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【ゆるふわ座談会】セリエA通信簿 2018-2019 第1節

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セリエA激動の2018-19シーズンが終わった。
クリスティアーノ・ロナウドの参戦に始まり、ピョンテク、ザニオーロ、モイーズ・キーンといったニュースターが誕生する一方で、サンプドリアのベテラン、クアリアレッラが得点王に輝き、カリアリのパヴォレッティ、エンポリのカプートなど、渋い選手がゴールを量産した。

クラブレベルでは、ユヴェントスが安定した強さでスクデットを手中に収めるも、もはや一強では片付けられない戦国時代の足音はそこまで聞こえている。
着実に元のコースに戻りつつミラノ勢だが、ナポリはベルジョーコで蓋をした。しかし、新興勢力グループから抜け出したアタランタがその距離を縮めつつある。
トリノやSPALのさわやかな快進撃、ホームで淀みのないエンポリやカリアリの攻撃マナーといったカタルシスとは対照的に、我らがローマにとっては痛みのシーズンでしかなかった。しかし傷を負ったのはローマだけではない。フィオレンティーナやジェノアといった古豪もあわや降格の危機に直面していた。この状況で今後セリエAの勢力図が大きく変わらないわけがない・・・

・・・って、みなさんはどう思いますか!?


こんにちは、ローマ速報です。2018-19シーズン。私、如月は夏のテストマッチを含むローマの53試合を全て観ました。それだけどっぷり浸かっていながら、他のチームのファンがローマをどう見ているのか、またセリエAをどのように捉えているのかを知る機会はほとんどありませんでした。

セリエAは、チャンピオンズリーグ争いが最終節までもつれ込む実力伯仲したスリリングなリーグか?いやいや、最も重要なスクデット争いがユヴェントスの独走という盛り上がりに欠ける結果じゃないか、観測者の立ち位置が少しズレただけで、まるで違うものに見えるのが今のセリエAです。

試合を観たり、雑誌を読んだり、ネットのサッカーニュースをインプットする事でぼくらはクラブを応援していられるのだけれども、それらを自分の中に取り込み、咀嚼して、ティフォージというフィルターを通して表現している人たちの言葉にぼくは興味を持ちはじめました。

彼らのフィルターを通したイタリアのサッカーは復興しているのか、それとも退化しているように映っているのか。有識者やプロフェッショナルの立場とは異なるファンの言葉は結構ピュアで眩しいものです。ぼくは、いろんなクラブのファンと実際に話をして、そういうピュアな意見にヤラれてみたいと思いました。それがこの座談会のきっかけです。

収録が行われたのは、シーズン最終節の前日、5月25日。場所は、阿佐ヶ谷BAR MILANISTA。この日の東京は梅雨前にも関わらず、記録的な猛暑日となったのは個人的に印象深い。座談会が始まる前に、たまらずに焼きとん屋に飛び込み、ハラミと白もつでビール3杯をやっつけたのは、ぼくの一足早い初夏の良い思い出。

参加者は以下の6名。
*画像クリックで各サイトに行きます。

kisa

如月『ASローマ速報』

東京NO.1アンチユヴェンティスト。狼の皮を被った羊系ロマニスタ。

mitsu

ミツ編集長『月刊ユベントス』
youtubeチャンネルを設立して、動画界にも進出する、愛と笑いのユベントス系テキストサイト。『月刊ユベントス』の名物編集長。

shuh

シュウ『サンプドリアクラブ東京』
公認ファンクラブ『サンプドリアクラブ東京』会長。ジェノヴァで最も有名な日本人ドリアーノとして、今年初めて現地のイタリア人からサインを求められた。フェレーロの秘蔵っ子。

kazu

カズ:BAR MILANISTA、CurvaSud Giappone
サポーターグループCurvaSud Giappone代表。彼の経営するBAR MILANISTAは、東京のサンシーロとしてミランファンで賑わう。

kyaxu
dino

キャズ『アルノ川の畔から』
ときに厳しいクラブへの批判を交えながらもフィオレンティーナ愛を貫く応援ブログ『アルノ川の畔から』執筆者。
ディーノ『トリノFC情報局』
トリノ留学で身も心も魂まですっかりグラナータに染め上げられたとーろ系男子。『トリノFC情報局』執筆者。

*この6名の発言が何かしらを総括、結論付けるものではないと考え、セリエAファンのご協力を頂き、ツイッターを通じてアンケートを実施致しました。そこで得られた518回答の貴重なデータも掲載しますので、座談会とアンケート結果の差異を感じながら楽しんでもらえると幸いです。


●Juventus
如月(ローマ):流れを改めて説明しますね。まずみなさんには、今シーズンの自分のクラブの出来を100点満点中何点なのか発表してもらいます。点数の理由や是非を論じながら、最終的に今季のカンピオナートの全体像が見えたらいいなと思っています。ということで早速ユヴェントスの通信簿からいきましょうかね。

ミツ(ユヴェントス):あ、いきなり私?

如月:まあ、なんで今日いるのかわかりませんけど。

シュウ(サンプドリア):呼んでおきながら(笑)

如月:ぼくユーヴェ嫌いなので。

ミツ:でも私はあまりユーヴェが嫌われてるって意識はないですね。

如月:嫌われてる人はだいたいそう言います。

一同:爆笑

如月:それで、ミツさんから見た今季のユヴェントスは何点でしょうか?

ミツ:60点です。

如月:ろくじゅう?スクデット獲って60点って凄い上から目線ですけど。

ディーノ(トリノ):なんかそれイラッとしますね(笑)

ミツ:あれ?ディーノさん、最初感じ良い方だなと思ってたのに・・・(笑)

如月:足りなかった40点の理由は?

ミツ:そうですね、30点はチャンピオンズリーグで、10点はコッパイタリアかな。でもCLって難しいじゃないですか。ビッグイアーって1チームだけしか獲れなくて、今回アッレグリが退任・・・実際解任なんですけど、その理由はチャンピオンズ敗退なんですよね。だったらシティもグァルディオラ解任しろよって思いますけどね。

カズ(ミラン):チャンピオンズリーグ敗退が理由の契約解消だとして、代わりにカップ戦強い監督誰連れてくるの?って考えると、コンテ(注:この収録時まだインテル入りは発表されていなかった)はカップ戦勝ったこと無い、サッリもない、じゃアレッレグリの代わりにその2人が候補は疑問ですよね。アッレグリのサイクルが終わっているのは外から見て感じますけど、カップ戦勝てないという理由で変えるのは違うのかな。

ミツ:でもそれしかないですよ。国内は5連覇しているので。

如月:国内5連覇しておきながらCL獲れないってのは十分頭打ちなところは有りますよね。そこでクリスティアーノを獲得して万全を期したはずが結局これまでと同じで、なんなら負け方も良くない。

ミツ:ですね。

如月:あとクラブに出来るのは選手ではなくて監督を変える事なのかも。

ミツ:だから逆に監督変えるとスクデット危ないんじゃないかという声もありますね。

如月:勢力図が変わる?

シュウ:期待してますよ!(笑)

ディーノ:ホントにホントに。

一同:笑

ミツ:だから決勝進出のチャンスがあるなら、ぼくはまた2年後3年後とかになっちゃうのかなって思いますよ。監督変えたら次すぐにタイトルとは思ってなくて。

カズ:ああ、そうなんですね。

ミツ:むしろもう一回仕切りなおしでイチから。如月さんは先ほどロナウドが来てって仰られましたけど、ぼくからすると別にロナウドじゃなくても良かった。

シュウ:フフフ。

ミツ:ロナウドじゃなくて、センターバックや中盤を補強すべきだったと思っています。ぼく、今季一番ユーヴェで歪みが出たのが中盤だと思うんですよ。ゲームメーカーがピャニッチしかいなくて。

カズ:確かにそうですね。

ミツ:じゃピャニッチが出られないときにどうするのか。ケディラだとか、エムレ・ジャンだとか、マテュイディとか、彼らがゲームを作れるのかといったら必ずしもそういうタイプではないので。100億かけるならエリクセン獲れよって思いますよ。エリクセン獲ってイグアイン残っていたらもっといけたんじゃないかと。

如月:でも、今回決勝トーナメントで得点したのってクリスティアーノ・ロナウドの5点だけですよ。

カズ:果たしてイグアインでそれだけ得点できていたのか。

ミツ:ぼくの考えでは、ロナウドいなきゃイグアインとディバラでそのくらい獲ってたでしょって思うんです。いなかったら獲れないというよりは、代わりに誰かが決めていた。確かにロナウドは凄いですけど、もう34くらいだし、枠の中では一級品ですけど、あそこにお金を掛けるなら他のポジションが良いという考えです。

如月:ところで、ぼくがユヴェントスのファンだったら今シーズン0点ですね。

ミツ:ゼロ???

如月:ミツさんの60点って、もうスクデット獲り馴れている人の感覚だと思うんですよね。事実、ユヴェントスにとってスクデットのハードルは低いーー低く見えますけど、であればクリスティアーノの来た意味がビッグイアーというのは明白で、スクデットは転がってきたけど、もっと優先度の高いミッションには失敗した。それが出来なかった時点で大金を投じたプロジェクトは失敗。だから0点という厳しい評価になる。

ミツ:とはいえ、スクデットは獲れているので・・・。

如月:もうひとつ技術的な理由があって、あと何年かは戦術がロナウドじゃないですか。でも数年後彼が抜けると、レアルマドリーのように、タレントは豪華だけど軸を欠くチームが残るのかな、と。抜けた代わりに誰かが点を獲るという理屈もわかるけど、今季のレアルマドリーで、クリスティアーノ・ロナウドが去ってベンゼマやベイルがその代わりになったかといえば・・・どうでしょうね?という意味での将来の話も含めての0点。

シュウ:厳しい・・・(笑)

キャズ(フィオレンティーナ):今のロナウドが点を獲っているという話ですけど、それはロナウドに点を獲らせるサッカーをしてるからで、実は2年目の来シーズンがユヴェントスの本当の勝負になるんじゃないかという話もよく耳にしますね。

ミツ:ええ。

キャズ:じゃあなおさらアッレグリ解任はおかしいと思いますよ。

如月:というと?

キャズ:2年目のロナウドを軸に、アッレグリも残してCLを狙うと言うのは筋は通ります。ですけど、今季ダメでした、監督は解任、来季新しい指揮官を迎えます、という状況は新しいサイクルの始まりですから、そこでそもそもロナウドも必要かどうかですよね。そう考えると、(これからの監督次第では)とても危ないですよね。

カズ:うん。

ミツ:ですよね。

キャズ:その部分では如月さんの0点は納得できる。

如月:でも、あくまでそれはぼくがユヴェンティーノだったら戒めで、という0点だから。スクデットは獲得したけど、それ以外は結構フラストレーションの溜まるシーズンでした、ふざけるなよ!って言う半ばクラブ批判としての点数。

全員:笑

如月:個人的にはスクデット獲ってるし0点とは絶対に言わない。

カズ:アッレグリって、なんか知んないけどさぁ、クラブからそこまで信頼を得られないと言うか(笑)

ミツ:ミランいましたもんね。

カズ:うちで大きくなりました。

全員:笑

カズ:相手をよく研究して、相手の良さを消すサッカーをしてるけど、クラブからは信頼されてない。

シュウ:選手からは人望厚いですけどね。

カズ:そう。これだけのタイトルを獲って、選手に支持されて、コンテでは出来ないことをやったと思うんですよね。レアルを除けば、これだけ継続して強いのはヨーロッパじゃユヴェントスだと思うし・・・アッレグリにはぜひ帰ってきて欲しいんですよね。

シュウ:ですよね・・・って、ミランに?

カズ:あ、そうです(笑)

一同:笑
そこから話題は2006年ユヴェントスの降格に・・・

如月:ユヴェントスは国ぐるみで保護されてると思いますよ。

ミツ:それにしてはアッサリ降格しましたけどね。

如月:それは違う!本当なら2004年には降格していてもおかしくないくらいの事をやってたんです!

一同:笑

如月:ゼネラルマネージャーが買収に応じない審判をロッカールームに閉じ込めるクラブですよ。

カズ:そのロッカーのカギ捨てたんでしたっけ?

如月:そういう悪行を国ぐるみで隠ぺいできなくなったのが2006年ってだけで(笑)

カズ:個人的にはあれがインテルの陰謀説っていうのが大好きです(笑)

ミツ:でも降格って、ユヴェンティーニでも分かれていて、あれをネタにして楽しむ人たちと、まだこだわってる人たちがいて・・・。降格って定期的にいじられるじゃないですか。

カズ:へえ~。

ミツ:そこで噛み付く人と「いや、あれ八百長じゃなくて買収ですから」ってスッとかわすファンがいる。

シュウ:アハハハ。

ミツ:ぼくはどちらかというと後者で、そうすることで結構おいしい思いしてる。降格を機に忠誠心も増しましたしね。

カズ:あくまで外から見ていてですけど、降格があったからこそクラブ体質が見直されたじゃないですか。あの事件をきっかけに浄化できたと思うんですよね。ミランは今でこそオーナーが代わってずさんな経営が見直され始めていますけど、インテルやミラン、ローマよりもユヴェントスは5、6年早く改善されたんじゃないかな。

シュウ:実際あれを経ての8連覇ですもんね。

juve

【ローマ速報アンケート結果・ユヴェントス編】

Milan
如月:次はミランについて話したいのですが、まずカズさんから見て今季のミランは何点ですか?

カズ:最終節が終わらないとなんとも言えませんけど(注:この座談会は5月25日最終節の前日に行われた)、言い方としてはチャンピオンズリーグ行けたら80点、ダメなら0点です。

如月:ほお。

カズ:もしCL行けなければ、ドンナルンマ出ていく、スソ、クトローネ出て行くという、キャピタルゲインの関係で退行するんですね。自前の選手育てて売るのが一番利益が上がるんで。今シーズンのドンナルンマはぼくはフォワードなら20点獲ってると思うんです。逆に言うと20点くらい決定機を阻止してるんですよね。

ミツ:凄いですよね。

如月:昨シーズンは、ただ若くて良さげなイタリア人キーパーという評価でしたが・・・。

カズ:いやほんと凄いっスね。それでまだ20歳そこそこですよ。ここからどれだけ成長するかはわからないですよ。でも現時点ではそれこそ若い頃のブッフォンに似てるというか、ぼくブッフォンと同い年なんですよ。高校でサッカーしてたんですけど、そのときイタリアでブッフォンがデビューしていて、なんか凄いヤツがいるぞって噂は聞いてたんですけど(笑)

如月:なんかイタリアに凄げえヤツいるらしいぞ(笑)

一同:笑

カズ:今年はハナからスクデットなんて目標はなくて、まずはチャンピオンズリーグ。行けなきゃ0点。そこに行けたら80点。マイナス20点は、行けるか行けないか最後までヒヤヒヤさせたから。

ミツ:アハハハハ。でもスクデットレースに戻ってきて欲しいですけどね。ぼくにとってミランがユヴェントスのライバルなんですよ。ぼく毎試合ミランのハイライトは観るんですよ。だからドンナルンマの活躍はよく目にするんですよね。

カズ:ハイライト映えしますからね。彼じゃなければ止められなかったシュートは20ゴールはあります。レイナだったらネットが揺れていた。

如月:マルコ・アメーリアなら?

カズ:アメーリアなら?いや、もっと入ってましたけど(苦笑)

如月:ミランは一昨年大型補強したじゃないですか。そこからさらにオーナーが代わって今1年目ですよね?

カズ:1年目です。そこで何が変わったって首脳陣なんですよ。今までいたディレクターとかポジションが代わって、そこになんといってもマルディーニが戻ってきた。

如月:中国人オーナー来て幹部みんな辞めましたもんね。それこそCEOのウンベルト・ガンディーニはそのタイミングでミラン辞めてローマ来ましたから。

カズ:そうですね。

如月:でもガンディーニはその後、中国の投資家が撤退したタイミングでミラン復帰を考えてローマを退社したんだけど、新しいミランは彼ではなくてアーセナルにいたイヴァン・ガジディスを選んだ。

カズ:今のミランの親会社であるヘッジファンドとガジディスが元々仲が良いんですよ。あとさっきの健全な経営の話しの続きで、これはぼくの想像ですけど、ベルルスコーニ会長の頃は相当表に出てこない金が飛び交ってたのかなと。そこが浄化されただけでも結構(体質は)違う。

如月:昔何かの本で読んだんだけど、ガッリアーリ(当時の副会長)のホテル宿泊費がものすごくて、それで経費がかさんでたって。

シュウ:フフフフ。

カズ:あとはルイ・コスタ獲得でクラブ間以外に払ったお金だとか。

如月:官房機密費みたいな。

カズ:そういうのが無くなるのかなと思います。

如月:そこでお聞きしたいのは、今のような健全な状態でこのプロセスを続けていくことに関して、ミランファンは果たしてそれが正しいと考えているか、それとも、俺たちはグランデミランなんだからこの順位はおかしい、タイトルを獲るのは当然で、なんでまだ優勝してないんだと考えているのか、どっちなのでしょうか?

カズ:あーでも、なんかここ5年くらいでね、ファンも飼いならされてますからね。

ミツ:ワハハハハ

カズ:みんな現実を見せられていている感じはあるんですよね。ベルルスコーニの頃は大金でポンと選手を買って、ほらお前たちこれで楽しめるだろって言われていたのが、今はちゃんと自分たちの位置をわかってますし、ガットゥーゾが監督というのもあるけど、クルヴァも好意的ですよ。前はガッリアーニがクルヴァとの窓口だったんですけど、彼いなくなって少し距離があったのが、今はまた戻ってきているかな。

如月:マルディーニとクルヴァ仲悪かったですよね。

カズ:そうですね。ウルトラスと何回かケンカしていて。ぼく引退試合行ったんですけど。

キャズ:ブーイングされてましたよね。

カズ:もちろんスッドだけですよ。スタジアムのほかの6万人は拍手してましたけど、ただクルヴァスッドは『俺たちのキャプテンはバレージだけ』ってバナーを出してた。

キャズ:へえ。

カズ:それには理由があって、2005年にリヴァプールに大逆転負けしたチャンピオンズリーグ決勝の後の試合で、(抗議の意味で)試合開始時からクルヴァがブーイングをし始めたんです。その後にマルディーニが、「なぜブーイングするのか?あいつらは俺たちの味方じゃないのか?俺はあいつらと一緒じゃない」って発言して。

シュウ:フフフフ

カズ:そういうの言っちゃうところあるんです。

如月:キャプテンシーが溢れ過ぎている。

カズ:キャプテンシーもそうですけど、そもそもお坊ちゃんなんですよ(笑)

如月:ぼくはマルディーニの本当の引退試合はそのサンシーロじゃなくて次のアルテミオ・フランキだと思ってます。

カズ:ああ!

如月:あれはマルディーニの家族全員来てましたからね。お父さんのチェーザレも。

カズ:あの試合覚えてますけど、いまだにヴィオラに感謝しています。ああいう花道を作ってくれたことを。ヴィオラは最後のロスタイムをプレーしなかった。

ミツ:ロスタイムなかったんですか?

カズ:最終節で、順位的にもチャンピオンズリーグ圏内争いの直接対決だったんだけど、ヴィオラ側がロスタイムにボールを外に出して、みんなで拍手して、マルディーニとハグする時間を作ってくれたんですよ。ミランと順位競ってるんですよ?それも最終節で。スタジアムがスタンディングオヴェーションで、あれが本来マルディーニにふさわしい最後だったとおもいますよ。

如月:ぼくもリアルタイムで観ていましたけど、解説員も何が起こったか一瞬わからないんですよね。視聴者からすると何かモメたのかな、と。でもそんな雰囲気じゃないしなと思っているとスタジアムからふわ~っと拍手が起こってくるような感じで。

カズ:ええ。

如月:確か監督がプランデッリで、あの頃プランデッリは試合後ヴィジターチームに花道を作ろう的なジェントルな試みをしていたんです。

カズ:あのシーンは本当に感動しましたね。今でも忘れないです。イタリア語もわからないしバナーも多少しか読めないぼくからすれば、あれが一番心に来たというか、引退試合ぽかったと言うか。

如月:よくミツさんやシュウさんと話す、セリエAのネタぽい部分の良い話ですよね。人情噺の部分。それで他のリーグに勝てなかったりするんだろうけど、ほんと温かい。

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シュウ:イタリアぽいですよね。


ミツ:その話で思い出したんですけど、今シーズンのチャンピオンズで、ユヴェントスの選手が試合中に怪我して、キエッリーニがボールを外に出したんですよ。でも、それを見たユヴェンティーニはキエッリーニがキックミスしやがったと思って。

一同:爆笑

ミツ:これはみんなよくわかってるなぁと。キエッリーニ本当にキックへたくそなんですよ。もう爆笑しましたけどね。・・・あ、すいません。次どうぞ。 *全員ずっと笑い続けている。

ミツ:だからマルディーニの話もこれがユヴェントスだったらもしかすると単なるキックミスだと思われていたかもしれない(笑)

【ローマ速報アンケート結果・ミラン編】

milan

●Sampdoria
ミツ:今シーズン何点ですか?

シュウ:65点です。

ミツ:何位でしたっけ?

シュウ:9位です。上も下も離れていているから3節前に順位が確定しました。

キャズ:・・・うらやましいですよ(小声で)

ミツ:キャズさんはね、最近ご自身のブログでもうね、自分を鼓舞しているような感じですよね(笑)

シュウ:4連敗くらいしてますっけ?

キャズ:5連敗ですね。

ディーノ:10試合くらい勝ってないっけ。

キャズ:15試合勝ってないですよ!シーズン後半ほぼ勝ってない。

ミツ:キャズさんのブログは3節くらい前から「そろそろやべぇけど、でも俺たちファンがフィオレンティーナを信じないでどうするの?!」みたいな感じになってきていて。

如月:9位確定のサンプにはもうそのスリルすらない。

シュウ:ぼくらは目標が無くなって、あとの楽しみはジェノアの降格しかないんですよ。

一同:爆笑

シュウ:それで、ずっと最終節まで対戦カード見ていたら、あ、最後ジェノアがフィオレンティーナで、さすがにフィオレンティーナは残留決まっているし、消化試合で、これはジェノアが勝っちゃうだろうなって思っていたら、よくよく見たらヴィオラもヤバかった。

キャズ:もうモチヴェーションしかない。

シュウ:サンプはご存知の通り中堅クラブで、フェレーロが会長になってからは順位表の左、つまり1位から10位をイタリアでそういう言い方するんですけど、そこに早めに入って残留を決めて、そこから上を目差そうというのがオフィシャルの目標。ただ、ファンからすると、昔はチャンピオンズカップも出たことあるし、ヨーロッパリーグも結構出ているし、非常につまらない目標だなと思います。ここ数年は8位、10位で落ち着いていて、せめてオフィシャルでヨーロッパリーグ狙うと言って欲しいし、そこを狙っていくチームでないと成長もない。

ミツ:なるほど。

シュウ:開幕から序盤は結構良くて、冬までは6,7位をキープしていて、上位も団子だったので、もしかするとチャンピオンズリーグも狙えるぞという状態でしたが、これはジャンパオロ監督の特色でもありますけど、後半落ち着いちゃう。

ディーノ:昨シーズンもそうでしたよね。

シュウ:そう。2シーズン同じ。

如月:どうしてですか?冬に誰か放出してます?

シュウ:いや、それはないですね。3シーズンくらい前にそれをやって、代わりにエトォを獲ってコケたりしているので、最近は冬はあまり人を動かさないんですけど、ジャンパオロのサッカーは中盤走らせるし、かなり体力の消耗激しいんですよね。その歪みが後半戦に出てくるのかなというのと、あと、うちみたいにトップ下置く戦術のクラブって少ないから最初は行けるけど、徐々に研究されてしまうのかな。あそこ(トップ下)潰せばあいつら戦えないぞみたいなのがバレてきてる。

ミツ:それが65点の理由?

シュウ:結局、今年も同じ感じになってきたんで65点ですかね。ジャンパオロのサッカーは選手が理解するのが難しいですけど、それも数年で浸透していて、あとは補強に余裕があればもうひとつ上、4位、5位順位まで上げることができると思いますが、来季ジャンパオロ自身いなくなるかもしれない。

如月:ここ数日ジャンパオロが急にローマ贔屓な発言しはじめていて・・・

シュウ:そうですねぇ。もう辞めるのはほぼ間違いないような。

如月:多分ローマの監督候補になってるんですよ。「もしかしたらオファーするかもしれないけどよろしくね」みたいな。だからこの数日「ローマの気持ちすんごい判るわ~」的なコメント多いです。

ミツ:ハハハハ

如月:それにしてもイタリアはこの夏、監督結構代わりますよね。ユヴェントス、インテル、ローマ、サンプドリア、あとミランのガットゥーゾも?

カズ:ここ最近ガットゥーゾは残留かという話もありますけど、そうは言ってもスパッと切られると思います。なんにしても次のステップに行かないとなんで。
*後日、ミランとガットゥーゾの契約解消が発表された。

如月:玉突きが始まる。

シュウ:ひとつ決まったら一気に全部決まっていきそうですよね。

カズ:今アタランタが調子良いですけど、昔からミランとアタランタって選手の移籍も多くて、サッカーも似ているんですよ。だからガスペリーニこそミランに絶対合う監督なんですよ。

如月:それは本当にそう思う。

カズ:なのになんでローマ?ってずっと思ってたんですよ。合わないでしょって。*この時点ではガスペリーニ監督のローマ行きが確実視されていた。

如月:合わないとは思いますね。ローマじゃないかな。

カズ:そうでしょ。

如月:ただひとつ想像できるのは、ガスペリーニってインテルで失敗してるんですよ。ぼくたちからはアタランタをヨーロッパに導いた監督というイメージが強いけど、イタリアではビッグクラブ一回コケてる監督とも思われている。そこでリヴェンジの場として選ぶのがローマなのかなと思います。インテルダメで、次はミランというのも本人二の足を踏むというか。

カズ:ミランの時期監督は誰が良いかという海外ツイッターの投票があって、何万人も参加したんだけど、そこでは1位はガスペリーニでしたね。

如月:あとミランが呼ばないとすれば年齢あるかもですね。伝統的に監督が若い印象ありますね。ガスペリーニはもう62歳だから。ミランはそれこそここ近年、若い監督を使い捨てのように入れ替えてた(笑)

カズ:あれよくないですよね。

如月:おそらくはバルサみたいな下部の監督がトップで成功する流れにインスパイアされたのだろうけど。

カズ:間違いないですね。それとレジェンドを監督にしておけばファンが納得するだろうという・・・

シュウ:お茶を濁すみたいな。

カズ:まさにお茶を濁して、全く中身の無いやり方でしたね。

シュウ:ガスペリーニって昔のデルネーリぽいですよね。地方で躍進して、ビッグクラブ行って失敗して戻ってきて。

ミツ:ミラクルキエーヴォの頃の。

シュウ:そうそう、ユヴェントス行ってダメだった。

如月:その前にローマでもコケてますけどね。

シュウ:プロヴィンチャでしか上手くいかない監督っていますからね。ガスペリーニがミランに行ったとしても同じ事を繰り返しそうな。

カズ:これまでのミランの監督って中身が無いというか、アンチェロッティ門下生ってだけで監督になった人たちで、次のステップにふさわしいのは、何をしていくべきか?というのを見せてくれる監督。選手たちに、サッカーに勝つとはどういうことかを叩き込んだのはガットゥーゾで、ファーストステップとしては良かったんですけど、セカンドステップとしていよいよサッカーを作る段階に来たので、次に戦術家が来るのは賛成です。ガスペリーニはジェノアでも良かったですもんね。

シュウ:やっぱりダービーで手ごわかったのはガスペリーニ時代のジェノアですし。

如月:サンプドリアの話に戻しましょうか。これが公開されているときは当然、どこが降格しているか判っていて、おそらくエンポリかジェノアのどちらかになると思いますけど・・・

キャズ:ヴィオラを外して頂いてありがとうございます。

一同:笑

如月:どこが落ちるのか、さっきシュウさんと話してたんだけど、ぼくはジェノアが風格で残留して、降格はエンポリかなと思っているんです。でも仮にジェノアが降格したらドリアーノはお葬式やるじゃないですか?

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*2011年にサンプドリアが降格した際、ジェノアファンがサンプの葬儀を執り行い、30000万人が参列した。

シュウ:やりますね。

如月:そこで素朴な疑問ですけど、仮にサンプドリアがスクデットを狙ってるクラブならば、ジェノアが落ちてもまた別の楽しみ方があると思いますが、今のサンプはまだそうじゃないわけで、するとシーズンの良し悪しの目安はダービーに左右されますよね。

シュウ:・・・

如月:だけどジェノアには降格して欲しいと言う。それで本当に降格したらドリアーノは来季何を生きがいに応援するのかなというのは知りたいです。

シュウ:・・・それは個人的な葛藤でもありますよね。ぼくもダービーの為だけに三泊五日で向こうに行くくらいなので、両方のファンからすれば、あの試合のでかさは他のダービー以上。我々はスクデットとは縁がないんで、ジェノヴァの街に行ったことのある方は判ると思いますけど、勝った負けたで半年間は言われ続けますから、確かに(ライバルの存在は)大きいんですけど・・・まあでもやっぱり、お葬式はやっておきたいかな。
一同:笑

シュウ:一度盛大にやられてますからね。

如月:今シーズン後半のジェノヴァダービーは面白かったですね。それこそ最初の数十秒でどっちにも決定機があった。サンプはとてつもなく強かったですけど。

シュウ:ジャンパオロがダービー凄げえ強いんですよ。就任してから一回も負けてないんで、それもドリアーノの評価が高い理由なんですよね。

カズ:まさにローマ向きの監督ですよね。

如月:アハハハ、お願いしちゃおうかな(笑)

シュウ:ハハハ

如月:話逸れますけど、ぼくはジェノアだとラクサールって選手がとても好きで、今はミランだけど、本当は昨年の冬にローマで合意もあった。だけどミラン行って名前を聞かなくなっちゃった。

シュウ:ぼくもジェノアではラクサールは唯一好きでしたけど、地方で輝いてビッグクラブの壁に躓く選手ってサイドバックは多いですよね。どうしても守備・・・イタリアはサイドで守備が出来ないと上のクラブに行けば行くほど使ってもらえない。ラクサールは典型的に攻撃は出来るけど守備は下手で、(サンプとローマにいた)ドドーもそうですよね。ドリブルは良いものがあったけど、結局使ってもらえなくてブラジルに帰っちゃった。さすがにロベカルみたいな選手なら話は違うし、リーガはマルセロみたいな選手が活躍できるけど、イタリアでこのポジションの重要性は、クリスティアーノ・ロナウドが22得点止まりというのが一番顕著に現れてるかな。

如月:でありながら、なんでクアリアレッラはあんなにバカスカ点が獲れるんですか?

シュウ:いやぁ、それぼくも謎なんですよね(笑)

如月:シーズンずっとプレーしているわけじゃないでしょ?

シュウ:いや、結構出てますよ。

ミツ:今何歳なんですか?

シュウ:36歳ですね。カッサーノとクアリアレッラってクアリアレッラの方が学年1つ下なんですけど、一緒にプレーしていた頃から守備も組み立てもやって、スタミナもあった。まあタイプが違う選手ではありますけどね。得点に関しては、若い頃は本当に奇跡的なシュート多かったですよね。ロングシュートやバイシクルみたいな。それが年を重ねて、インザーギぽい得点・・・これは本人やジャンパオロが言っているのですが、『狡猾な』点の獲り方を覚えた。それが昨シーズンから一気に点を獲れるようになっちゃって。

如月:代表にも戻っちゃいましたもんね。

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シュウ:そしてゴールを決めるとは思わなかった(笑)


如月:デ・ラウレンティス(ナポリ会長)が欲しいと言ってましたね。クアリアレッラ、ナポリ人だから。

シュウ:言ってましたね。前にナポリいたときはストーカー被害でクラブを出て行かなきゃいけなかったんですけど。あの時は、ナポリファンも出て行く理由がわからなかったから大ブーイングでしたが、今はナポリの人たちも判っているし、本人的も最後はナポリでみたいな気持ちはあるのかな?

如月:デ・ラウレンティスは、ラストイヤーはうちでみたいな花道的な話してましたけど。

シュウ:さすがにナポリ行ったら控えでしょうし、できれば彼にはウディネーゼのディナターレのような終わり方をしてもらいたいです。

【ローマ速報アンケート結果・サンプドリア編】

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第2節につづく

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