【FBref データで読み解く】ASローマ・シーズン前半大解剖
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セリエA第24節:ミラン(H)

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AS Roma Sunday, 28. February 2021 AC Milan
1:2
goals
0 : 1 Franck Kessié 43. / penalty  (Davide Calabria)
1 : 1 Jordan Veretout 50. / right-footed shot  (Leonardo Spinazzola)
1 : 2 Ante Rebić 58. / left-footed shot  (Alexis Saelemaekers)

メディアによる辛辣な言葉が並んだ。
パウ・ロペス――黒歴史、ファシオ――時代遅れ、ペッレグリーニ――確変終了・・・

この試合で最もターニングポイントになったのはハーフタイムだろう。ミラン対ローマは言い換えれば、ピオーリ対フォンセカといった、実際の駒よりも、それを動かす知性が決め手になる試合であり、実際ジェコがいようが、イブラがいようがあまり関係ないといった雰囲気だ。それだけに、前半の戦局を読んでハーフタイムでどれだけ修正を加える事ができるか、その監督の先読みが重要だが、ピオーリ監督は後半頭にブラヒム・ディアスを投入してヴィジャールに当ててきた。どのクラブの監督も、今年に入ってからのローマを研究すればヴィジャールを抑えに行くというアイデアが有効なのはわかるはず。ベビーレジスタは、数人で囲っても止められないエレガントなテクニックを持っているが、それでもミランクラスの選手ともなれば話は別だろう。おそらく、次のフィオレンティーナも同じようにヴィジャールをマークするはずだ。

パウは90分安定したプレーが出来ず、リゴーレの際にゴールに立つ意味もない。ファシオも序盤は熟練のムードを出していたが、プレーからそこはかとなくロートル感が漂う。何かを学ばないのであれば出ていった方がお互いの為だ。ペッレグリーニの確率変動も終わった。次のインモービレの誕生日になにをプレゼントするのか考えていたに違いない。3ポイント以外なら好きにすればいい。

 

参考までにビッグクラブとそれ以外を期待値と実得失点でグラフにしてみた。このグラフでは、ビッグクラブの定義を20119-20のEL圏内6クラブとしている。期待値についての説明は以下の通り。

ローマのもっと詳しいスタッツを知りたい場合はこちらをご覧頂きたい。

期待値には主に、ゴール期待値(Expected Goals)、アシスト期待値Expected Assists)、失点期待値(Expected Goals allowed)などがあり、これらは選手個人の能力などは考慮せずに、その特定のアクションの質を、最大値1(=100%)で割り当てたものです。

例えば、ゴール期待値(Expected Goals)というのは、あるシュートがゴールに結びつく確率を指します。これは距離と角度、当てた体の部位、パスの種類、プレーの状況(セットプレーかオンゲームか)、人の位置関係、攻撃の状況の統計値に各データサイト独自の要素を加えた平均値で、数字が大きければそれだけ得点確率が高いという意味です。

注意としては、あくまで統計なので、ジェコがダイレクトシュート上手いから、同じシチュエーションのシュートでペドロよりも数値が上になるという事はありません。ジェコでもミランテでも同じシチュエーションで同じ1回のシュートを蹴れば、全く同じ期待値が付与されます。

まだスタッツが計上されていないので今節のミラン戦は含まず。インテル戦除くすべての試合で失点期待値を上回る実失点となっている。このほとんどすべての試合後のフォンセカ監督のコメントで「個人の問題ではなく(組織的な)守備に問題がある」という言葉を聞くことができる。もちろん、数時間前のミラン戦の後も同様の発言をしているが本当にそうなのだろうか?

フォンセカ監督「個のミスではなく、全員でエラーを犯した。私たちがビッグクラブに勝てないのは事実だが、それは些細な差だと思っている。攻撃面に問題はなく、主に守備に課題がある」 24節終了後のコメントより

合計値は以下の通り。

合計値
得点 ゴール期待値 失点 失点期待値
 23試合 47 46.3 32 24.3

*第一節の勝点はく奪による0-3の失点は含まず。

例えば得点は多いけど失点も多いというクラブは、それだけ前がかりでイケイケなチームであることが推測できる。しかし、ローマは得点もゴール期待値と実得点にほとんど差がないために、設計図通りに作ったチャンスできちんと得点していると考える事ができる。しかし、その設計図を狂わせる相手の場合は、攻撃の停滞だけでなく、守備もガタついてしまう。ローマは被ポゼッションで深くまで下がったり、前が詰まっていると攻撃の下準備の為にボールを簡単に後ろに戻す癖があるので、そこでプレッシングを受けて水際で危機を招くという負のパターンがある。これが組織としての守備面の問題だ。

先ほどの合計値をビッグクラブとその他で分けるともっと興味深い結果が見えてくる。

合計値
得点 ゴール期待値 失点 失点期待値
ビッグクラブ(7) 8 9.5 20 11
その他(16) 39 36.8 12 13.3

ローマは上位チームの中でずば抜けて総失点数が多いが、これをビッグクラブとその他で区分した時、その他(16試合)では失点期待値以下に実失点を抑えることに成功している優良な数字であるにも関わらず、ビッグクラブ(7試合)では、失点期待値11を大きく上回る20失点という真逆のデータとなる。どのチームにも同じ戦法で臨んだ結果、特定の条件のクラブにはきれいに負けてしまう。
これが何を指し示しているかは、みなさんの解釈に委ねるが、イバニェスにしてもマンチーニにしても良いセンターバックではあるものの、スモーリングのようなタフなベテランの個性が必要なのかもしれないし、もうそろそろ3バックから4バックに戻すタイミングなのかもしれない。もしくは自分たちの戦術を過信し過ぎた精神的な油断が招いた状況とも言える。次のフィオレンティーナは本当に難しい試合になる。絶対に勝利が必要だ。毎試合カップ戦の決勝だと思って頑張って頂きたい。

コメント

  1. tatti より:

    如月さん

    このデータから紐解く客観的分析は非常に興味深く納得させるものがありますね。ここまでのデータを収集し分析した努力の賜物かと思います。
    しかしこういう統計を覆す予測のできないプレーを演出してきたまさにトッティのようなファンタジスタが早く現れて欲しいです!

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