AS Roma | Sunday, 24. October 2021 | SSC Napoli |
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ピッチサイドでインシーニェと雑談しながら指揮を執るモウリーニョの巨匠感と、ロマニスティのブーイングに手を挙げて応えるスパレッティというなんとも華のある2人の指揮官のチームは、目まぐるしいトランジションの切り替え、弛まぬ攻撃姿勢、戦術の修正に次ぐ修正、観ているこちらにとってもカロリーの高いビッグマッチで、仕舞いにはどちらの監督も退席処分で居なくなり、舞台の幕も綺麗に降りた。試合後にモウリーニョ監督はこう語っている。
「20年前なら0-0の試合など誰も見向きもしなかったがこの0-0はそうじゃない」
彼がローマを指揮して判ったのは、モウリーニョの戦術は言葉にすればシンブルなのだけれども、そのプロセスはとんでもなく複雑ということ。観戦者にとって理解はできるが把握できないサッカーだ。それでいてミステルは学びと発見を止めないのだから、彼のサッカーに追いつくことは永久に叶わないかもしれない。まずは試合後のスペシャルワンのインタビューをご紹介したい。このインタビューはナイーヴなイントネーションが含まれていた為に、ローマ公式サイトでは当たり障りのない箇所のみの公開となった。
今季初のドローとなりました。この試合を振り返って感想をお聞かせ下さい。
モウリーニョ監督「0-0の結果は妥当だと思ったね。これが1-0で勝っていても、0-1で負けたとしてもナポリもそう思っただろう。そのくらいお互いにとってタフな試合だった。共に高い集中力を維持し続けたが、恐れはなく、敬意を持って臨んだ。うちの選手たちは守備陣が頑張ってくれて、カウンターやダイレクトチャンスを封じてくれた。本当に高いレベルの試合だったと思う」
この数試合で守備は格段に好調になっています。その理由は?
モウリーニョ監督「好調?あんたがボデ戦を観てなくて良かったよ(笑)サイドバックの左右が共に改善されてきて、中盤もクリスタンテとヴェレトゥがダイアゴナル(対角線)に互いをカバーリングできていた。ザニオーロとミキタリアンもこの試合でスペースを埋めるという鍵となる役割を果たしている。私たちはファビアン・ルイスのポジションを考慮して、被ポゼッションで通常の4-4-2ではなく、ペッレグリーを少し下がり目でプレーさせて、タミーに高い位置取りをさせた。試合は激しく、何人かには疲労も見受けられたが、私は一生懸命働いた選手の疲労感を好むよ。オシムヘンはダイレクトなプレーをするので、この試合はトランジションが多く、ローマが深く守ってからはインシーニェが中央でプレーしてきた。その際もクリスタンテ、ヴェレトゥが効いていた。とにかくどちらが勝利してもおかしくない内容だった。それに二人の監督が退場したのも実に面白いね」
なぜ退場させられたのでしょうか?
モウリーニョ監督「さあね?ただ何度かマイボールだと主張しただけでなにか批判したわけじゃない。私もスパレッティも退場させられたが、主審はバランスの取れたジャッジをしたと思う。全員に不満の残る結果ではあるが、ジャッジは公平だった」
木曜日の大敗からのリアクションを観ました。
モウリーニョ監督「ああいうクソゴミみたいな試合をしてしまうと感情面で次の試合は重圧を感じて難しくなってしまう。ナポリは明らかに勝ちを狙っていてやって来た。こういった場合はまず謙虚に相手を認識しなければならない。ナポリだけでなく、私たちも勝ちたかった。ピッチサイドからタフな試合に見えたし、私自身とても疲れている」
公式会見のマイク
ユヴェントス戦と同じフォーメーションで戦いましたが、この結果は自信につながりましたか?
モウリーニョ監督「今日、70分過ぎに二人のフレッシュで速くて強いサイドバックを入れることができていたら勝っていただろう。だが私たちにはそれがない。他にも足りないものはあるけどね。ただ前日会見で話したように、チームの他の部分に投資してきたからこそそれが足りないんだ。故に我々は(クオリティの異なる)2つのチームを持っていて、それを上手く管理しなければならない。ところで水曜日に誰がプレーするか知りたいならもう教えるよ。今日と同じメンツとフォーメーションだ」
ユヴェントスとナポリ戦でもっとポイントを積めたという後悔はありますか?
モウリーニョ監督「それは間違いなくあるね。といってもユヴェントス戦は負けて当然の内容だったが、今日は勝てる可能性も負ける可能性もあり、1ポイントは許容できる結果だ。彼らは苦しい時間帯にメルテンスとロサーノを投入してきたが、私は交代をしなかった。なぜか?そうすればインテンシティは上がるがクオリティが落ちるからだ」
あなたはボデ戦で不発だった選手5人をスタンドに送り、代わりにプリマから5人を呼びました。この懲罰的な行為の難しさはどこにありますか?
モウリーニョ監督「私は常にスターターを選ぶのは監督ではなく選手だと話している。この決定はロッカルームの決定であり、選手へのネガティヴなメッセージであり、否定的なパフォーマンスだが、重要なメッセージでもある。これは私の監督史に残ることで、私にはまだまだ多くの試合が待っているが、あの試合は到底許しがたい」
〈了〉
この懲罰はマジョラル、クンブラ、ディアワラ、レイノルズ、ヴィジャールが対象となっている。彼らに代わってプリマの子供たちをベンチに置くのだから、監督は最初から選手交代をする気などさらさらなかったに違いない。この懲罰で招集組もさらにコンセントレーションを高めた。そうすることで勝率を1%でも2%高めることができるなら世界中の監督がそうする。あとは彼らを取り戻すだけだ。
ローマがタイトルを狙う為には、勝とうが負けようが常にこのテンションで戦うしかない。このナポリ戦の後では、前節のユヴェントス戦は温過ぎて見れたものではない。カリアリのアウェイはいつの時代も楽に勝てない。個人的にはそろそろエイブラハムにドッピエッタが欲しいところ。
ちなみにスパレッティ退場の理由は主審にブラボーと言ったかららしいです。本人は批判の意図はないと言ってましたが絶対駄目でしょ笑
コメント
今季ここまでのモウリーニョを見て、「彼はこのチームをちゃんと二本の足で立てるようにしてるのだ」と思っています
今回のメンバーもやり方もつまりそういうことなのだろうと
ローマはこれまで監督という手押し車に掴まって歩けた気になっていた
でも、本当に強いチームに脱皮をしたいなら、変わらなければならない
それについていけないものは残念だがふるい落とさなければならない
ある意味で正念場が来ているのかもしれないす
そむりえさん
正念場、もしかしたらそうかもですね。モウリーニョという有名な監督はやってきましたが、
ジェコ、デロッシ、フロレンツィ、チームをブーストできそうな選手が年々減り、
誰がプレーしていてもある一定の強さをキープできる組織を作る必要があるのかもしれません。