AS Roma | Sunday, 22. August 2021 | ACF Fiorentina |
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3:1
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goals | |
1 : 0 | Henrikh Mkhitaryan 26. (Tammy Abraham) |
1 : 1 | Nikola Milenković 60. (Erick Pulgar) |
2 : 1 | Jordan Veretout 64. (Tammy Abraham) |
3 : 1 | Jordan Veretout 79. (Eldor Shomurodov) |
開幕からまさかのビッグカード。フィオレンティーナを迎えたオリンピコは、COVIDによる規制で50%キャパシティ減ながら25000人ものファンで満員御礼となった。幾度となく耳にしたヴェンディッティのクラブアンセムはこれまで以上に感動的で、無観客の試合を観ることに慣れていたつもりだったが、心のひび割れに沁み入る温もりを感じた。
その直後にはまさかのサプライズ。今季チェルシーから加入して、検疫の影響で個人トレーニングをしていたタミー・エイブラハムがスターターに名を連ねたのである。前日会見でモウリーニョはこう発言している。「先発は多少の入れ替えをする」誰もがこれを、疲労のあるスタメンをベンチに置くという質の話だと思っていたが、監督は純粋な量の話をしていた。センターフォワードを『多少』入れ替えてきたという訳だ。
スタメンは以下の通り。
待望の開幕とあって、選手たちのモチベーションも高い。タミーが自陣まで守備に戻れば拍手が上がり、ミキやペッレグリーニがドリブルで相手をかわすたびに声援の音量は上がった。彼らの声で、もうベンチの監督の声を集音マイクをは拾わない。
primo tempo
イタリアーノ率いるフィオレンティーナは予想通りボールを持って敵陣制圧をしてきた。一方ローマは4-4-2で構えてカウンターを狙う。鼻息の荒い相手だけに、トランジションの切り替え位置に繊細さを求められる序盤となった。
10分、ローマのファーストチャンス。左からのコーナーキックは流れるも、マンチーニがファーに入っていたのはさすが。プレシーズンからゴールを連発している頼もしさがあった。
16分、タミーの抜け出しをGKドランゴフスキが引っ掛けて一発退場。そして25分には同じくタミーからのスルーパスを相手両CBの中央を割って入ったミキタリアンがシュート。これがネットを揺らすもVAR審議に突入する。後に後に認められてローマ先制。
しかし、一人少ないフィオレンティーナの方が押しているという展開。昨シーズンの第2節のユヴェントス戦も、62分にラビオの退場をきっかけにローマは押される展開になってしまったが、あの試合にやや似始めていた。
そして43分にザニオーロがバックチャージでイエローカードを貰った。ザニオーロは、プレシーズンが終わりに近づくにつれて、ボールを持ち過ぎが悪目立ちし始めていたが、この日も数人にマークを受ける中で周囲を使わないという自己中なシーンが散見された。思う通りに行かないフラストレーションがプレーに出ていた。
画像は前半のスタッツ。
secondo tempo
先の悪い予感は51分に再びザニオーロの後ろからのプッシングによる2枚目のカードで発現してしまう。これで10対10の同数勝負。それでもGKルイ・パトリシオがグッドセーブを連発してしのいでいたが、59分にセットプレーの混戦を抜け出したミレンコヴィッチが、ルイとの1対1でしたたかに股下を抜いた。これで試合は振り出しに戻ってしまう。
しかし、ローマ勝ち越しのゴールは64分。ハーフウェー付近でミキタリアンがボールを狩り、カウンターのトリガーを入れる。持ち上がったとき、既に前線のタミーは3人に囲まれていたが、絶妙なダウンストロークを入れて右に流れると、見事にミキからのパスを引き出した。相手守備陣が遅れてタミーを見た瞬間に、ミキがスプリントでゴール中央に突っ込み、折り返すクロスに合わせる。タイミングは合わなかったものの、その流れたボールを大外のヴェレトゥがダイレクトで押し込んで逆転に成功。だが、ヴェレトゥは喜ばない。主審やフィオレンティーナ選手たちにも笑顔が見えたことから、誰もがノーゴールの可能性を考えていた。確かにボールを引き出したタミーは、オフサイドだったようにも思える。当然このゴールもVAR審議入った。しかし、結果はオンサイド。ヴェレトゥがなぜ待望の逆転弾に喜ばなかったのか?それは、この後彼が決めたドッピエッタで判明した。
直後68分、タミーOUT、ショムロドフIN。彼はこの日、2アシストとゴールこそないものの、絶対的な存在感をロマニスタにアピールした。しかし、疲労の影響か70分を過ぎた辺りでとうとうローマのブロックが下がり始めてしまう。極端に最終ラインに吸収されてしまい、危険な失点の匂いが漂い始めていた79分、ここで待望の追加点。ショムロドフが鬼キープで中央でタメを作る間に、左のハーフスペースにヴェレトゥが飛び込み、引き出したスルーパスをまたしてもダイレクトで決めた。しかし、またしてもヴェレトゥは喜ばない。近寄ってきた選手たちの祝福をハンズアップで制止した。つまり、彼は以前所属していたフィオレンティーナに対する得点だから喜ばなかったのである。その後追加タイム4分をやり過ごして試合終了。
こちらが後半スタッツ。数字の上では殆ど差はない。何が勝敗を分けたかと言えば、2点目、3点目で、長距離を全力で走ってボックスに飛び込んだヴェレトゥの勝利への欲求であると今夜は言わせて頂きたい。
ということで、開幕節のローマちゃんはどうにか苦しみながらも貴重な勝ち点3を手にすることができた。ほぼほとんどの時間を4-4-2で戦っていたので、ザニオーロが退場した後も選手交代を急がずに、なんとなくゼロトップ気味に戦えたことや、同様にタミーとショムロドフの交代を容易にしたとは思うが、70分付近で失点していたら再度勝ち越せたかはちょっと判らない。
ヴェレトゥ「開幕初戦に勝利することが重要だった。俺たちは監督に「勝ってこい」と言われた。フィオレンティーナはとても強く、10人でもコンパクトでローマは苦しめられた。だがスタジアムのファンの力を借りることができたと思っている。特に後半はそうだった。完璧ではなかったが、これからが本番だ。次は木曜日のカンファレンスリーグの準備を始める。モウリーニョ監督との関係?とても良いよ。彼は仕事熱心な人ではあるが、それ以外ではみんなと冗談を言ったりしていつも全員の近くにいてくれる。2年経ってようやくスタジアムでファンの声援を聞けたのはとても素晴らしい。このまま続けたいと思っている」
昨シーズンは色々あったけど、とにかくセリエAの闘争は始まった。いよいよ帰ってきたぞ。熱狂と絶望のぼくたちの眠れない夜が。最高で最低のシーズンが!
コメント
勝ちましたね!
皆良かったと思います。タミー素晴らしかった!今のセリエAでは、意外に希少種かもしれない。またローマで純粋なストライカーが派手に初っぱなから活躍したのはバティ以来かな。
ただ数的優位を上手く活かせなかったのは、やはり何かが足りないと言ったモウの一言に尽きるかも。
それはまだ開幕したばかりですが、レジスタかな💦。チームにリズムと落ち着きを作り出すような。まだ移籍の噂もありますが、どうなるか!。最悪、カピタンとクリスタンテ入れ替えても面白いかなと。モウの使う独特な442にマッチしそう。理想はイタリアンレジスタがいいけど、いないか💦。怪我前のウディネーゼ時代のマンドラゴラとかは好きでしたね、戦うレジスタ感あって。まあ何よりまたハラハラドキドキの一年が、スタートしました。更新楽しみにしていますっ!
エースはクリスタンテ!さん
タミーは惜しいヘディングもありましたし、得点があればよりパーフェクトだったと思います。
次に期待ですね!