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【パジェッレ&レビュー】セリエA第3節:ローマ2-1サッスオーロ

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・Rui Patricio 7.5

この試合を1失点で終えられたのはひとえにVARと彼の貢献によるところが大きい。Djuricicによる押し込みが上手くミートせず想定外の弾道で頭上を越えた事はあったが、逆にその1失点以外の全て枠内シュートを冷静に処理したかと思うと驚異的だ。昨年まではDFが高いラインを維持していた為、鋭い飛び出しがGKに求められていたが、今のRomaには彼のようなシュートを確実に止めるGKが適任で、今シーズンの的確な補強の成功例と言えよう。

・Karsdorp 6.5

Romaの右サイドはこの試合において激しい攻防が行われたエリア(特に後半)であったが、絶え間ない上下動によって攻守に亘って献身的な活躍を果たした。相変わらずグラウンダーでのアーリークロスが決定機を演出出来ておりキーパス数が2本あるのも頷ける、さらに敵ドリブラーへのセーフティーなスライディングによるクリアも好印象。今シーズン初めて終盤ピッチを降りたが、ミッドウィークにECLの試合が控えていることを思うと当然の交代にも思える。

・Mancini 6.0

ボールタッチ数91回、パス数84本は共にチーム内最大の値で、パス成功率92.9%もIbanezの93.4%に次ぐ数字と、今節以下に最終ラインから組み立て直す機会が多かったか、またその最終ラインで彼が冷静に仕事をこなしたかが分かる。Karsdorpとの連携によるBogaのエリア内への侵入阻止、ハイボールの処理など好プレーもあったが、特に後半はチームとして押し込まれた場面が多く交代で入ってきたScamaccaの対応にも苦慮した為、結果的に多くの決定的なシュートを打たせてしまった。

・Ibanez 6.0

ボールタッチ数87回、パス数76本は前述のManciniに次ぐチーム2位の数字と、Manciniとの相互のやり取りで後方からチームを支えた。試合の序盤はいつも通りのパフォーマンスが出来ていたが、前半に微妙な判定でカードを貰ってしまった事や疲労の影響もあり、徐々にプレーの精度が落ちてしまった。試合中盤では致命的なパスミスから敵に決定機を献上してしまったが、試合終盤では最後の力を振り絞り果敢なシュートブロックなどでミスを帳消しにできた印象。

・Vina 5.5

シュートが打てていること等好材料と言えるものもあるが、どうしても右サイドのKarsdorpと比べると少し見劣りしてしまうのは否めない。Berardiに嘲笑うか様に振り切られ放たれたクロスが失点の場面になってしまったのも印象が良くない。新加入でSBと言うのは目立った結果を残し易いポジションとは言えず、チーム内での信頼獲得も大変とは思うが、まずは同サイドを担当するMkhitaryanから一旦ボールを預けられる存在として認められて欲しい。これまでの試合でスプリントの力はあるように見えるので、若干細く見える身体を当たり負けしない体に鍛えればより活躍が期待できそう。と言うか、若干23歳の若者に期待し過ぎですね。

・Cristante 7.0

失点時にエリア内でもう少し強くDjuricicに詰めていられれば…と玉に瑕な感じ。仮にあの形での失点が決勝点とかになっていたら小戦犯扱いだったのでは。ただそれ以外のプレーは素晴らしく、何より先制点は値千金、また終盤まで中盤の底を守り続けた。先制点に関してはボールだけを追いながら、利き足で無い左足を完璧に振り抜いており、やはりゴールへの空間認知能力の高さを再認識させられた。
完全にアメリカ資本に骨の髄まで浸食された批評が意味不明で面白かったので記載します、多分ファイターだと言いたいだけです。(笑)

“無関心では無いSensei(先生)から受け継がれた、Cobra Kai (『コブラ会』:Netfrixで放送の『ベスト・キッド』の続編らしいです)の気質を持ち合わせており。彼からボールを奪うことは、パーティーでMargot Robbieから電話番号を聞き出すのと同じくらい難しい。試合の微妙なタイミングで巧妙なゴールを決めた。後半彼はDjuricicを執拗に追い回したが、判断を誤り自陣エリア内でチームメイトと共にマークを外してしまった。” (by Leggo)

・Veretout 6.0

両チームが夫々異なる手法ながらもサイドを軸とした攻撃を行った為、中盤として試合に参加する場面が少なくなってしまった。代表戦での疲れもあってか、後半になるにつれ徐々に運動量を失い交代となった。普段の様な目立った活躍はなかったものの、明確なエラーも無く、勝ち試合においては及第点か。

・Zaniolo 5.5

まだまだ本調子ではないし、正直まだしばらくこの様子は続きそうに感じる。相変わらずボールを持ちすぎる癖が抜けず少し苦しんでいるが、大きな怪我の後リハビリを乗り越えた選手を試合に出しながら試合勘を取り戻させるだけの余裕があるという事は実に素晴らしい。瞬間瞬間では輝きを放つシーンもあるので、その時間を徐々に長くしてほしい。シュート0本、キーパス0本は反省して下さい。

・Pellegrini 7.0

先制のフリーキックはセットプレーからの得点が少ないRomaの状況を打破するべく綿密に準備されたものであろう、それを練習通りにやり遂げた事は賞賛に値する。若干普段に比べると自らのシュートに拘る場面が多かった印象だが、これは最近の自身の得点感覚への自身の現れに感じる。何度も言います。早く契約延長をお願い致します…!!

・Mkhitaryan 6.0

後半は顕著に逆サイドを中心にゲームが進んでしまった事もあり目立った活躍は少なかったが、単独でのカウンター能力やボールに対しての寄せの速さは明らかにチーム内で群を抜いている。Vinaとの連携がまだ十分で無い為に、左サイドでの支配的な試合運びやチャンスメイクにまだ繋がっていないが、この点は今後に期待。むしろZanioloと左右が逆だった場合は左サイドが大変なことになっていたのでは…。

・Abraham 6.5

Chirichesにプレッシャーを与え続け先制点のきっかけとなるファールを貰った他、ポスト直撃の他にも惜しいシュートもあったが、今節は欲しい場面でパスが貰えなかった印象。自陣敵陣を問わずゴール前での彼の存在は大分安心感があり、試合終盤に最終ライン近辺まで戻り守備をするその献身的な態度(ほんの一瞬元RomaでDFのMapou Yanga-Mbiwaに見えました)は実に好印象。フリーキックの際のPellegriniとのしょうもない茶番が可愛かった。

・El Shaarawy 8.0

20分と限られたプレー時間の中で結果と個性の両方を最大限に出し切った。左45度から巻いた美しい決勝点は通常の1点以上の価値のあるゴールで、Mourinhoの1000試合目に花を添え、この3連勝はチームに自信と結束をもたらすに違いない。

“彼の頭上にはチームメイトによって押しつぶされたピザのように紋章が。勝ち点3をもたらす素晴らしいゴールを決め、Cruva Sudの下での歓喜の凱旋。ローマのファラオ。” (by Messaggero)

・Carles Perez 6.0

いつも通り安定した試合への入りで試合終盤の再度の攻撃に厚みを与えた。今節はスターにはなれなかった。彼が控えている安心感でZanioloをスターター起用出来ている節は大いにあるので、むしろその座を脅かす存在になって欲しい。

・Shomurodov 6.5

惜しい場面もあったので本来であればゴールを求めるところだが、今節においてはEl Shaarawyへの丁寧な落としだけで十分だった。彼の献身的な姿勢・エゴイストで無い面がこの決勝ゴールを生んだと言っても過言ではない。次節以降とミッドウィークでのECLに期待。

・Reynolds 5.5

あくまで個人的には凄く将来に期待しているのですが、終盤の極めて少ない出場時間でプレーへの不安感を覚えた。線の細さもさることながら、余りに自信無さげにプレーするのは印象が良くない。このチームのプレイヤーとしてピッチに立つ以上は自身を持ってプレーして欲しい。

・Mourinho 7.5

前半敵が上手く行っていない時間帯に見事に仕込んだサインプレーで先制をしたが、その後敵将Dionisiに上手く修正を施された。代表戦もあり疲労感のある選手も多かったであろう中、主力メンバーを信じスタンドに送りだし、控えのメンバーを効果的に使い勝利を収めたのは実に甘美な瞬間であった。通算1,000試合おめでとう御座います。Cruvaへと走るあなたのその背中に、私は付いて行くと決意を新たに致しました。

“千夜一夜物語は現実のもであり、おとぎ話では無い。Mourinhoは、彼を称えるこのスタジアムで、まだ何かを成し遂げなくてはいけないこのチームと共に、1番手でゴールテープを切った。実際に、Sassuoloは素晴らしいプレーを見せ、次々と攻撃を仕掛け、幾度も引き分けに近づいた。しかしこの試合ではMourinhoを偉大たらしめた、何か特別な力がそこに宿っていた。” (by Leggo)

総評

引き分けでも、負けていても全くおかしくない試合であった。実際にスタッツを見ると多くの指標で互角の内容、乃至はRoma側が劣った内容である。
試合前の段階では多くの代表戦帰りの選手のコンディションが心配されていた事もあり、大幅なターンオーバーも予測されていたが、昨シーズン最終節終了段階で勝ち点では並んだこのSassuoloというチームに対して、何を舐めたことを考えていたのかと気付かされた。
前半Romaはポゼッション時に2-4-2-2の様に構え、両サイドバック前方のスペースと縦の連携で前への推進力を重視した戦い方を取ったがあまり崩し切ることが出来ず、Sassuoloもまた上手く前線にボールが運べず苦しんだ。そのような膠着状態の中でセットプレーから得点が生まれたのは実に素晴らしい。ラッキーだったというのはあまりにチームに経緯に欠くような、丁寧に準備されたセットプレーであった。
ひとつこの試合の変曲点になったのはSassuoloが人を剥がすことに長けたRaspadoriを下げ、逆に人を背負い引き付けることが出来るScamaccaを投入したタイミング。これによりSassuoloの選手たちはボールを奪取した後一旦の預け先を確保し陣形を整えることが出来、両サイドを広く使うことが出来るようになった上に、両サイドを広く使いコート中央部をパスすることで、Cristanteを無力化する事にも成功していた。
Roma側は2-4-2-2での両サイドと中央の縦の動きを諦めこれに付き合う形で対応しZaniolo、Mkhitaryan、Veretoutを下げ、El Shaarawy 、Carles Perez、Shomurodov を投入。Pellegriniを1列下げることで、通常通りの4-4-2とし、よりサイドの攻撃事態に深みを持たせた。
興味深かったのは両チームが後半よりサイド偏重での攻撃の組み立てをした中で、その狙いは明確に違っていた点で、SassuoloはBogaやBerardiのカットインと飛び出し中心に攻撃を構成したのに対し、Roma側はAbrahamとShomurodovと言ったターゲットマンを置きサイドからのクロスを織り交ぜながら、試合を組み立てた点で、この点はRoma対Sassuoloでオフサイドの回数が1対6に対し、クロスの本数が15対11であるという点でも顕著であった。結論から言うとどちらの作戦も夫々に功を奏し、両チーム後半はきわどいチャンスを作りあう形。最後は運よくRoma側が決勝点をもぎ取ったと言え、代表選手を中心とした各選手に疲れが見える中で実にドラマチックな勝利となった。これに関してはMourinhoは持っていると言わざるを得ない。

試合を見る限りSassuoloは長らくチームを支えた功労者であるDe Zerbi監督が抜けたが、どうやらその穴は新任監督のDionisi監督が上手く埋めている模様で、彼のステップアップの様子は現FiorentinaのItaliano監督にも通ずるものを感じた。
今シーズンはセリエA上位チームにおける監督同士の戦いに目が行きがちだが、Sassuoloも含めたEL争いに食い込んできそうなチームの監督の采配にも目が離せない1年になりそうだ。


採点者:くわしん

小学生の頃にバティストゥータに憧れ、丁度その時ローマに中田がやって来た為にローマに触れる機会が多くなりロマニスタに。好きな現役選手はDiawara。思い出の試合は2012年にオリンピコで観戦したコッパ・イタリア決勝でのラツィオへの敗戦。大学時代にF1のコースエンジニアを目指してイタリアに留学。イタリアにおける高卒認定相当の資格を持っている。好きな選手のタイプは稲場愛香みたいなタイプ。

 

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