮する機会を与えてくれた会長に感謝したい。私はローマのティフォージだが、サンプドリアは常に私に対して好意的だった。90-91シーズンに彼らがスクデットを獲得したときは私も嬉しかったし、チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)の決勝で負けたのはとても残念だったよ。私も決勝の地、ウエンブリーで観戦していたからね。サンプは常に私に親密なクラブなんだ」

──これはレスター寓話の再現になるでしょうか?

ラニエリ「素敵なおとぎ話の裏には素晴らしい仕事があるものだ。今は一歩ずつ進まねばならないが、サンプドリアはファンに夢を与えねばならない。なぜならば、これがチームの真価ではないと確信しているからだ」

──ローマ戦の日はミステルの誕生日です。選手たちからはどのようなプレゼントを期待しますか?

ラニエリ「プレゼントの必要は無いさ。誕生日にローマと戦うのは素晴らしい。しかし一度(ひとたび)ピッチに足を踏み入れたならば、私を奮い立たせるのは愛ではなくプロ意識だ。最高のチームが勝利すべく、私たちはベストを尽くそうと思う。正直に言うと、サンプからのオファーには驚いたんだよ。膝の手術をしたばかりだったからね。これは予期せぬサプライズで、良い治療薬になると感じたね(笑)ブルチェルキアーティを代表できるのはとても光栄なことだよ」

──どのようにサンプドリアを目覚めさせるのでしょうか?

ラニエリ「監督を引き受けたのは、対戦相手としてこのクラブの選手たちを知っていたからだ。彼らがこの場所にいるのは理解できない。最下位には相応しくないチームだと確信している。まずはチームに自尊心を取り戻したい。もしも選手たちが自己犠牲精神を持つならば、私たちは何者にも劣らないだろう。私はピッチに出て戦いたい11人を選ぶ。フォーメーションや戦術は最後に考えるものだ」

この就任会見の前にフェレーロ会長は、ラニエリを呼ぶべきかトッティとカッサーノに相談したと秘話を語った。よりによってこの2人という感じもするが、ローマ人が最後に頼るのはローマ人とは、これまたらしい話はある。

最後に、今回のジェノヴァミッションについてラニエリはこう語った。

ラニエリ「最下位のチームを建て直すのは簡単ではないが、私のキャリアはいつも困難だった。大切なのは困難に直面して、克服する方法を知ることである」

ロマニスタはどのクラブのファンよりも愛情深いと、ぼくは胸を張ってここに言い切る。引用の必要はない。狼は狼を知り、狼は恩を忘れぬ動物だからである。ぼくたちはサー・ラニエリと彼のチームを決してリスペクトし過ぎずに、敬意を持ち、勝利を惜しみなく奪わねばならない。

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