AS Roma | Wednesday, 8. July 2020 | Parma Calcio 1913 |
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2:1
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goals | |
0 : 1 | Juraj Kucka 9. / penalty (Andreas Cornelius) |
1 : 1 | Henrikh Mkhitaryan 43. / right-footed shot (Bruno Peres) |
2 : 1 | Jordan Veretout 57. / right-footed shot (Henrikh Mkhitaryan) |
ぼくは今夜、偉大なローマを観た。
前日、暫定5位に浮上したミラン、数時間前に勝利したナポリ、これを落としたらヨーロッパリーグ圏外へ落ちる・・・。ローマには大きなプレッシャーが掛かっていた。
オリンピコにもかかわらず、チームは白のセカンドユニフォームを着ていた。敵地の気持ちで戦えよという意味だったのかもしれない。その右袖にはイタリア語で『ありがとう、マエストロ』の文字。これは2日前の7月6日に亡くなった映画音楽界の巨匠(マエストロ)、エンニオ・モリコーネを追悼するスペシャルシャツでもある。ローマ生まれのモリコーネは生涯ローマファンだった。
当初2トップの噂もあったが、そこまでシステムはいじらずに3-4-2-1の並び。しかし、人員はドラスティックに入れ替えてきた。イバニェス、クリスタンテ、マンチーニの3マンディフェンスには多くのロマニスタが驚いたはずだ。攻撃的なミッドフィルダーであるクリスタンテにディフェンダーが務まるのか?そんな不安は早々に現実となる。
開始6分でボックス内のコルネリウスの袖を引いて倒したとして、クリスタンテにジャッロが掲げられてしまう。得たリゴーレをユライ・クツカが落ち着いて決めて、4試合連続で追う展開となった。しかし、今夜のローマは勝利を信じていた。前半終了直前に、パルマボックス内で、相手がロストしたボールを、ブルーノ・ペレス高速グラウンダーでセンタリング。うちのイケメンことペッレグリーニが、ボールをまたいでスルー、中央のミキタリアンがダイレクトで打つと、ボールはキーパーの手を弾いてネットに吸い込まれた。
後半もローマのターン。久しぶりにフォンセカサッカーの絶対条件とも言える組織的なプレッシングを楽しむことができた。ネガティブトランジションで5バックに可変した後もボールホルダーにきっちりアプローチして行く。そんな事すら今年のローマは出来なくなっていた。なるほど、それではフォンセカ監督の目指す戦い方が出来なくて当たり前だ。そして、56分にはカウンターから、またしもミキがボールを保持する。アタッキングサードで数人を引き付けてから、手薄な中央にボールを出すと、飛び込んできたヴェレトゥが、ロングレンジから巻いたシュートを決めた。パスは凡庸だが、シュートにはどこか光るものがある。ストロートマンのような選手になるかもしれない。
パルマもにわかに火力を上げて、サインプレーぽいフリーキックから、マンチーニのハンドを誘発したものの、これはもはやNO VAR。ローマも徐々に流れを手繰り寄せてハーフコートマッチの様相を呈してきた。
そして、追加タイム6分をやり過ごして、終了の笛はフリューゲルホルンのように高らかに鳴った。間違いなくぼくたちのローマは戻ってきた。ピッチに倒れ込んだマンチーニと、しゃがんで笑うスピナッツォーラを観て、彼らがどのような覚悟と決心で、このプレッシャーを跳ね返したのかを理解した。
ちなみにこの試合は個人的にも思い出深い一戦になると思う。なぜならば、socios.comの企画で、如月がオリンピコのLEDビジョンに登場したからだ。この屈辱の3連敗で、復調のきっかけすらなさそうに思えたローマを観て、ぼくはずっと自分に腹が立っていた。一緒に戦いたいのに、なぜチームの側にいる事ができないのか。こんな時こそチームに寄り添うファンになる方法はないのだろうか。ぼくは彼らと共に戦い、共に苦しみ、時に一緒に敗北をしたいだけなのだ。
オリンピコに間抜けなツラした東洋人が映ることで、0.001%でも選手に勇気を与えられないか、見知らぬ日本人が応援する姿を観た選手たちがモチベーションを取り戻してくれないか、そう思ってこの企画に飛びついた。この企画はいま自分ができるローマへの精一杯エールとなった。だから負けも引き分けもぼくは一切想像しなかったんだ。
Daje roma、キミを疑ったことなんて1度もない。たったひとつの大きな愛。ぼくはこれからもローマと共に生きていく。
コメント
ローマデビューおめでとうございます!久しぶりのナイスゲームでしたね。
タラレバ考えると気分が落ちてしまうのですが、如月さんを見習って目の前の試合に一喜一憂することでローマのある生活を楽しもうと思います。
それにしてもモリコーネさんは残念ですね…HATEFUL EIGHTのサントラを聴きながらつくづく自分の好きなものはローマと縁があるなと感じています
tacuさん
ローマデビュー笑 みなさんのおかげです!
それにしてもナイスゲームでしたね。
勇気を示した試合で、勝敗が二の次とは言わないけれど、ぼくたちは勇気あるプレーを観たい。それが映画やドラマと同じ感情をサッカーが与えてくれる部分だと思っています。次も勇気あるプレーが観たいですね。