ローマはまもなくマンチェスターユナイテッドのネマニャ・マティッチと契約するだろう。8月に34歳になるセルビア人MFの到着はミキタリアンの穴を埋めるに十分だ。マティッチは2014年にチェルシーでモウリーニョ監督の信頼を得て主力としてプレーすると、2017年にはその恩師に呼ばれてマンチェスターユナイテッドでも主力としてプレーをした。この夏、契約満了で退団が発表されており、その動向を多くのクラブが追っていたところでローマがレースを一歩リードした形だ。
28分で交代させた男とさせられた男
モウリーニョ監督とマティッチの師弟関係は2015年のスタンフォードブリッジで生まれた。ホームにサウサンプトンを迎え、1-1のスコアラインの状況で、モウリーニョ監督はハーフタイムにマティッチを投入。巻き返しを図るも、その後チームが立て続けに失点を許すと、わずか28分後に再び交代させてしまったのだ。この出来事は大きな話題になったが、その後、モウリーニョ監督はマティッチとな試合後のやりとりについて語っている。
モウリーニョ監督「投入後わずか28分で交代させたのは戦況から判断したことだ。もちろん残念だったし、良い気分はしなかったね。しかしだ。その翌日マティッチは私のところにやってきた。「コーチ、昨日の交代は不愉快だったけど、それはすべて私のせいです。あのような扱いは好みません。それでも昨日の私は交代させられるべきパフォーマンスだったと思います」そう言ったのさ。その後、私はチェルシーを辞めて、一緒に働く機会を失ったが、あの時から私とマティッチは仲間になったんだ。そして、お互いどこで仕事をしていても連絡を取り合う関係になったんだ」
選手も当時を回想している。
マティッチ「あの瞬間は確かにいやな気持になったよ。でも私は反論しなかったし、黙って座ることを選んだ。あの状況で監督に食ってかかり問題を起こす選手もいるが、私はチェルシーとチームに対して敬意を示そうと考えた。実際にはとても難しかったけどね。でも、おとなしくベンチに座った時、自分は正しい振る舞いをしたと感じたんだ。今でも監督に反論しなかったことを誇りに思っている」
そして数年後、モウリーニョ監督についてこのように発言している。
マティッチ「モウリーニョは私が仕事をした中で最も素晴らしい監督だ。常に多くを要求する監督だから、一緒にプレーするのは簡単じゃない事もあるのは確かだが…。例えば人生最高のプレーをしたと思っても、監督は次の試合でもっと良いプレーができると考えている。私がマンチェスターに移籍したのはモウリーニョ監督がいたからだ。それに私生活では、世間に認識されているような人物じゃないんだよ。まったくの別人さ。道徳的な人間だし、メディアで目にする冷酷さや高慢さなんて全くないのさ」
モウリーニョ監督はマティッチをトレーニングキャンプの始まる7月前に獲得したいと考えており、メディカルチェックは想定よりも早まる可能性がある。現在年俸は非公開、1年契約と出場数に応じて2年目のオプションが付く予定だ。
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